ティム・バートン監督が1980年代に手掛けた幽霊コメディー『ビートルジュース』の映画評です。
ニューイングランドの片隅に住むアダム(アレック・ボールドウィン)とバーバラ(ジーナ・デイヴィス)の夫婦。車の運転中に犬をかばい橋から自動車ごと転落しあえなく死んでしまう。幽霊となった夫婦は我が家に未練が残り憑りついてしまう。やがてその家に、ニューヨークからチャールズ(ジェフリー・ジョーンズ)とデリア(キャサリン・オハラ)の夫婦、そして連れ子のリディア(ウィノナ・ライダー)のディーツ家が越してくるのだが……という話です。
ストップ・モーション・アニメーションやミニチュアがとてもよい。80年代の作品にも関わらず特殊撮影が経年劣化せずに味わいが出てるって大したものだと思います。
ストーリーもシンプルでありながらひねりが効いていていい。人の良い若い夫婦が亡くなってしまうのはとても悲劇的なはずなのに、それを喜劇に転換する。夫アダムと妻バーバラがいかにも善人。そこに狂人ビートルジュース(マイケル・キートン)が絡んでくる。その設定だけでほっこりしてきてしまいます。しかし、なんといってもウィノナ・ライダーですよ。ティム・バートン監督作品では『シザーハンズ』でも出演しますが、この頃のウィノナ・ライダーの可愛さは最強ですね。
ティム・バートン監督の個性はすでに発揮されていますが、さすが初期作品だけあって暑苦しさがない。そこがむしろいい。ハリー・べらフォンテの『Day-O』のダンスシーンが最高。