「死霊館ユニバース」の5作品目で、2つ目のスピンオフ「死霊館のシスター」シリーズの一作目です。他の死霊館より年代が古く、舞台も大きいのが特徴。
1952 年、ルーマニアの修道院でひとりのシスターが自ら命を絶つ。不可解な点が多いこの事件の真相を探るため、教会はバーク神父(デミアン・ビチル)とシスターの見習いアイリーン(タイッサ・ファーミガ)を修道院へ派遣するのだが……という話です。
前作『死霊館 エンフィールド事件』(2016年)のルーツで、悪魔ヴァラクが現れる話です。『死霊館 エンフィールド事件』はジェームズ・ワンが再びメガホンを握りホラー作品としてだけでなく、人物も掘り下げた良作でした。
今回はヴァラク編の導入的な意味合いが強くて、少し説明的な感じがしました。そのため、メインのキャラクターであるバーク神父、シスター見習いのアイリーンとフレンチー(ジョナ・ブロケ)の人物像の深堀りが足りない印象でした。
ジャンプスケアは初期と比べて控えめ。しかし、『死霊館 エンフィールド事件』であった不吉な予感、空気感の怖さも薄い。これは舞台が密室ではなく、大きいからなのかも。
死霊館ユニバースの怖さって、アクションがある「動」の怖さではなく、空気感による「静」の怖さだったと思うんですよ。だからこそジャンプスケアが活きてくる。
なんとなく消化不良な一作でした。