カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『ラスベガスをやっつけろ』テリー・ギリアム監督(1998年)

テリー・ギリアム版『裸のランチ』といった趣のドラッグ映画です。

1971年、ジャーナリストのラウル(ジョニー・デップ)と、弁護士のドクター・ゴンゾー(ベニチオ・デル・トロ)は取材と称してドラッグを山ほど車に詰め込みラスベガスへ向かう。ラスベガスに到着してからも取材と称しつつドラッグ漬けの日々を送るのだが……という話です。

原作者のハンター・S・トンプソンは世代的にはバロウズやギンズバーグの一回り下になります。『裸のランチ』のバロウズたちがビートニクだったらハンター・S・トンプソンはヒッピーということになるんでしょうか。『裸のランチ』が詩的だとしたら本作は音楽的と表現することができるかもしれません。表現の仕方が違うだけで、ドラッグ体験を描いた作品としては同じだと思います。

テリー・ギリアム監督作品の中で一番モンティ・パイソンを感じた作品かもしれません。ドラッグ体験のスケッチの組み合わせとも言える。純粋に映画作品としては『未来世紀ブラジル』が一番好きですけど、モンティ・パイソンらしい楽しさはこちらの方が上かもしれないですね。何回も見たいとは思わないからこの点数だけど。

まあ、それにしても豪華なキャストです。特にジョニー・デップは分かっていても分からない。ジョニー・デップのどこをどうすればああなるんだ?それはトビー・マグワイアも同じですけど。キャメロン・ディアスは端役なのにちゃんとキャメロン・ディアスだった。