イノベーター理論はイノベーションがどのように波及していくか説明しています。最初にイノベーターと言われるアンテナの感度がよくって、新しいものにすぐ飛びつく人たちがいて、次にアーリーアダプターに伝播します。そして、最後に渋々受け入れるのがラガードに属する人たち。
今回紹介する書籍"The Future Is Faster Than You Think"を書いたピーター・ディアマンディスはラガードのためのイノベーションの語り手なんだと思います。アンテナの感度が高い人はむしろ知らないんじゃないかなあ、TED Talkにも出ているにもかかわらず。
ピーター・ディアマンディスは国際宇宙大学や東京にもチャプターがあるシンギュラリティ大学を設立したり、いろんな企業とコラボレーションして懸賞金付きのコンペを実施するXプライズ財団を運営しています。日本だとANAが一緒にやりましたね。なんか、胡散臭さを感じてしまうのはボクだけでしょうか?まあ、「○○大学」とか「××塾」とか「△△サロン」とか、日本にも売名と集金マシ(ry
そんな彼の3冊目の書籍がこちらとなります。
- 作者:Peter H. Diamandis,Steven Kotler
- 出版社/メーカー: Simon & Schuster
- 発売日: 2020/01/28
- メディア: ペーパーバック
この本は車の自動運転や空飛ぶ車のような移動手段から、人工臓器などなど最近のイノベーションの動向を伝えます。そこそこ感度がいい人ならすでに知ってることばかりですが。
こういったイノベーションはどうやって生まれるのか?ピーター・ディアマンディスは「コンバージェンス(=複数の事象が一点に集中すること)」がカギだと言います。イノベーション は一つのブレイクスルーだけでなく、複数のブレイクスルーが同時期に発生して起きると言います。あれ?なんか聞いたことありますね。そうです、スティーブン・ジョンソンが言うところの「隣接可能性」ですね。『イノベーション のアイデアを生み出す七つの法則』は2010年にアメリカで出版されているので、10年前にすでに言われていたことですね。
- 作者:スティーブン・ジョンソン
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2013/08/08
- メディア: 単行本
第二部では、イノベーションがいかに既存の業界にインパクトを与えているかを解説します。いわゆる「ディスラプション」ですね。流通(Amazon)やエンターテイメント(Netflix)、広告(GoogleやFacebook)などなど。これも、まあ、うーん、いまさら?これがベストセラーになるのも、またアメリカなんだなあ。
この本はどんな人にオススメか
イノベーションとかよくわからないけど、社会人の常識程度には知っていたいなあという人にオススメです。Webメディアは普段あまり読まないけど、書籍だったら読む人とか。なんか、2020年1月はワクワクする本があまり出てこなかったなあ。