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映画レビュー|『ルパン三世 風魔一族の陰謀』作画が光る五右衛門中心の冒険

1987年公開の『ルパン三世 風魔一族の陰謀』は、劇場版ルパン三世シリーズの第4作目。内藤誠監督の名義ながら、制作の中心となったのはアニメーションスタジオ「テレコム・アニメーションフィルム」とその監修を務めた大塚康生です。

本作は、日本を舞台にした石川五右衛門を中心とした物語であり、その鮮やかな作画と、シリーズとして初めてオリジナル声優陣が全員変更されたことで知られています。

あらすじ|五右衛門の婚約者が巻き込まれる風魔一族との対決

石川五右衛門は、結婚を決意し婚約者・紫(むらさき)とその家族を紹介するためにルパンや次元を招待します。しかし、結婚式の最中、謎の忍者集団「風魔一族」が紫の家宝を狙い襲撃。紫がさらわれてしまいます。

五右衛門を中心に、ルパン一味が風魔一族との戦いに挑むアクション満載の物語が展開されます。

テーマ|作画を楽しむ「動き」に注目した作品

『ルパン三世 風魔一族の陰謀』は、ストーリーそのものよりも「動き」の良さや作画に注目して楽しむ作品です。大塚康生監修のもと、テレコム・アニメーションフィルムが手がけた本作のアニメーションは、キャラクターの動きやアクションの滑らかさが際立っています。特に五右衛門の剣戟シーンや、風魔一族とのアクションシークエンスは見応えがあります。

一方で、物語そのものは可もなく不可もなく。シンプルな復讐劇と救出劇を中心に据えた構成は、全体的に「作画を堪能する」ことを目的としているように感じられます。

声優変更の影響|最初は違和感、次第に慣れる

本作では、ルパン三世のシリーズとして初めて、声優陣がオリジナルキャストから全員変更されています。ルパン役を古川登志夫、次元役を銀河万丈、五右衛門役を塩沢兼人、峰不二子役を小山茉美が担当しました。

初めて観る観客には声に違和感を覚えるかもしれませんが、物語が進むにつれて慣れてくるでしょう。筆者にとっても、大きな問題とは感じられませんでした。ただし、声優変更がシリーズ全体の一貫性に影響を与えた点は否めません。

映画としての完成度|宮崎駿監督作品との比較

本作は、宮崎駿監督による『カリオストロの城』と比較されることが多い作品です。『カリオストロの城』では宮崎駿の作家性が全面に押し出され、ストーリーと作画が高次元で融合した作品に仕上がっていました。

一方で、本作は監督不在とも言える制作体制の影響か、全体的に「作画を楽しむための作品」という印象が強く、映画作品としての完成度は可もなく不可もなくといったところです。

まとめ|作画ファン必見の一作

『ルパン三世 風魔一族の陰謀』は、物語の完成度よりも、テレコム・アニメーションフィルムによる滑らかで美しい作画を楽しむ作品と言えます。

五右衛門を中心に据えた物語は、日本を舞台にした独特の雰囲気を持ち、風魔一族とのアクションシーンはシリーズファンなら一見の価値があります。声優変更や監督不在の影響が評価を分けるポイントとなりますが、作画ファンにはおすすめできる一作です。