書評
ボクはシャーロキアンとまではいきませんが、シャーロック・ホームズが大好きです。「聖典」はすべて読んでいますし、映画もだいたい観ています。ロンドンにあるベーカー街221B(シャーロック・ホームズ博物館)にも行きました。シャーロック・ホームズは化…
映画『アベンジャーズ』でロバート・ダウニー・ジュニア扮するトニー・スタークが浮かんでいる画面を手でササっと操作したり、やはり映画『ドクター・ストレンジ』でベネディクト・カンバーバッチが光の魔法陣をバッと手から出して防御したりカッコいいです…
最近ではYouTuberの影響力が大きくなってきました。テレビではなくYouTubeのチャンネル、音楽だってYouTubeで聴く。YouTuberはエンターテイメントだけではなく、学術の世界にも広がっています。今回紹介する数学をエンターテイメントする"Humble Pi"の作者マ…
政治的な意味において保守(小さな政府)に対する考え方はリベラル(大きな政府)です。そして、経済的な意味においてリバタリアン(完全自由主義)に対する考え方がプログレッシブ(革新主義)です。政治的な考えは経済的な考えに結び付きます。逆に経済的…
イノベーター理論はイノベーションがどのように波及していくか説明しています。最初にイノベーターと言われるアンテナの感度がよくって、新しいものにすぐ飛びつく人たちがいて、次にアーリーアダプターに伝播します。そして、最後に渋々受け入れるのがラガ…
ピーター・シュワイザーは調査報道記者です。そして、ルネッサンス・テクノロジーズのロバート・マーサーらとともに保守系シンクタンクの政府説明責任研究所を設立した一人です。更に、オルタナ右翼を代表するメディア『ブライトバート・ニュース・ネットワ…
オンライン版の雑誌『ニューヨーカー』で記者をやっているアナ・ウェイナーの初著書である"Uncanny Valley"は日本語で「不気味の谷」です。不気味の谷は最近はロボットへの嫌悪感を表す心理現象です。ロボットっぽいロボットには特に嫌悪感は感じないのだけ…
今回はどうやって紹介したらいいのか、なかなか迷った本です。単純に「動物好きにおすすめの本!」とも言えるし、もっと社会的に「ヴィーガンや動物愛護を理解するための本!」とも言える。更に「文明発展の中における動物の位置づけ!」みたいに大きな括り…
世の中には楽観主義者と悲観主義者の両方いて、楽観的な意見と悲観的な意見を喧々諤々やっています。スティーブン・ピンカーが楽観主義者の代表だとしたら、今回紹介するクリストファー・ライアンは悲観主義者の代表かもしれません。どちらかの意見が決定的…
社会心理学者のロイ・バウマイスターとジャーナリストのジョン・ティアニーのコンビは以前にも『WILLPOWER 意志力の科学』がベストセラーになりました。その後に「意志力」系の本がたくさん出ましたが、この二人の仕事が出発点です。彼らの新しい著書"The Po…
「デザインが大事」と言うのは言葉では簡単なんですが、実際にはとても難しいです。なぜ難しいのか?それは「なぜ大事なのか」のWHYの部分をまず理解しないといけないからです。そして「何が大事なのか」のWHATの部分を理解しないといけません。おそらくほと…
このブログのコンセプトは「イノベーションに効く世界の情報を日本語で」だったので、日本の情報は取り扱いませんし、日本語で書かれた和書も取り上げませんでした。それでも、ボクは日本人なので日本語で書かれた書籍も買いますし、読みます。英語の本に比…
2018年のベスト5冊を振り返ると「シリコンバレー的な生き急ぐようなスタイルではなく、もっと人間らしくやろうぜ」というメッセージの本が多かったです。あと、ジェンダーに関してもエミリー・チャンの"Brotopia"のように、より深い議論が起きましたね。そ…
戦争のイメージって飛行機や戦車が実弾を撃ったり、ミサイルが飛んで街を破壊したり人を殺したりですよね。もちろん、そういう戦争が起きる可能性はゼロではないですし、物理的な破壊兵器は今でも作られ続けています。物理的な攻撃の主なターゲットは相手の…
何かを議論するとき、何を原理原則とするかが重要です。何が目的で、何が手段なのか。例えば、日本は衆議院と参議院の二院制をとっています。何を目的として衆議院と参議院が分かれているのでしょうか。衆議院は何を代表して、参議院は何を代表しているので…
