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興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画|グランドホテル方式のネオ・ノワール|Bad Times at the El Royale(ネタバレなし)

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今月に観た映画で一番良かったのは黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年)ですが、取り上げるのはブログの趣旨「イノベーションに効く世界の情報を日本語で」にマッチしている日本未公開の"Bad Times at the El Royale"(2018年)なので、こちらをご紹介。

監督のドリュー・ゴダード(写真)は映画『キャビン』(こちらもクリス・ヘムズワースが出演)ですでに監督デビューしています。さらにNetflixの『ディフェンダーズ』シリーズの製作総指揮や『クローバーフィールド』、映画『オデッセイ』(名作!)の脚本などで実績を上げてきました。X-メンのスピンオフで『デッドプール2』から繋がる(であろう)『X Force』の監督になることが決まっているハリウッド期待の星です。

"Bad Times at the El Royale"の特徴を箇条書きすると以下の通り

  • グランドホテル方式の群像劇(アンサンブル・キャスト)
  • ネオ・ノワール(フィルム・ノワールの現代版)
  • 豪華キャスト(クリス・ヘムズワースやダコタ・ジョンソンなど)

グランドホテル方式

グランドホテル方式は一つの場所にいろんな人が集まる群像劇の一種です。群像劇なので主人公は特定の一人ではありません。ストーリーが展開される場所も限定されるのも特徴です。三谷幸喜作品『12人の優しい日本人』はずっと一つの部屋で最初から最後までストーリーが展開され、極端に場所限定をする場合は「密室劇」と言われます。

"Bad Times at the El Royale"は回想シーンでホテル以外の場所も出てきますが、基本的にはエル・ロイヤル・ホテルが物語のスタート地点であり終着地点です。宿泊客がどんな人たちなのかはかなり早い段階で見えてくるため、最初からダレることなくテンポよく話が進みます。

ネオ・ノワール

1950年代のフィルム・ノワールを現代風にアレンジしたのがネオ・ノワール。勧善懲悪ではなく、「善」と「悪」の境界線がボヤケテいるのが特徴です。フィルム・ノワールはオーソン・ウェルズの『黒い罠』なんてオススメです。

フィルム・ノワールでは悪いことをしている人が必ずしも悪人ではないし、良いことをしている人が必ずしも善人ではない。"Bad Times at the El Royale"の舞台となるエル・ロイヤル・ホテルはネバダ州とカリフォルニア州の境界線上にあって、それを暗に示唆しています。しかし、ハリウッド映画なので、少なくとも「悪」と「善」のそれぞれの代表はかなりはっきりしています。

豪華キャスト

『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースはすっごくかっこいいですよね。おそらくアベンジャーズの中では女子人気が一番高いのではないでしょうか。二枚目俳優がイカれた役を演じるととてもセクシーですよね。『12モンキーズ』のブラッド・ピットなんてまさにそれ(ブラッド・ピットの演技の中で一番好き)。あそこまで狂っていませんが、クリス・ヘムズワースもイカれ役で登場します。

でも、ボク的にはダコタ・ジョンソンですね。めっちゃタイプです。ボクもダコタ・ジョンソンに縛られたいです。

2019年1月に観た映画のひとこと評