カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

2019年洋書ベスト5冊|ベスト・オブ・2019

2018年のベスト5冊を振り返ると「シリコンバレー的な生き急ぐようなスタイルではなく、もっと人間らしくやろうぜ」というメッセージの本が多かったです。あと、ジェンダーに関してもエミリー・チャンの"Brotopia"のように、より深い議論が起きましたね。そ…

書評|もう、はじまっている新しい戦争|"Sandworm" by Andy Greenberg

戦争のイメージって飛行機や戦車が実弾を撃ったり、ミサイルが飛んで街を破壊したり人を殺したりですよね。もちろん、そういう戦争が起きる可能性はゼロではないですし、物理的な破壊兵器は今でも作られ続けています。物理的な攻撃の主なターゲットは相手の…

書評|死にゆく民主主義のための処方箋|"They Don't Represent Us" by Lawrence Lessig

何かを議論するとき、何を原理原則とするかが重要です。何が目的で、何が手段なのか。例えば、日本は衆議院と参議院の二院制をとっています。何を目的として衆議院と参議院が分かれているのでしょうか。衆議院は何を代表して、参議院は何を代表しているので…

書評|経済学が信用されない理由とそれでも信用すべき理由|"Good Economics for Hard Time" by Abhijit V. Banerjee

経済学が苦手なのは経済予測です。これは皮肉でもなんでもなく、経済学は未来を予測する学問ではないのです。当然ながら経済学者の経済予測は外れるので、一般の人たちから信頼されなくなる。経済学の得意分野は経済予測という誤解は経済学者にとっても不幸…

書評|金融市場の謎をアルゴリズムで解いた男|"The Man Who Solved the Market" by Gregory Zuckerman

一般的なイメージとして金融や経済はお金を扱うのだからデータ中心で科学的なのではないかと思われがちです。しかし、一般的なイメージとは裏腹に、経済学は「科学」だと認識されていません。ノーベル経済学賞も通称であってノーベル賞ではありません。金融…

書評|デザイナーのための気の利いた豆本|A Book Apart

ボクの社会人としての原点はサービスデザイナーです。その前にマーケティングもやっていましたが、自分のプロフェッショナルとして定義をする根っことなったのはサービスデザインでした。いまはさすがに自分自身ではデザインをしませんが、それでも出来上が…

会話の糸口としての音楽、落語、酒と映画

ボクは基本的に人づきあいが苦手です。面倒に感じてしまいます。でも、人間は社会的な生き物で、人づきあいせずには生きていけません。そこで、会話が苦痛にならないように戦略を立てるようになります。ふつうの人はこんなこと考えずに済むのかもしれません…

書評|アシモフ的なAI三原則|"Human Compatible" by Stuart Russell

人工知能(AI)に関して大きく分けて二つの派閥があります。人間のに脳を超えるとき、人間にとって脅威になると主張する派閥と、人間にとって脅威にならないと主張する派閥です。スチュワート・ラッセルは人工知能は人間にとって脅威になると主張する派閥の…