1983年に公開された大ヒット作『プロジェクトA』の続編として、1987年に公開された『プロジェクトA2 史上最大の標的』は、ジャッキー・チェンが監督・主演を務めたアクション・コメディ映画です。
前作ではサモ・ハン・キンポーやユン・ピョウとのトリオでの活躍が描かれましたが、本作ではジャッキー・チェンのソロアクションが中心となっています。物語は、海賊討伐で名を馳せたドラゴン(ジャッキー・チェン)が、水上警察から陸上警察に異動し、腐敗した警察組織や犯罪組織、革命派、清朝の密偵、さらには前作で対峙した海賊の残党など、複数の勢力が入り乱れる中で奮闘する姿を描いています。

あらすじ|複雑に絡み合う勢力との闘い
20世紀初頭の香港。犯罪多発地区である西地区を統治する警察署長のチン(デヴィッド・ラム)は、暗黒街のボス「西環の虎」と結託し、無法の限りを尽くしていました。その状況を憂慮した警察局長は、海賊討伐で功績を上げたドラゴンを新署長に任命します。ドラゴンは警察内部の腐敗を一掃し、犯罪組織の壊滅に乗り出しますが、チンの陰謀により冤罪をかけられ、命の危機にさらされます。さらに、革命派や清朝の密偵、そして前作で敵対した海賊の残党など、複数の勢力が絡み合い、事態は混迷を極めていきます。
キャラクター造形|多彩な人物たちの競演
本作では、ジャッキー・チェン演じるドラゴンを中心に、多彩なキャラクターが登場します。前作には登場しなかったマギー・チャンやロザムンド・クワン、カリーナ・ラウなどの女優陣が加わり、物語に華を添えています。特に、マギー・チャン演じるサンサンは、ドラゴンとのコミカルなやり取りやアクションシーンで存在感を示しています。
映画技法|ジャッキー・チェンの巧みな演出と命がけのアクション
『プロジェクトA2 史上最大の標的』は、ジャッキー・チェンの体を張ったスタントとアクションコメディが魅力の作品です。特に序盤のギャングとの乱闘シーンでは、複数の敵に同時に攻撃されるスタイルが取り入れられ、スピード感あふれる戦闘が展開されます。また、ジャッキー・チェンが手錠でつながれた状態で戦う場面では、斧が飛び交う中、テーブルクロスを引いて敵を転ばせるなど、ユニークなアクションが随所に盛り込まれています。
終盤には、ジャッキー・チェンが演じるドラゴンと強敵たちとの激しいバトルが繰り広げられます。特に、建造物が倒れる中で彼が紙の窓の位置にうまく収まり、無傷で切り抜けるスタントは、バスター・キートンへのオマージュとして有名です。また、スタントマンが空中で回転しながら巨大な花瓶に叩きつけられる場面など、痛々しいながらも見応えのあるシーンが多数登場します。
本作は、前作『プロジェクトA』ほどの革新性はないものの、アクションの密度とコメディの融合によって、最後まで観客を飽きさせません。ありますが、本作では絶え間ないアクションと巧妙な笑いのバランスが取れています。エンドクレジットでは、おなじみのNGシーンや危険なスタントの舞台裏も映し出され、出演者たちの挑戦がリアルに伝わってきます。
まとめ|続編としての挑戦と評価
『プロジェクトA2 史上最大の標的』は、前作の成功を受けて制作された続編として、複雑なストーリー展開や新たなキャラクターの導入など、意欲的な試みがなされています。一部では前作ほどのインパクトがないとの指摘もありますが、ジャッキー・チェンの魅力が詰まった作品であり、アクション映画ファンやジャッキー・チェンのファンにとっては必見の一作と言えるでしょう。
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