タリバンから死刑宣告を受けた映画監督が家族とともにアフガニスタンからヨーロッパまで逃亡する話。
アフガニスタンの人がヨーロッパに逃げたとしても、そこが本当に安住の地なのかはわからない。『ビヨンド・ユートピア 脱北』(2023年)で描かれていたのは北朝鮮の家族が韓国に逃げる話。脱出の行程は両方とも厳しいけど、北朝鮮家族の場合は同じ言葉を話す同じ民族なので溶け込みやすいのではと想像する。実際はわからないけど。
本作で家族はヨーロッパという異国の地に向かうわけだけど、ブルガリア、セルビア、ハンガリーと逃げた先でも決して居心地がいいわけではない。祖国アフガニスタンではタリバンに殺されてしまうのだから、それよりはマシなのだけど。最悪は脱しても、状況がよくなってはいない。
いろいろと考えさせられる作品でした。