一時期の喧騒が嘘だったようにクリプト関連が冷え込んでいますね。あれだけあったビットコインがらみのテレビCMもめっきり見なくなりました。ビットコインもイーサリアムも一年前に比べたらその価値は半分以下ですものね。
とはいえ、ボク個人はブロックチェーンにもクリプトにもまだまだ可能性はあって、いまは「雌伏の時」なんだろうなと思っています。そして、こういう時にこそ、そのトレンドを追いかけることが重要なんじゃないでしょうか。相変わらず投資なんてしませんが、調べるだけならタダですから。
ボク個人は暗号化通貨の投機的な価値には全く興味がなくって、その上で動く分散アプリケーションの可能性により興味があります。その時代が果たして来るかはまだ未知数ですが。

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ビットコイン界隈の話題
スケーラビリティはビットコインだけでなく、ブロックチェーン全般に言える解決しなければいけない課題です。決算するのが遅いし、早くするためのリソースを食いすぎる。そこで注目されているのがライトニングネットワークとシュノア署名です。
ライトニングネットワークとは
ライトニングネットワークは簡単に言えば重いビットコインのブロックチェーン上ではなく、ブロックチェーンの外(オフチェーン)で取引をする仕組みです。
利点
- 取引手数料が無料になる
- 取引が早い
- スケーラビリティ問題の解決に貢献できるそうなこと
課題
- 手元にビットコインのフルノード(100GB以上)を持っていないといけない
- ビットコインが理想としている分散管理ではなくハブを介したやや中央集権的なモデルになる可能性がある
- ライトニングのハブは貸付をしなければいけないため、高額決済には向いていない(マイクロペイメントに最適)
この課題点の中でフルノードというのが曲者です。100GB必要ということは、まず、スマホやタブレットでは無理ですよね。ノートPCでも避けたいところです。そこで注目されているのがライトニングネットワークに必要な機能をすべて詰め込んだアプライアンス機器です。Nodl.itやCasa's Nodeが有名です。ひとつ300ドルくらいするのですが、ライトニングネットワークで取引するためだけにこれだけの投資をするのは相当なマニアですよね。ウォレットより高いです。
セグウィットとシュノア署名とは
ビットコインではECDSAというデジタル署名の方式が使われています。シュノア署名はこれを置き換える次世代のデジタル署名方式です。簡単に言えばシュノア署名によってデータサイズを削減できます。え?だったらとっととやればよかったじゃん?という感じですが、デジタル署名を置き換えるのって大変なんです。
ここで大きな役割を果たしているのが2018年8月にビットコインに実装されたセグウィット(Segwit)というプロトコルです。このセグウィットはデータをwitnessという領域に押し込めて圧縮する技術です。このセグウィット実装でデジタル署名もwitness領域に押し込めることができるようになったということです。
ビットコインのプライバシー
そもそも暗号化通貨はリバタリアンな思想から生まれたので、プライバシーに関しては特に気を使っています。ダンデライオンプロトコルはビットコイン利用者のプライバシーを破るハッキングに効果があると期待されています。このほかにもTaprootやGraftrootといったプライバシー関連の提案が挙げられています。
イーサリアム界隈の話題
ビットコインの経済活動は停滞しているものの、技術革新は着々と進んでいます。これはイーサリアムも同様ですね。イーサリアムの創始者であるビタリック・ブテリンは投機的な価値だけでは成長は鈍化するのも仕方がないことだと考えている旨のコメントを出して市場を騒がせました。
イーサリアムを含む暗号化通貨の成長は実際に利用されるアプリケーションにかかっていて、ビタリックも現在のイーサリアムはまだ大規模のコンシューマー利用に耐えられると考えていないようです。それが可能になるのは次のバージョンのイーサリアム2.0となります。
コンスタンチノープルとは
イーサリアムはイーサリアム2.0までの開発ロードマップがあります。
- フロンティア(Frontier)
- ホームステッド(Homestead)
- メトロポリス(Metropolis)
- セレニティ(Serenity)
現在のバージョンは3番目の「メトリポリス」で、次に予定されている最後のアップデートが「セレニティ」です。この「メトロポリス」のアップデートは大型アップデートになるため、「ビザンティウム」と「コンスタンティノープル」の二段階で実装されました。ビザンティウムは2017年10月に実装が完了し、遅れましたがコンスタンティノープルも2019年2月22日に実装完了しました。そして、今年中には「イスタンブール」にハードフォークできる見込みです。
ビットコインに限らずイーサリウムもスケーラビリティーの問題を抱えていますが、その解決方法の一つとしてコンセンサスアルゴリズムをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への変更を予定しています。これらのアップデートはその準備といえます。
結論
ビットコインやイーサリアムに代表される暗号化通貨は「投機」目的のブームはすでに過ぎ去ってオワコンと言えるでしょう。
しかし、実際の価値は「投機」ではなく、「利用」です。「利用」目的の暗号化通貨はまだまだ発展途上で、これからその評価がされてくることでしょう。