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『バンバン!』映画レビュー|『ナイト&デイ』のインド流リメイクでアクションが進化

『バンバン!(2014年)』は、ハリウッド映画『ナイト&デイ』(トム・クルーズ&キャメロン・ディアス主演)のインド版リメイクです。主演はリティク・ローシャンとカトリーナ・カイフ。リメイクといえども、スパイ・アクションの要素にインド映画らしい華やかなダンスやエンターテイメントを融合させ、完全に「マサラ映画」として仕上げています。

監督は『WAR ウォー!!』のシッダールト・アーナンド。スタイリッシュなアクションとドラマチックなストーリーテリングで知られる彼の手腕が存分に発揮されています。『バンバン!』は、単なるコピーにとどまらず、独自の個性を持つ作品として評価されています。

あらすじ|盗まれた伝説のダイヤとスリリングな冒険

物語は、イギリスへ贈られた伝説的ダイヤモンド「コヒヌール」が盗まれるところから始まります。舞台は北インドの田舎町。銀行の受付係をしている平凡な女性、ハルリーン(カトリーナ・カイフ)は、出会い系サイトでヴィッキー(リティク・ローシャン)という謎めいた男と出会います。しかし、彼こそが「コヒヌール」窃盗事件の容疑者でした。

ヴィッキーに巻き込まれる形でハルリーンは国際的な陰謀に足を踏み入れ、二人は敵に追われながらもスリリングな冒険を繰り広げます。激しいアクション、華麗なダンス、そしてラブロマンスが絡み合います。

キャラクター造形|魅力的な主人公たちと個性的な脇役

ヴィッキー(リティク・ローシャン)

ヴィッキーは、筋肉質な肉体とキレのあるアクションで観客を魅了する主人公です。彼の過去や動機が徐々に明かされることで、単なるヒーロー以上の深みが感じられます。リティク・ローシャンの卓越した演技と身体能力が、このキャラクターを一層引き立てています。

ハルリーン(カトリーナ・カイフ)

ハルリーンは、可愛らしさと内なる強さを併せ持つキャラクターです。彼女の視点で進む物語は観客に感情移入しやすく、カトリーナ・カイフの演技がその魅力を倍増させています。

ヴィッキーの敵対者たち

スパイ映画に欠かせない敵役たちも、本作では十分に魅力的に描かれています。彼らの陰謀がヴィッキーを追い詰める一方で、物語の緊張感を高めています。

映画技法|アクションとダンスの融合が見どころ

スタイリッシュなアクション

シッダールト・アーナンド監督は、派手なアクションシーンを得意としています。リティク・ローシャンの身体能力を活かしたバイクチェイスや銃撃戦、カーチェイスは、観客を手に汗握らせること間違いなしです。

華麗なダンスシーン

インド映画ならではのダンスシーンも本作の大きな魅力です。リティク・ローシャンとカトリーナ・カイフの息の合ったパフォーマンスが、映画のテンポをさらに盛り上げています。

シネマトグラフィーと音楽

広大なロケ地やカラフルな映像美が、映画の視覚的な魅力を引き立てています。また、音楽も物語に絶妙に調和し、感情を高める役割を果たしています。

まとめ|『バンバン!』はマサラ映画の醍醐味を凝縮

『バンバン!(2014年)』は、『ナイト&デイ』をベースにしながらも、インド映画らしいエッセンスを見事に取り入れたエンターテイメント作品です。リティク・ローシャンとカトリーナ・カイフの魅力的な演技、スリリングなアクション、そして華やかなダンスが見どころです。

オリジナル作品と比較すると完成度に違いはありますが、インド映画としての独自の楽しさは際立っています。ハリウッド作品のファンも、インド映画ファンも楽しめる本作を、ぜひチェックしてみてください。

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