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デザイナーじゃなくてもサービスをデザインできる「サービスジオラマ」を公開したよ!(無料)

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サービスデザインってまだ日本ではあまり知られてないですが、ヨーロッパを中心にサービス向上のために広く使われています。サービスと言っても顧客サービスだけでないんですよね。サービスというのは人がプロセスに関わることすべてです。

例えば新入社員がいかに会社に馴染めるか?新入社員は人ですよね?そして会社という人の集まりに入り馴染んでいく。この一連のプロセスをサービスとして考えるわけです。ユーザーがアプリを使うまでを「ユーザー・オンボーディング」といってUXの世界ではすごく重要です。だったら新入社員オンボーディングだって大事だし、エクスペリエンスデザインをした方がいいですよね。

どうやってサービスをデザインするか?

サービスをデザインするためのツールにはサービスブループリントとかカスタマージャーニーマップとかいろいろあります。ただ、こういうデザイナー向けのツールって考え方を覚えるのにも時間がかかるし、実際に使えるようになるにも何回かやってみないとなかなか感じがつかめない。

普通の人がサービスをデザインするツール「サービスジオラマ」

ボク自身も企業や政府機関にサービスデザインとかエクスペリエンスデザインのワークショップをやったりします。エクスペリエンスマップの作り方とか、ペルソナの作り方とか。ワークショップの時はいいんですよ。なんかわかった気がする。できる気がする。でも、続かないっすよね、実際には。

だから普通の人がサービスをデザインできるツールが必要だとずっと考えてきました。そして作ったのがサービスジオラマです。コンセプト的には日立さんのBusiness Origamiに近いですが、さらに単純で視覚的になっています。

サービスジオラマの使い方

では、早速使い方を見ていきましょう。今回は先ほどの新入社員がいかにして会社に馴染めるようになるかというサービスです。サービスジオラマを使って、発見>発想>試行のイノベーションプロセスを一通り回してみましょう。

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3つのカード

サービスジオラマは三つのカードで構成されています。Peopleは人ですね。個人でもいいし、グループでもいいです。Itemは物理的なものでもいいし、デジタルなものでもいい。例えば電子メールもItemですし、WebサイトもItemです。デザイン用語ではタッチポイントと言ったりします。Placeは物理的な場所でもいいですし、デジタルな場所でもいいです。家や会社もPlaceですし、LINEのグループなんかもPlaceです。

色分け

そして、サービスに関わるグループを三つくらいに分けます。今回は新入社員をオレンジ、会社を、それ以外をとします。色分けは洗濯バサミを使ってもいいですし、ポストイットを使ってもいいです。

ユーザーからはじめよう(発見ステージ)

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デザインについてはなんでもそうなんですが。ユーザーからはじめましょう。今回の場合は新入社員ですよね。People Cardをオレンジの色分けをします。

人、場所、アイテムをつなげていこう

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ユーザーを置いたら、人、場所、アイテムをどんどんつなげていきます。新入社員の対応をするのは人事の採用担当者ですかね。People Cardを会社を表す青の色分けをして新入社員と線でつなげます。ポストイットにそれぞれの役割とかやることとかを書いて貼り付けておいてもいいです。

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当然ながら人事だけで新入社員の受け入れが完了するはずもなく、いろんな登場人物が出てきます。マネージャーもいるでしょうし、配属部署の先輩たちもいるでしょう。人事の教育担当は採用担当とは別だったりしますし。あと、会社用のパソコンとか名札や名刺の受け渡しとかもあるでしょう。人だけをこうやって並べるとステークホルダーマップになるのですが、サービスジオラマはそれだけでは終わりません。

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採用担当者はメールで入社の日程や準備をすること、会社の住所などを書いた電子メールを新入社員に送ったりしますよね。これをItemで表します。会社に着けば、従業員ポータルとかがあって、会社について知らなければいけないことがたくさん書いてあったりしますよね。採用担当者は受け入れ先のマネージャーとコミュニケーションもするでしょう。そういったことは会社の中でやりますよね。

これを企業内でやると、ここまでできます。でも、まだ足りない。だってだらけですよね!?色が一つに偏っていたら、それは少ない色についてわかっていないということです。色分けをするのは一目でその偏りがわかるようにするためです。

さらに深く

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新入社員を一人しか採用しないということもあるでしょうが、同じ時期に大抵複数人採用しますよね。トレーニングがあるということは、そのトレーニングのコンテンツを作っている人がいるということですし、従業員ポータルがあるということがそのコンテンツを管理している人がいるということです。

どんな発見があるのか?

こうやってサービスジオラマを使って深堀をしていくと、いろいろな発見があると思います。

企業が大きな建物に入っている場合、セキュリティーを通らないといけなかったりしますよね。そこの受付とちゃんと話が通ってるんでしたっけ?とか。

これは実際にあったケースですが、新入社員同士でチャットグループを作ってたりします。わからないことはお互いでカバーしあおうぜ!という精神。従業員ポータルって使いづらいんですよね。でも、従業員ポータルを管理している人はわかってない。

アイデアを出そう!(発想ステージ)

発見があれば発想が生まれます。例えば新入社員がLINEグループでコミュニケーションをしているんだったら、それを組み入れればよくない?とか。そうすれば従業員ポータルの位置付けが変わるよね?とか。それが本当に有効ならそもそも部内のコミュニケーションはSlackにしない?とか。

いきなり全部やるってのはなかなか大変ですので、何か一つ「これだ!」というのを試してみましょう。

サービスジオラマでシミュレーションしてみよう!(試行ステージ)

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いきなり実際にやってみるというのもハードルが高かったりしますよね。サービスジオラマなら机上でシミュレーションをすることができます。この時、なるべくたくさん関係者に集まってもらったほうがいいです。例えば採用担当者が新入社員用のLINEグループを作るとどうなるか?ITの観点からはどう?法務の観点からはどう?

アイデアだけでは議論が発散してしまいますが、サービスジオラマのように目に見える形だとわかりやすいですし、意見だけでなくて実際にカードを動かしながら変えていけるので関係者もサービスづくりに参加できます。

実際にサービスジオラマを使ってみよう!

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サービスジオラマはSlackのコミュニティーで無料でダウンロードできます。メールを登録してもらえれば、Slackの招待状をお送りします。基本的に英語なのですが、日本人向けには#japaneseというチャネルを用意しておきました。日本語でコミュニケーションしたい場合はこの#japaneseチャネルを使ってください。