カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|山下敦弘監督『カラオケ行こ!』(2024年)

山下敦弘監督のコメディー映画です。和山やまの同名漫画原作で、野木亜紀子が脚本。

ヤクザの成田狂児(綾野剛)の所属する組では年に4回カラオケ大会が開かれ、そこで歌ヘタ王になると組長に刺青を彫られる。刺青が嫌な狂児は中学校の合唱部部長の岡聡実(齋藤潤)に指導を求める。こうしてヤクザと中学生の奇妙な関係がはじまるのだが……という話です。

原作漫画は一巻で完結の中編なので、映画化ではエピソードやキャラクターが加えられています。「映画を観る部」とかは映画オリジナルの設定。あと、映画の方がよりキャラが立ってる。原作のオフビートな感じは残しつつ、笑いの演出がメリハリついてる。この辺、脚本家としての野木亜紀子の技量は際立ってると思いました。


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コメディーとして成立させる演出はとても良かったし、実際に声を出して笑いました。ただ、変声期の悩み方や名刺の使い方は原作のほうが良かったと思う。細かい部分だけど。

キャラクターは岡聡美君がとてもかわいい!原作の聡美君もいいけど、このかわいさはズルい。あと原作の飄々とした狂児もいいけど、綾野剛の演じる軽やかな感じもとても良い。

すっごい名作ってわけじゃないけど、とても楽しい映画でした。こういう肩の力が抜けた作品ってたまにはいいですよね。