ポール・シュレイダー監督によるハードボイルド作品『カード・カウンター』の映画評です。ギャンブルと拷問を題材としています。共通するのは心の読み合い。オスカー・アイザック主演。ウィレム・デフォーとタイ・シェリダンが脇を固める。
ウィリアム・テル(オスカー・アイザック)は独学で「カード・カウンティング」と呼ばれるブラックジャックの勝率を上げる技術を学び、ギャンブラーとして生計を立てていた。ある日、ギャンブル・ブローカーのラ・リンダ(ティファニー・ハディッシュ)がウィリアム・テルをポーカーの世界大会に誘うのだが……という話です。
これは相性の問題なのですがポール・シュレイダー監督の前作『魂のゆくえ』はいまいちピンときませんでしたし、本作も突き刺さるものはありませんでした。とても優れた映画だとは思うのですが。
本作のテーマの一つに「贖罪」があると思います。主人公のウィリアム・テルはある事件で刑務所に入りますが、その刑期を終えても残るものがある。その残るものを清算するためにカーク(タイ・シェリダン)を助けようとするのですが……という話です。
ギャンブルが題材となっていますので、読み合いや駆け引きが人生に照らし合わせて語られる場面が多い。「ティルト」に関してもそう。読み違い。勝つこともあれば、負けることもある。
前作『魂のゆくえ』は宗教的な「受難」が題材だったので、あまりピンと来なかったのかな?と思ってたのですが、本作の「贖罪」もやはりピンと来なかった。言いたいことはわかるんですけど。やっぱり、これって宗教的なテーマだからなのか?