カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『このハンバーガー、ピクルス忘れてる。』木村聡志監督(2023年)

木村聡志監督の過去作品の登場人物を登場させたスターシステムの会話劇『このハンバーガー、ピクルス忘れてる。』の映画評です。『違う惑星の変な恋人』(2023年)から1年後の話で、もともとは4話のテレビドラマを劇場用に再編集したもの。80分の中編。

観覧車の中で先輩(平井亜門)はアキ(石川瑠華)に告白するが振られてしまう。後日、バイト先のハンバーガー屋で先輩はなっちゃん(森ふた葉)に告白される。しかし、なっちゃんにはベンジー(中島歩)という恋人がいて……という話です。

木村聡志監督はキャラクター造形本当に上手。今回はスターシステムだけど、過去作品を観てる人は少数派。本作でちゃんとキャラを立てないといけない。主人公の先輩(平井亜門)はお得意のチョットずれてる空気の読めないキャラ。色々とこだわりを持っている先輩が告白するアキ(石川瑠華)、「ニューシャネル」のTシャツがいい。そして先輩が好きな後輩のなっちゃん(森ふた葉)も不思議な空気感とこだわり。そして女たらしベンジー(中島歩)は相変わらず女たらし。


www.youtube.com

ストーリーは他愛ないんだけど、個性的なキャラクターが動く舞台装置としては十分。そして、コメディーとしてちゃんと笑える。映画で「笑える」とか「爆笑した」って心のなかでのことが多くないですか?だって、劇場でそれほどゲラゲラ笑ってる人を見たことないもの。でも、本作は自分は声を出して何回も笑ったし、劇場の人たちもたくさん笑ってた。心の中の話ではなく、文字通り笑った。

本作にこれといったテーマを見出すことはできなかったのだけど、コメディだと思えばまあいっかって感じ。