ゲゲゲの鬼太郎の映画。『墓場鬼太郎』の前日譚。水木しげる生誕100年記念作品。
龍賀一族の当主、龍賀時貞が死去する。帝国血液銀行で龍賀製薬を担当している水木は次期当主であり龍賀製薬の次期社長となる人物と接近するために哭倉村へ向かう。そこで不可解な事件が起き、謎の男(後の鬼太郎の父)が事件の容疑者として逮捕される。水木は事件の謎を解決することができるのか……という話です。
大人をターゲットにしつつ、子供も楽しめるエンターテイメント性もある。「ゲゲゲの鬼太郎」ほどポップじゃないけど、「墓場鬼太郎」ほど劇画チックでもない。中途半端になりそうだけど、ちゃんとバランスが取れている。『墓場鬼太郎』を知ってたほうがより楽しめるけど、知らなくても大丈夫。
まず、雰囲気がいいですね。横溝正史のような昭和初期のミステリーとか、京極夏彦の「百鬼夜行」シリーズっぽさもある。もちろん、子供も観れる前提なので、そこまで振り切ってるわけではないですが。
あと、キャラクター造形もいいですね。『墓場鬼太郎』とだいぶ雰囲気が違うんだけど、ちゃんと最後は墓場鬼太郎になっていく。あの世界観をよくエンタメにしたなと。それは作画の力も大きいんだと思います。