経済学が苦手なのは経済予測です。これは皮肉でもなんでもなく、経済学は未来を予測する学問ではないのです。当然ながら経済学者の経済予測は外れるので、一般の人たちから信頼されなくなる。経済学の得意分野は経済予測という誤解は経済学者にとっても不幸…
一般的なイメージとして金融や経済はお金を扱うのだからデータ中心で科学的なのではないかと思われがちです。しかし、一般的なイメージとは裏腹に、経済学は「科学」だと認識されていません。ノーベル経済学賞も通称であってノーベル賞ではありません。金融…
ボクの社会人としての原点はサービスデザイナーです。その前にマーケティングもやっていましたが、自分のプロフェッショナルとして定義をする根っことなったのはサービスデザインでした。いまはさすがに自分自身ではデザインをしませんが、それでも出来上が…
人工知能(AI)に関して大きく分けて二つの派閥があります。人間のに脳を超えるとき、人間にとって脅威になると主張する派閥と、人間にとって脅威にならないと主張する派閥です。スチュワート・ラッセルは人工知能は人間にとって脅威になると主張する派閥の…
ベン・ホロウィッツの前著『HARD THINGS』は自らのスタートアップで出会った困難を赤裸々に描き、多くの人に絶賛されました。すごくいい本ですので、スタートアップや経営に興味がある人にはオススメします。そのベン・ホロウィッツの二作目なのですから、期…
成功したスタートアップ創業者には海外でも日本でも新自由主義の権化のような人が多いですよね。勝ち組なので、勝ち組の理屈を信じるのは理解できます。一方で、成功したにも関わらず、全く違う価値観を持つ成功したスタートアップ創業者もいます。代表的な…
イブラム・X・ケンディの人種主義に関する本"How to Be an Antiracist"を読みながら、レイシズムが人種主義で、レイシャル・ディスクリミネーションが人種差別ならば、セクシズムが性別主義で、セックス(ジェンダー)・ディスクリミネーションは性別差別と…
人種主義(レイシズム)って日本人にとっては馴染みが薄いと思うんですが、国連では日本はしっかりと人種主義的な国と認識されてしまっています。2005年の国連人権委員会特別報告で「日本社会に人種差別および外国人嫌悪が存在することを正式にかつ公的に認…
インターネットの世界ではGAFAの驚異とか色々言われてます。中国ではBATや次の世代が台頭とか。もう、世界はインターネットやモバイル企業が牛耳ってるんじゃない?と。まあ、もちろんGAFAやBATの影響力は絶大ですし、超巨大企業ですよ。でも、Fortune 500の…
法律は国によって定められています。国によって法律は違います。そのため、国をまたがる場合は合法と非合法、正義と悪の境界線が非常に曖昧になります。その曖昧な世界が大きければ、大きいほど法による管理は難しくなります。海の世界がその代表例ですね。…
「デザイン」はむやみに使われすぎていて、ボク自身、最近は避けてきた言葉です。デザインは数多くある手法の一つであって、目的ではない。目的に合った手法を使うべきであって、デザイン原理主義にハマりたくない。それでも、ユーザー中心に考える思想とし…
いま世界の広告代理店のトップはイギリスのWPPグループですね。そのグループの一員であるオグルヴィの母体は1890年に創業して、ローカルな諺だった「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」を世に広めたりしました。しかし、オグルヴィが本当に世界的に有名になっ…
楽しみにしていたエドワード・スノーデンの自伝"Permanent Record"があまりにそのまま「自伝」で肩透かしにあってしまいました。核心部分だけ知りたい人は映画『スノーデン』を観れば十分でしょう。"Permanent Record"はスノーデン個人にとても興味ある人向…
ボクがインディー映画を好きになったのは80年代からで『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』とか『ニュー・シネマ・パラダイス』とか『八月の鯨』とかを岩波ホールとかミニシアターで観ていました。しかし、インディー系の映画が本当に市民権を得たのは90年代か…
アメリカのお金持ちといえばビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、最近だとアマゾンのジェフ・ベゾスを思い浮かべる人が多いと思います。チャールズ・コークとデイビット・コークのコーク兄弟を思い浮かべる人は少ない(世界長者番付でそれぞれ八位と九位…