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興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『タイガー 裏切りのスパイ』マニーシュ・シャルマー監督(2023年)

ヤシュ・ラージ・フィルムズによる「YRFスパイ・ユニバース」の5作品目、そのなかの「タイガー」シリーズとしては3作目となる『タイガー 裏切りのスパイ』の映画評です。

前作『タイガー甦る伝説のスパイ』でタイガー(サルマーン・カーン)とゾヤ(カトリーナ・カイフ)の元祖スパイファミリーを通じて敵対するインドとパキスタンが共闘。そして、今回は再び二国間に緊張が生まれる危機。

盛り上がりという点では前二作を上回る熱量です。常に危機がそこにあるアクションパック。ゲスト参加で熱量がピークに。あのテーマが流れてくるだけで激アツですよね。スローで二人してキメのポーズ。インド映画の熱量の源泉ですよね。


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ただ、最後がいただけない。危機を乗り越えるためとはいえ、子供の自死はダメだよ。どんなことがあってもそこは肯定されるべきじゃない。いろんな危機を鮮やかに乗り越えてきたのに、そこでそれ?その死の扱いも軽すぎ。あのシーンでこれまでの盛り上がりがサーッと冷めてしまいました。ラストのダンスシーンも「踊ってる場合か?」と思ってしまった。

こういうエンターテインメント作品は観終わったあとに気持ちよくなりたい。でも、あのシーンのせいで最後までモヤモヤした気分になってしまった。それ以外はとてもいい作品なので、本当にもったいない。