カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評|「価値」と「生産性」の再定義|"Value of Everything" by Mariana Mazzucato

日本は生産性が低いといわれていますが、それは本当でしょうか。 生産性の計算は労力や資本といったインプットに対して、どれくらい価値を生み出したかというアウトプットから算出されます。では、そのアウトプットである「価値」ってなんでしょう?一般的に…

スタートアップ国家エストニアの脆弱性

エストニアでマネーロンダリング(資金洗浄)が行われている疑いがあるとして、世界を騒がせています。ノルウェーのダンスケ銀行のエストニア支店を通過した約26兆円に相当する資金が疑わしい取引であったということです。いま、このスキャンダルはドイツ銀…

金持ちのキャッシュレスと貧困のキャッシュレス

キャッシュレスの大きな需要は二つあります。ひとつは富裕層ためのキャッシュレスで、もうひとつは貧困層のためのキャッシュレスです。この二つの異なる需要はきちんと分けないといけないなあと思います。 富裕層とか貧困層って日本ではあまりピンと来ないか…

書評|独占禁止法の歴史から現代のGAFA寡占と経済の停滞を検証する|"The Curse of Bigness" by Tim Wu

多くの人は世の中を悪くしてやろうなんて考えてないですし、その人たちなりの正義に基づいて行動しています。ある人にとっての正義が、別の人の正義ではないというだけです。それはこれまで散々もてはやされていたGoogleやFacebookが、ここ最近は悪者として…

抄訳|ウェブのための協定(Contract for the Web)

原文:"Principles for a Contract for the Web" by World Wide Web Foundation ウェブのための協定(Contract for the Web) 基本原則 ウェブは人々が集まり、自由に知識を共有できるようにするために設計されました。すべての人にウェブが人間性に貢献する…

書評|脳から見た人間と社会の関係|"Social" by Matthew Lieberman

最近はソーシャルメディアに対して批判的な意見が多く出てきています。ソーシャルメディアがなぜ有害なのかを論じる上で、人間と社会の関わり合いを科学的に説明すると感じる論者は多いようで、今回紹介するマシュー・リーバーマンの著書"Social"(日本語タ…

ビットコインやイーサリアムはもうオワコンなんですか?

一時期の喧騒が嘘だったようにクリプト関連が冷え込んでいますね。あれだけあったビットコインがらみのテレビCMもめっきり見なくなりました。ビットコインもイーサリアムも一年前に比べたらその価値は半分以下ですものね。 とはいえ、ボク個人はブロックチェ…

書評|FBIのデザイン思考的な交渉術|"Never Split the Difference" by Chris Voss and Tahl Raz

映画『交渉人』は濡れ衣の罪を晴らすために人質をとって立てこもるシカゴ警察東分署交渉人(ケヴィン・スペイシー)と人質開放の交渉を引き受けたシカゴ警察西分署の交渉人(サミュエル・L・ジャクソン)のやり取りが素晴らしい映画でした。 今回紹介する書…