ざっくり言うと
- 微信支付(ウィチャットペイ|WeChat Pay)に一時期追い上げられて50%までシェアを落とした支付宝(アリペイ|Alipay)が徐々に勢いを取り戻した。
- 交通系(日本で言うところのモバイルSUICAみたいな)のモバイル決済が躍進の原動力。
- 使えば使うほど信用がつくことも重要なポイント。芝麻信用(セサミクレジット|Sesami Credit)とう信用ポイントがつくことでクレジットも利用できるようになる。
- ここでは書いてないけど、微信のミニプログラムに対抗するためにも支付宝もミニプログラムを立ち上げた。そこでもこの芝麻信用がすごく重要な役割を果たしている。
- 以前に紹介したアメリカのフィンテックの状況と中国のフィンテックの状況は明らかに違う。
原文:「支付宝发布全民账单:芝麻信用累计为4150万用户免押金超过400亿」by 史艺敏(猎云网)
アント・ファイナンシャルグループ(蚂蚁金服|マーイージンフ)傘下のアリペイ(支付宝|ジーフーバオ)は2017年のデータ「全民账单」を発表しました。データによると2017年においてアリペイプラットフォームの移動体通信におけるシェアは82%。これと同時に、データはコマースプラットフォーム上で「ウォレット」が検索の数がはじめて下降したことを示しています。支付宝(ジーフーバオ)が「支払いコード(收钱码|シュオチェンマー)」を立ち上げ、「乗車コード(乘车码|チゥェンチャーマー)」を普及させ、シェアバイクをサポートしました。私たちはただスマホを持って外出して、コードをスキャン。コードのスキャンは中国人の日常になりました。今年は中国の「コードの年」と呼ばれるでしょう。
モバイル決済は単に財布を持たない便利さだけではなく、社会の潜在能力を大きく活性化する可能性があります。モバイル決済では信用を蓄積することができるため、多くのユーザーがクレジットが使えるようになり、保険などさらに多くの金融サービスを利用できるためにギャップを減らしています。
10の支付宝利用のうち、8がスマホから
今回発表されたデータによると、2017年に5.2億ユーザーが利用した支付宝(ジーフーバオ)のモバイル決済のシェアは82%:贵州省と山西省が92%で一番利用されています。全て新記録です。前回は1省でしたが、今回は11省でモバイルペイメントのシェアが90%を超えました。モバイル決済がほぼ全ての側面をカバーするにつれて、より多くの人が財布を持たずに外出ができるようになります。
「アリデータ(阿里数据|アリシュジュ)」で発表されたデータはある傾向を示しています。過去3年、「荷物」カテゴリーの検索ボリュームは増えているにも関わらず、「ウォレット」の検索が2017年から減少しはじめています。
モバイル決済の飛躍的普及の原因の一つは支付宝の「收钱码|シュオチェンマー)」の普及です。この一年で中国の隅々に渡る4000万以上のスモールビジネスが支付宝のQRコードを利用してキャッシュレスで売上データ化の実現をしました。現在、レストランの支払いだけでなく、ショッピングやUFOキャッチャーに焼き芋屋の屋台、ストリートパフォーマンスまで全てモバイル決済をサポートしています。
モバイル決済の中国における普及は伝統的な業種にも影響を与えています。2017年3月に二名の男性が飛行機で杭州に向かい、コンビニ三軒で強盗を行いましたが現金2000中国元(約3万5000円)しか手に入れることはできませんでした。これでは旅費にすらなりません。
交通機関と公共サービスがモバイル決済をサポート
公共交通機関は都市では最も重要な移動手段です。しかし、長い間、シグナルと時間的な要求をクリアすることができず、モバイル決済の最も困難な壁の一つでした。国内外における慣習は小銭か交通カードの利用でした。そして、技術進化によって2017年には30都市を超える交通機関と地下鉄で支付宝(ジーフーバオ)がサポートされました。これにより「財布を持たなければいけない最後の理由がなくなった」と多くのネット民が感じました。
更に市民は出かけることなく家で各地の公共サービス部門が設置した支付宝の「窓口」経由で支払いをすることができ、万事それで済んでしまいます。2017年に2億人以上の市民が社会保障、交通、行政など12カテゴリーの100以上のサービスの支払いに支付宝を利用しました。
支払い、買い物、外出において財布を持たずに出かけられ、多くの国にも広がっています。2017年、支付宝は中国の歩みと歩調を合わせて加速しました。累計で36過酷の数十万の商店でサービスを受けられ、支払い件数は2016年と比べて306%伸びました。このような生活は世界中に広まっています。
モバイル決済はグローバルに
財布を持たずに外出することは中国人にとっては日常となっています。多くの外国の要人がこのエクスペリエンスに賞賛を送っています。シンガポールのリー・シェンロン首相は演説の中であるエピソードについて語りました。シンガポール政府職員が中国の街角でスマホを取り出し栗を買うのを見て非常に驚いたそうです。リー・シェンロン首相は中国のモバイル決済技術をシンガポールで取り入れることを表明し、最大のタクシー会社が支付宝(ジーフーバオ)をサポートすることとなりました。
事実上、調査会社ForresterとiResearchによると中国のモバイル決済市場規模はアメリカの90倍で、世界をリードしています。北京外国語大学のシルクロード研究員が行なった「一带一路における20国青年調査」で高速鉄道、ネットショッピング、シェアバイクと並んで支付宝(ジーフーバオ)を中国の「新四大発明」と位置付けています。
モバイル決済が信用貸付サービスを促進
モバイル決済は連鎖反応も引き起こします。モバイル決済では信用の蓄積ができるため、より多くの人が信用貸付や保険など多くの金融サービスが利用できるようになります。たとえ焼き餅や野菜の屋台でも「支払いコード(收钱码|シュオチェンマー)」を通じてクレジットでお金を借りることができます。
モバイル決済は更に貧困地区にも多くの機会をもたらします。832の貧困郡と特貧郡においてアント・ファイナンシャルグループ(蚂蚁金服|マーイージンフ)は795地域でサービスを提供し、便利な支払いとクレジットサービスを提供しています。2017年にこれらの地域でのモバイル決済の割合は90%です。
モバイル決済による信用の増加は社会資源の活性化をもたらします。たとえば無担保の信用貸付。2017年末までに「セサミクレジット」(芝麻信用|ジーマーシンヨン)は累積で4150万ユーザーとなり無担保ローンは400億中国元(約6900億円)となりました。無担保ローンによりユーザーは重要な場面で利用することができ、社会創造の価値を増大させることができます。
中国語は英語に比べるとあまり得意ではないのですが、日本に帰ってきてからあまり使う機会がなく錆びついてきてはいけないと感じて一念発起しました。間違ってたら優しくTwitterで教えてください。
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