寡作なリチャード・カーティス監督による時間をテーマにしたSFドラマです。
ティム(ドーナル・グリーソン)は21歳の誕生日に父から一家の男たちがタイムトラベル能力を備えていることを告られる。彼は戸惑いつつも、その力を使い始めるのだが……という話です。
一般的な評価は高いのですがハートフルな映画が苦手なボクはずっと敬遠していました。内容も知らなかったし、ジャケだけみて自分向きじゃないと判断していました。たまには素直に観てみるものです。とてもよかった。
もしも人生をやり直すことができたら、しかも何度でも。やり直した結果がダメだったら、それもリセットして元に戻れる。あなたはどうする?これが本作の「問いかけ」だと思います。
本作で登場する人たちはすべて美しい人たち。悪い人ただれ一人出てこない。それだけで完璧な人生と言える。美しい人たちと過ごす美しい日々。本質的にリセットする必要は全くない。そんな人たちに囲まれた完璧な人生ばかりじゃない……と思うこともできる。でも、本作は問いかけ続ける。「本当に?」と。それは気の持ち方ひとつで変わるんじゃない?もっと一日一日をかみしめてみては?
ボクも戻りたい時間はある。後悔はいっぱいある。むしろ後悔だらけ。自分にその能力があったとして、実際に戻るか?たぶん戻らないと思う。わからないけど。そんなことを考えるくらいなら、今を大事にしよう。おそらく、本作の本当のメッセージはそういうことなんだと思う。
そういうことを考えることができたというだけで、本作には価値があったと思う。