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興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『落下の解剖学』ジュスティーヌ・トリエ監督(2023年)

ジュスティーヌ・トリエ監督がパルム・ドールを受賞した作品『落下の解剖学』の映画評です。法廷劇のフォーマットを借りた家族ドラマです。

テーマは「家族のカタチ」だと受け取りました。一緒に長い間過ごせば色々ある。その断片だけを切り取っても、他人からは分かりにくい。法廷の中で色んなことがわかってくるけど、それですら全体の家族のカタチからすれば断片でしかない。

ストーリーですが、法廷劇としてみると肩透かしを食らうと思います。徐々に家族のカタチが見えてくるけど(家族ドラマだから)、本当の真実が揺れてドキドキハラハラとかはない(法廷劇ではないので)。それより、自白も物的証拠もないのに刑事事件として立件されるって怖すぎ。フランスってそうなん?印象だけでゴリ押ししてくる検察がめっちゃ怖い。それとも、断片で判断するフランスの司法システムの批判になってるのだろうか?


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それにしても家族ドラマとしては長すぎる。法廷劇のフォーマットだから仕方ないとは思うけど。でも、法廷劇はいろんなドキドキハラハラがあるから長い時間引っ張れるわけで、家族ドラマで引っ張るのは無理があったんじゃないっすかね。それでもパルム・ドール取ったんだから、世間一般の評価は違うんだろうけど。

落下の解剖学(字幕/吹替)

落下の解剖学(字幕/吹替)

  • ザンドラ・ヒュラー
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