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【特集】ローマ教皇を選ぶ選挙、コンクラーベが出てくる映画4選

第266代ローマ教皇のフランシスコが2025年4月21日に帰天(きてん:カトリック教会において、信者が死んで天に帰ること)され、同年5月7日に次の教皇を選出する教皇選挙「コンクラーベ」が行われました。投票は4回行われ、4回目の投票でアメリカ出身のロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿が選ばれ新ローマ教皇レオ14世が誕生しました。

コンクラーベは、バチカン市国にあるバチカン宮殿内のシスティーナ礼拝堂でおこなわれます。期間中、投票を行う枢機卿たちはスマホなど没収され、外部へ手紙を出したり電話をかけることも厳しく禁じられます。投票で教皇が決まらなければ黒い煙、決まれば白い煙が煙突から出ることで、外部は新しい教皇が決まったことを知ることができます。

コンクラーベが出てくる映画

新しい教皇の誕生はそれ自体がドラマチックなイベントですので、コンクラーベが映画に登場する機会も多くあります。

『ゴッドファーザー PART III』(1990年)

フランシス・フォード・コッポラ監督による「ゴッドファーザー」シリーズの最終章である『ゴッドファーザー PART III』ではバチカンとの関係が大きな役割を持ちます。ゴッドファーザーであるマイケル・コルレオーネは組織の合法化のために「インターナショナル・インモビリアーレ」の経営権を握るために、その株式を持つバチカン銀行と政治的な駆け引きを行います。

その駆け引きの最中に教皇が死亡し、契約が宙に浮いてしまうことになります。マイケルとしては次期教皇に接近して契約を確実なものにしたい。コンクラーベが行われ、次期教皇が決まるのですが……

劇中で新教皇に選出されるランベルト枢機卿

『ゴッドファーザー PART III』で登場する新教皇はヨハネ・パウロ1世がモデルとされています。

『ローマ法王の休日』(2011年)

イタリア映画『ローマ法王の休日』で教皇は重責を伴う「なるべくやりたくない役回り」として描かれています。メルヴィル枢機卿はコンクラーベで教皇に選出されてしまうのですが、その重責を受け止めきれない。コンクラーベで白い煙が立ち上るのを見て喜ぶ人たち。新しい教皇がバルコニーであいさつをするのを待ちわびるのですが……

『ローマ法王の休日』で教皇に選出されてしまう枢機卿メルヴィル

批評家の中でメルヴィル枢機卿のモデルはヨハネ23世や前述のヨハネ・パウロ1世なのではないかと噂されました。しかし、監督のナンニ・モレッティはインタビューにおいて、メルヴィル枢機卿が自身の創作であることを明確に認めています。

豆知識:教皇?それとも法王?
以前はローマ法王と日本では言われていましたが、2019年11月20日、日本政府は、11月の教皇フランシスコ訪日に合わせて「教皇」という呼称を使用すると発表しました。これによりPOPEを日本語では教皇とすることで統一されました。映画名でも2019年以前のものは法王(ローマ法王の休日など)、2019年以降のものは教皇(2人のローマ教皇など)となっているのはそのためです。

『2人のローマ教皇』(2019年)

『2人のローマ教皇』は架空の教皇ではなく、実在の教皇を描いている点でほかの作品と異なります。教皇ベネディクト16世とホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(後の教皇フランシスコ)の間で交わされたとされる架空の対話を中心に描いた伝記ドラマとなっています。

『2人のローマ教皇』でベネディクト16世を演じたアンソニー・ホプキンス

『2人のローマ教皇』では、ベネディクト16世とベルゴリオ枢機卿(後の教皇フランシスコ)という、まったく異なる価値観と性格を持つ二人の人物を通じて、イデオロギーの対立とその乗り越えが描かれます。

『2人のローマ教皇』でベルゴリオ枢機卿(後の教皇フランシスコ)を演じたジョナサン・プライス

『教皇選挙』(2024年)

コンクラーベそのものを描いたのがエドワード・ベルガー監督の『教皇選挙』です。コンクラーベの詳細な手順については、実際に投票を行う枢機卿にも教えられないそうです。本作はその知られざるコンクラーベをかなり詳細に描いている貴重な作品でもあります。実際にコンクラーベで投票を行った前田万葉枢機卿はインタビューで以下のように答えています。

 「やり方は全然教わっていない。実は教皇が亡くなる前、偶然にも周囲に勧められて公開中の映画『教皇選挙』を見ていた。あれはフィクションだから刺激的な演出もあったけれど、選挙の流れは参考になった」

映画『教皇選挙』は選ばれる教皇自身より、それを取り仕切る首席枢機卿がメインキャラクターとなっています。

『教皇選挙』で首席枢機卿トマス・ローレンスを演じるレイフ・ファインズ

そのほかの作品

コンクラーベが登場する作品はこのほかにもダン・ブラウン原作の『天使と悪魔』やコンクラーベを舞台としたサスペンス作品『コンクラーベ 天使と悪魔』など数多くあります。調べてみればもっとありそうですが、内容も充実して手軽に見れるのはここに挙げた作品になるでしょう。