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映画『ロサンゼルス』レビュー|チャールズ・ブロンソン主演「デス・ウィッシュ」シリーズ第2作

1982年公開の『ロサンゼルス』は、チャールズ・ブロンソン主演の「デス・ウィッシュ」シリーズ第2作目です。前作『狼よさらば』(1974年)の続編で、舞台をニューヨークからロサンゼルスに移し、再び自警団として復讐に立ち向かうポール・カージーの姿が描かれます。

あらすじ|娘を失った男の再びの復讐劇

ポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)は、ニューヨークからロサンゼルスへと移り住んでいました。しかし、前作でレイプのトラウマを抱えた娘が、再び暴力に巻き込まれ命を落としてしまいます。

怒りと悲しみに打ちひしがれる中、ポールは再び自警団として悪に立ち向かうことを決意します。次々と犯罪者を制裁していく彼の行動は、やがてロサンゼルスの治安に影響を与え、周囲を巻き込んだ緊張感ある展開へと発展します。

キャラクター造形|ポール・カージーという複雑なヒーロー像

ポール・カージーは、一見すると典型的な復讐劇の主人公に見えますが、素人ゆえの不完全さがキャラクターに深みを与えています。

建築家という職業に似つかわしくない銃の扱いや射撃の腕前が、シリーズ1作目で描かれた背景に基づいているため、一作目を観た観客には納得感があります。ただし、本作から観る人には、彼がなぜこれほど戦闘能力を持っているのか説明不足に感じられるかもしれません。

舞台設定|ニューヨークとロサンゼルスの描き分け

本作では、ニューヨークからロサンゼルスへの舞台転換がしっかりと物語に織り込まれています。犯罪の巣窟として描かれたニューヨークとは異なり、ロサンゼルスでは広がりのある街の風景と、それに相応しい犯罪描写が対照的に描かれています。この違いが、物語に新鮮さを与えています。

シリーズとしてのつながり|前作との関連と新たな視点

「デス・ウィッシュ」シリーズとしては、前作のキャラクター設定や物語の継続性がしっかりと保たれている点が評価されます。娘を失ったポールの動機づけは十分に説得力があり、観客を彼の復讐劇に引き込む要素となっています。

しかし、本作では前作で語られたポールの射撃技術や背景についての説明が省略されています。そのため、本作から観始めた人にとっては、彼の行動に若干の疑問が残る可能性があります。

まとめ|続編としての魅力と課題

『ロサンゼルス』は、「デス・ウィッシュ」シリーズの続編として、前作からのキャラクターや物語の継続性をうまく保ちながら、新たな舞台でのドラマを展開しています。

一作目を観た観客にはポール・カージーの行動や背景が納得できる一方、本作から観始める観客には一部説明不足を感じさせる点もあります。しかし、ニューヨークとロサンゼルスの対照的な描写や、素人ヒーローとしてのポールの複雑なキャラクターは、シリーズの魅力を引き立てています。

復讐劇やアクション映画が好きな方にはおすすめの一作です。

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