ボクは仕事の関係上、英語と日本語の両方で文章を書く機会があります。チャットもします。メールは毎日書きます。文章も報告書のような短い文章から、戦略書のような比較的長い文章も書きます。このブログもそうですね。何かを書く場合、自分以外の誰かに伝える目的があります。つまり、相手に伝わらなければ意味がない。成功しているかどうかわかりませんが、このブログだって簡潔に日常的な言葉で書くように心がけています。
文章の書き方をきちんと習ったのはアメリカにいた時でした。アメリカの大学では日常的にエッセイ(論文?)を書かなければいけなくて、その書き方には一定の決まりごとがありました。シカゴスタイルというんですかね。徹底的に叩き込まれました。アメリカの大学で習った作文法は日本語の文章を書く上でも役に立っています。日本語での文章の書き方をちゃんと習ったことはないので、日本語のプロから見ればめちゃくちゃかもしれませんが。日本の編集者にとって、ボクの日本語の文章はクセがあるようです。です・ます調と体言止めが変に混じってる。←ほら、これもそう。
シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド
- 作者: 吉岡友治
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2015/01/16
- メディア: 単行本
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他人に伝わるようにわかりやすく書くのはネイティブでも難しいですよね。日本語でも同じです。日本人だからわかりやすい日本語で書けるわけじゃない。アメリカ人でももちろん同じで、書くことに苦手意識を持っている人は少なくありません。書き方の本はいまだに人気があります。今年ベストセラーとなったのがアメリカの大手出版社ランダムハウスの編集者であるベンジャミン・ドレイヤーの"Dreyer's English"です。この手の本でここまで売れるのはめずらしいかもしれません。最近のボクにしては珍しく、オーディオブックだけでなく、ハードカバーも買いました。まずはオーディオブックで聞いて、気になった部分をハードカバーで読み直しました。
Dreyer's English: An Utterly Correct Guide to Clarity and Style (English Edition)
- 作者: Benjamin Dreyer
- 出版社/メーカー: Random House
- 発売日: 2019/01/29
- メディア: Kindle版
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まず、最初のアドバイスがとてもイケてます。余計な修飾語をつけずに一週間書いてみること。特にactuallyは禁句。普通に書いてもいいけど、無駄な修飾語をすべて削除する。それでも、何がいい足りないと感じるのであれば、他の言い方を考える。また、うまくかけている文章は、読んでも響きがいい。だから、口に出して読んでみること。これは本当にそうだと思うんですよ。
ルールと非ルール
英語の作文を習った人間だったら、多くのルールに従って書くことに慣れています。しかし、ベンジャミン・ドレイヤーはいくつかのルールは守る必要がないと言います。例えば「受け身はなるべく避けること」は守る必要のないルールの一つだそうです。あと、「AndやButで文章をはじめてもいい」も目から鱗でした。確かに長い二つの文章をさらにandやbutでつなげると長くなりすぎてしまいます。だとしたら、最初の文を一旦ピリオドで終わらせて、AndやButでつなげてもいい。なるほど、確かにその方がスッキリします。そうならないように短い文にすればいいのですが。
セミコロンの使い方
文をつなげる記号にセミコロン(;)もあります。これはなるべく避けた方がいいとベンジャミン・ドレイヤーは言います。ただし、シャーリー・ジャクソンの”The Haunting of Hill House”の出だしのような効果的な使い方もある。一つのセンテンスに三つのセミコロン。ピリオドを使って、細かく文章を区切ることもできるが、リズムが変わってしまう。
The Haunting of Hill House (Penguin Modern Classics)
- 作者: Shirley Jackson
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 2009/10/01
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この本はどんな人にオススメか
英語を上達させたい人にはオススメです。ネイティブでも間違える。外国人のボクらはもっと間違えます。日本語で簡潔に書くためにも役に立つ気がします。ところで、クラッシー(classy)ほどクラッシーを言い表す言葉はないとベンジャミン・ドレイヤーは言っているけど、クラッシーをどうやって日本語にしたらいいんだろう?