カタパルトスープレックス

イノベーションに効く世界の情報を日本語で

日本でイノベーションを加速させるために必要なこと

ネットワークの大きさとイノベーションの速度の関係

 ゾウはネズミよりも成長が遅い。体が大きいから。小さいほど成長は早く、大きいほど成長は遅い。そして「なんとなく」ではなくて、数学的に表現できる。これはマックス・クライバーという生物学者が発見しました。そして物理学者のジェフリー・ウェストの研究でクライバーの法則は都市にも当てはまることがわかっています。小さな町は成長が早く、大きな都市ほど成長は遅い。

 しかし、もっと面白いのはイノベーションに関しては違ったということ。小さな町より大きな都市の方がイノベーションが起きる。その理由を研究しているのがスティーブ・ジョンソンです。

 スティーブ・ジョンソンの"Where Good Ideas Come From"(邦題:イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則)が出版されて7年以上経ちます。その後も"How We Got to Now"(邦題:世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史)から最新著書の"Wonderland"(邦題:世界を変えた6つの「気晴らし」の物語【新・人類進化史】)までイノベーションに関するとてもわかりやすく深い考察を提供してくれていますが、なかなか日本で広く浸透していない気がします。

 イノベーションは複数のアイデアやスキルの組み合わせ。それにはアイデアやスキルのネットワークが必要になります。都市の規模とイノベーションが関係があるのはそのためですし、インターネットによってイノベーションが爆発的に起こるようになったのもこのためです。

言語とイノベーションの関係

 リアルな世界で英語を母国語とする人は5.5%で、日本語を母国語とする人は1.9%です。しかし、インターネットで使われる言語の50%以上は英語で、日本語は5.3%くらい。外国語としての英語を含めるとそれくらいの差になるのでしょう。中国語を話す人の多くは英語も話せます。例えば香港の人とかシンガポールの人とか。中国語と英語のクロスオーバーは大きそうです。

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ソース:"A Proportional Visualization of the World’s Most Popular Languages", Open Culture

 スティーブ・ジョンソンの考え方が英語圏で普及していて、日本語圏で普及していない理由はふたつ。彼の書籍がもともと英語で書かれたものだから。そして、英語のネットワークの方が大きく伝播しやすいから。英語圏のほうがアイデアが生まれる可能性が高く、広まる速度も早い。単純な規模の経済。

カタパルトスープレックス が海外の情報を日本語で提供することにこだわる理由

 日本語でイノベーションに役立つ海外の情報を提供する。英語でしか読めない情報を日本語で読めるようにする。このブログマガジン『カタパルトスープレックス 』でやっていることです。それが『カタパルトスープレックス 』のWhatです。

 では、なんでそんなことをしているのか?それは日本語と英語の情報のギャップをなくすためです。それが『カタパルトスープレックス 』のWhyです。自動翻訳の技術がもっと向上すればこんなことしなくて済むかもしれません。でも、いまは必要です。海外のニュースを提供するメディアはすでにたくさんあります。でも、まったく足りません。商業メディアは人気のあるコンテンツや話題があるコンテンツを優先します。

カタパルトスープレックスをコミュニティーにする

 去年まではそれをひとりでやっていました。どのような情報があるのか、どのように伝えればいいのか、オリジナルの作者とどのようにコミュニケーションをとるといいのか。色々と試行錯誤をしてきました。

 しかし、ひとりではスケールしません。そこで、今年からはスケールさせることに注力することにしました。情報発信をする人のプラットフォーム、情報発信をしたい人のローンチパッドとしての『カタパルトスープレックス』 です。

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カタパルトスープレックス チーム

 目指すのは都市のようなコミュニティー。上下関係なし。人種とか経験とか関係なし。例えば日本語が苦手な人がいたら、日本語が得意な人がカバーする。逆も然り。ノルマも締切もなし。管理は必要最低限。例えば書く人に「はてなID」を付与したり、デザインする人にGithubのチームを加えたり。

 日本でイノベーションを加速させるために何かしたい人。カタパルトスープレックスでやってみませんか?

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