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興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『トンソン荘事件の記録』ユン・ジョンヒョン監督(2020年)

韓国のファウンド・フッテージ的なホラー作品『トンソン荘事件の記録』の映画評です。心霊モノ。

寺に放置された車からビデオが見つかる。それはトンソン荘で起きた事件の記録だった。ビデオは検察に押収されるが、制作会社が訴訟を起こして取り戻す。真相解明に乗り出した取材班は、その過程を記録映画として撮影しながら調査を進めていくが……という話です。

ボクは昔は怖がりでホラー映画が大の苦手でした。ところが最近はホラー映画を観て怖がることは無くなりました。その辺の神経が擦り切れてしまったのかもしれません。本作も怖くなかったです。ホラー作品も普通の映画と同様に「テーマ、ストーリー、キャラクター造形」のいつもの三つの柱で観てしまう。

ストーリーは面白かったです。取材班が一つの事件を調べると、もう一つの事件が浮かび上がってくる。この二つの事件の関係性が見えてきて、取材班を巻き込んだ三つ目の事件につながっていく。途中で「もういいじゃん、成仏しなよ」と思いますが、成仏しちゃったら話が終わっちゃうので仕方がない。

ファウンド・フッテージの欠点はキャラクター造形をしにくいところですね。登場人物にこれといった特徴を見出すことができない。取材班の主要人物はもう少し掘り下げてほしかった。あと、事件のきっかけを作った人物ももう少し掘り下げてほしかった。