カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『梟ーフクロウー』アン・テジン監督(2022年)

アン・テジン監督の歴史サスペンス『梟ーフクロウー』の映画評です。ポスターのビジュアルで勝手にホラーやスリラーだと思って観たら、重厚な歴史サスペンスでビックリ。よい意味で期待を裏切ってくれた。

韓国の歴史はよく分からないのだけど、中国の明朝から清朝に移り変わる時期に翻弄された韓国が舞台。年老いた王の仁祖は反清朝だったが戦いに敗れて清朝の属国に渋々なっている。息子の世人が清の人質となっていたが、帰国することになる。北京で清の発展を目の当たりにした世人は清と友好関係を築くことを父の王に説くのだが……という話です。

ストーリーは盲目の鍼灸師ギョンスの視点で進みます。貧しきものは見えるものも見ないように、余計なことには関わらないように生きていく。それが生きる術であり処世術。このギョンスを演じるリュ・ジュンヨルがいいですね。王家の世継ぎ争いに巻き込まれてしまうのですが、目が見えないという圧倒的な不利な状況でいろいろと困ったことが起きる。柄本佑っぽい困り顔。

何かアクションがあるわけではないので、かなり地味な作品ではありますが、サスペンスとしてはとてもよくできていると思います。

梟-フクロウ-

梟-フクロウ-

  • リュ・ジュンヨル
Amazon