カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

Lean StartupのボードゲームPlaying Leanを試してみたよ!

なぜボードゲーム?

ボードゲームアツいですよね!ボードゲームといえば『人生ゲーム』とか『モノポリー』のような昔からの定番ですよね。これらは既に数十年前に作られたもので、未だに愛され続けています。ボードゲームって息が長いんですよ。そして、今これからの数十年の定番になるようなボードゲームがたくさん生まれています。

これら新しい定番の代表といえば『チケット・トゥ・ライド』や『パンデミック』ですかね。他にもたくさんあるし、ボクも10個くらい持ってますよ!

パンデミック:新たなる試練 日本語版

パンデミック:新たなる試練 日本語版

 

これだけボードゲームが盛り上がってくると他のビジネスに横展開したくなるのが人情ですよね!カードゲームなんかはビジネス系やデザイン系のものがたくさんあります。ただ、ゲームの面白さとビジネスの学びを両立するのってすごく難しいわけですよ。確かに学ぶことはあったけどゲームとしては面白くないとか、ゲームとしては面白いけど、実ビジネスには使えないねとか。IDEO Method Cardsとかキレイだけど使えねーよなとか。あ、言っちゃった。

Lean Startupを学べるPlaying Leanを知った時、ぶっちゃけ「ああ、ボードゲームとLean Startupという流行り物を二つ組み合わせた中途半端なものがまた出てきたな」でした。

https://www.instagram.com/p/BBqKHOimiTt/

Playing Leanの遊び方(学び方)

Playing Leanの勝利条件はボードに並べられたタイルの真ん中の赤いタイルを取ることです。二チームから四チームでプレイします。プレーヤーは一番外枠の緑のタイルからはじめて、黄色、オレンジと進めていきます。

タイルを取るには裏に記載されたユーザーニーズに合わせた商品を作らなければいけません。ユーザーニーズはマル、サンカク、シカクで表現されています。例えば、マル=二個、サンカク=一個、シカク=四個とか。

プレーヤーは3人の従業員からはじめます。ユーザータイルを獲得するごとに従業員数は増えていきます。従業員が増えれば増えるほどできることが増えます。

ユーザーニーズを知るにはまず調査をしなければいけません。そのために従業員を使って調査をするんですが、その時に使う調査カードがこのPlaying Leanの学びの要素の一つになっています。例えば、Imposter JudoとかMechanical TerkとかA/B TestingとかLean Startupではおなじみの手法たちです。こういった手法を使ってタイルをめくりユーザーニーズを把握していきます。

https://www.instagram.com/p/BBqKHbImiTv/

ユーザーニーズがわかった後はそれに合わせて開発をしていきます。緑のタイルを獲得したら、次は黄色のタイルに移動できます。ただ、隣接したタイルでないといけません。上のInstagramの写真はちょうど緑から黄色に移っていくフェーズです。緑色のタイルのユーザーニーズと黄色のタイルのニーズが似てればいいのですが、全く違う場合があります。その時はピボットしなければいけません。例えば別の緑のタイルからやり直すとか。

調査は大事なのですが、調査をしすぎて開発が遅れると競合に狙っていたタイルを取られたり、逆に調査しないで開発してにっちもさっちもいかなくなったり。この辺は実にリアルな感じでボードゲーム上に実ビジネスを再現できていると思います。

オススメ度

流行りのLean Startupにボードゲームを組み合わせたお手軽商品だと思ったらそんなことありませんでした!コンポーネント(コマとかタイルとか)もしっかりボードゲームしてるし、ゲームメカニックもきちんと練りこまれたちゃんとしたボードゲームでした!疑ってごめんね!

「Lean Startupを全く知らない」という人にはかなりオススメできます。ユーザーニーズに合わせて開発のイタレーションを回していくLeanやAgileのモデルをお勉強なしに体験できます。頭より体で覚えろ!って感じですかね。

ただ、これを個人で買うかといえば……買わないっすね。米ドルで150ドルってのは個人で買うには高すぎます。ボードゲームってめちゃくちゃコンポーネントが詰まったゲームだって50ドルくらいっすよ。ボードゲームとして考えるとあまりにも割高です。それに、Lean Startupをよくボードゲームとして再現しているとはいえ、それほど繰り返し遊ぶものでもないです。面白いけど中毒性は低い。

おそらく想定される使い方はイノベーションを推進したい会社が購入してLean Startupをチームに広める教育ツールとして導入するって感じじゃないでしょうか。あとはLean Startupのコンサルタントとかね。個人での購入はあまりオススメしませんが、企業や団体での導入には非常にオススメです!