原文:"How to do your workshop right – 11 tips & tricks" by Dan Nessler
友達のために一度最高の料理を作ってもシェフにはなりません。毎晩同じ品質の料理を提供するには室の高い材料、技術、創造性、柔軟性、修練が必要です。レシピを心で理解しなければなりません。
ワークショップの運営と進行も同じです。ワークショップの成功は幸運でもなければ参加者の好みでもありません。慎重な準備とエクスペリエンスのデザイン、ツールやデザイン、ルールと原則の遵守がワークショップを成功に導きます。
ワークショップに参加して何回「なんで8時間もこんなことに無駄にしたんだ?いったい何がポイントだったんだ?」とワークショップをあとにしましたか?
うまく実践するための技術、ルールやツールがある。いくつかは当たり前で初歩的に見える。それなのに、それを無視したり従わなかったりすることが多い。そこで、ここに11のよいワークショップの材料を改めて紹介します。
1. 参加者を理解する
プロダクトやサービスはユーザーにサービスを提供するもので、それはワークショップも同じです。エクスペリエンスとなにか使えるものを提供します。参加者はどんな人達なのか、ワークショップに関連するニーズとペインはなにか。それがワークショップで提供しなければいけないことです。
2. 共通のビジョンとゴール
誰かと自分の時間を浪費させることほど最悪なことはありません。だからやめましょう。なぜここに集まったのか最初に定義して合意しましょう。<>u明確なビジョンと測定できるゴール。それを参加者に提示してください。参加者とコレボレーションして合意するのもいいでしょう。これにより、ゴールに集中してワークショップの最後に結果を測定することができます。 チームキャンバスはビジョン、ゴール、価値、ルールと役割を決めることに役立ちます。
3. しっかり構成してアジェンダを使う
ゴールがわかっているのは素晴らしいですが、途中で迷ったり行き詰まったりしたくありません。分刻みで計画する必要はありませんが、トピックとマイルストーンは決めておきましょう。 しっかりとした構成は参加者が集中することを助け、方向性を持つことができます。以下が一般的な構成です。
1. オンボーディング
- あいさつとお互いの紹介 (アイスブレーク)
- ワークショップのビジョン、ゴールとアジェンダ
- ワークショップ中のルール
2. ワークショップのキートピック
- ワークショップの内容
3. オフボーディング
- ワークショップのまとめと達成したゴール
- 次のステップとアクション
- 振り返りとフィードバック
アジェンダはワークショップ中は常に見えるようにしておきましょう(ホワイトボードに書くなど)。ポストイットを使ってアジェンダのアウトラインを表現することもできます。そうすることによって進行中でも柔軟に対応することができるようになります。終了するごとにポストイットを取り除くことで達成感を感じることもできます。
参加者とラフなアジェンダを事前に共有しておきましょう。そうすることで参加者も準備をしておくことができますし、透明性を確保することにもなります。
4. アイスブレイクとエナジャイザー
アイスブレークとエナジャイザーは参加者の参加を促してムードづくりをします。あまり親しみのないトピックスや参加者同士がはじめて顔を合わす場合に特に有効です。アイスブレークとエナジャイザーの方法はたくさんありますが、以下のリンクが役に立ちます:
私が好きなアイスブレークは«phototelling»です。以下のリンクは私の好きなバージョンでコンテキストに合わせて調整してあります:
Credits: Hyper Island, Teamweek, Thomas Boie Rasmussen, Anna Evans, Sydney Johnson, Letizia T Lodi
5. ルールを決めてみんなの行動を決める
ワークショップはグループがコラボレーションする場です。どのようにコラボレーションをするのか参加者の間で共通の理解があるようにしましょう。参加者が合意できるルールを決めるか、一緒に作りましょう。私はこれを使っています:
また、チームキャンバスはここでも役立ちます。
6. 振り返りとフィードバック
ワークショップの終わりに何をして何を学んだのかをまとめることは重要です。これはワークショップの仕上げで、なぜそもそもここに集まったのかを測ることができます。コンテンツ、プロセス、個人的な観点から振り返りましょう。参加者も振り返りやフィードバックを共有してもらいましょう。参加者から学び改善することが重要です。更に、参加者に対する気遣い、個人的な関心や関わりの気持ちを伝えることになります。いくつかの素晴らし振り返りやフィードバックのやり方を以下に紹介します。
Reflection:
Feedback:
7. 「パーキングロット」を用意する
これは私のお気に入りです。
しっかりアジェンダを決めても細かい議論や脇道に大きく逸れてしまうことがあります。このようにゴールから大きく離れてしまいます。そんなときのために「パーキングロット」を用意しておきましょう。トピックから外れてワークショップでは話しきれない考え、質問、アイデアを書き留め、ワークショップの後でも忘れないようにするため。
8. 休憩を取る
休憩を随所で取ることは必要ですし、生産性も向上します。TED talksが18 - 20分で終わるのもそのためです。誰かが話をしているのに集中できるのが最大でそれくらいです。インプットのための話をする時間がワークショップではあります。話す時間はなるべく短くして、アクティビティや議論の間に細かく分けましょう。仕事でも同様です。「ワーク」ショップと言われる所以です。休憩を取りましょう。BufferがブログでPromodoroなどいろいろな休憩のとり方を紹介しています。
Credits: Buffer
9. オフタイムの時間を作る
ワークショップ中に参加者がメールに夢中でパソコンをずっと眺めてるっていう経験ありませんか?私たちはやることがたくさんあって、メールや電話などをする必要もあります。事前にオフタイムの時間を計画して、メールや電話ができるようにしましょう。この方法はGVデザインスプリントでも推奨されています。
10. 軽食と飲み物を用意する
ワークショップの間に「水飲みたい..」って思ったことありますよね。自分のワークショップではそのようなことをしてはいけません。参加者の水分と糖分補給に気を使いましょう。最低限、水とスナックを。ハングリーでアグリーな参加者はワークショップに必要ありません。
11. 司会進行のための第三者を雇うことを考慮する
ワークショップによっては第三者の進行役を検討することをオススメします。進行役の役目は時間管理をしたり、トピックから離れないようにしたり、課題を解決することでワークショップの目的を達成することです。第三者の進行役はチームがゴールに集中して結果を出すことを助けます。
まとめ
一つのレシピに固執しないようにしましょう。私が提示したのはレシピの一つでしかありません。このようなやり方は私には適しています。ワークショップだけでなく、レクチャーやカンファレンスでの発表でも。ここで紹介した原材料は私にとってはとてもいいベースです。自分で好きなものを選び、工夫しながら自分とオーディエンスにとって一番いい方法を見つけましょう。
ここで紹介されている『チームキャンバス』の日本語版はカタパルトスープレックスデザインに収録されています。
カタパルトスープレックスデザインはデザインやイノベーションに役立つオープンソースで無償のツールを集めたツールボックスです。
この記事はスイスのオンラインエージェンシーHinderling VolkartのUXディレクターDan Nessler氏による"How to do your workshop right – 11 tips & tricks"の翻訳です。
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