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本のエクスペリエンス|「本のない本屋さん」は本でつながるコミュニティー

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 前回は『本のない本屋さん』の最初のポストでした。書店やAmazonにはあまりにたくさんの本がありすぎる。そこから自分にあった本を探すのは大変。だったら本を無くしてしまおう。それが『本のない本屋さん』のはじまりでした。

『本のない本屋さん』には本がない。では、何があるのでしょうか?本が欲しいのであればAmazonですぐに買える。偶然の出会いを求めるのであれば本のある本屋さんの方がいい。『本のない本屋さん』には人とのつながりがあります。『本のない本屋さん』にはコミュニティーがあります。

人のつながりと本のつながり

 本は人と人とをつなぐことができる。ブッククラブは代表例ですよね。本に求めるものは人それぞれ。本に出会って何を得るかも人それぞれ。そして、それぞれ違う人たちが集まれば、自分だけでは見つけられなかった本が見つかるはず。

 何かをメディアとして人をつなぐ。そんな例は本以外にもたくさんあります。

 美味しい食べ物が好きなグループがある。『食いしん坊のデザイナーたち』ではデザイナーが集まって色々な美味しい食べ物を探訪しています。美味しい食べ物はデザイナーをつないでくれる。一人でなく、みんなで楽しむ。仲間がいるから自分だけでは探せなかった食の世界が見えてくる。

いい本には人が集まる

 村上春樹の本をテーマとして集まりはたくさんあります。最近はノンフィクションでも元々は本で紹介されたコンセプトが共感を生み、コミュニティーになる例はたくさんあります。例えばリーン・スタートアップ。エリック・リースが書いた『リーン・スタートアップ』に共感した人たちが集まり、Lean Startup Circleという世界に広がるコミュニティーとなりました。そして、リーン・スタートアップに関する新しい本が生まれ続けていて、コミュニティーも広がり続けています。

人とのつながりから本と出会う

 日本での今年の新刊点数は80,000冊だそうです。一人でそんなに本は読めない。そして、その中から自分の探している本を見つけるのは大変です。本屋さんで見つける?Amazonで探す?

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 東京の飲食店の店舗数も80,000店舗だそうです。自分のお気に入りのレストランやカフェを探すのも大変です。食べログで探すのは一つのやり方です。評価が高い飲食店を見ることで選択肢が少なくてすみます。

 人気のあるお店にはある傾向があります。メニューがない。例えば広尾の『ローストホース』、例えば恵比寿の『BBQ610』、例えば阿佐ヶ谷の『サトーブリアン』、吉祥にの『肉山』など(肉ばかり😂)。お店に身を委ねられるのはとても楽です。そして、それは信頼関係の上に成り立っています。

 人気のあるお店に通い続ける人たちはお互いに顔見知りだったりします。この人がいくお店だから美味しいに違いない。アンジャッシュの渡部建さんはその代表格ですよね。

 本もそのような信頼できる人たちだからこその「選ばない気楽さ」があっていいのですよね。それが『本のない本屋さん』におけるコンシェルジュの役割です。同じ本が好きな人だから信頼できる。

「本のない本屋さん」はクラウドファンディング準備中

 こんな本屋を作るため『本のない本屋さん』のクラウドファンディングの準備中です。メンバーになりたい人、コンシェルジュになりたい人、一緒に運営したい人を募集中です。メンバーが500人を超えたらクラウドファンディングをはじめる予定です。

この記事はService Design Advent Calenderの一部として参加しています。いろんなことがサービス化されています。本もきっとサービス化されるでしょう。『本のない本屋さん』はサービスデザイン的には本のサービス化です。本がサービス化された時、本は人と人とのつながりの側面を強く持つようになると思います。そして、それが『本のない本屋さん』の目指す姿です。

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