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映画『HiGH&LOW THE MOVIE』レビュー|LDHファン必見のスタイリッシュアクション

2016年公開の『HiGH&LOW THE MOVIE』は、EXILE TRIBEを中心としたエンターテインメント集団LDHが手がけたプロジェクトの劇場版。アクションやスタイリッシュな演出を前面に押し出し、LDH所属タレントたちをカッコよく魅せることを目的とした作品です。本作は、LDHファンにとっては見逃せない内容ですが、映画として評価する際には賛否が分かれる要素が多いといえるでしょう。

あらすじ|群雄割拠するチーム抗争の舞台

物語の舞台は、架空の都市「SWORD地区」。そこでは、「SWORD」と呼ばれる5つのチーム(山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家)が勢力を争っています。

それぞれのチームが対立や共闘を繰り広げる中で、都市全体を巻き込む抗争が激化していきます。しかし、抗争の背景や目的についてはあまり詳しく描かれず、観客は登場人物たちのアクションやスタイリッシュな姿を楽しむことが主な目的とされています。

テーマ|プロモーション映像としての価値

『HiGH&LOW THE MOVIE』は、映画というよりも、LDH所属タレントたちを引き立てるためのプロモーション映像と考えるべき作品です。登場人物が非常に多く、それぞれのキャラクターやストーリーが細かく掘り下げられることはありません。そのため、抗争の理由や背景が分かりにくい部分も多いですが、本作の目的はそこにはありません。

本作の主眼は、LDHのメンバーたちがいかにカッコよく映るかにあります。LDHファンにとっては、推しのタレントが画面上で輝く姿を見るだけで感涙ものの傑作と言えるでしょう。

映画技法|アクションとスタイリッシュな映像美

本作のアクションシーンやビジュアル演出は非常にスタイリッシュです。ダンスや格闘技で鍛え上げられたLDHメンバーたちの身体能力が存分に発揮され、迫力のあるアクションが展開されます。

また、映像の色彩やカメラワークも、キャラクターたちの個性を引き立てるよう工夫されており、PV的な美しさがあります。ただし、映画全体の構成としては、ストーリーが弱いため、映画としての完成度には疑問を感じる部分もあります。

まとめ|ファン向けのプロモーション映画としての評価

『HiGH&LOW THE MOVIE』は、LDHのファンにとって感涙もののプロモーション映画です。推しタレントたちのスタイリッシュな姿やアクションを存分に堪能できる点が最大の魅力です。一方で、映画として評価する際には、ストーリーの弱さやキャラクター描写の浅さが目立つため、一般の観客にとってはやや物足りなさを感じるかもしれません。

LDHファンやスタイリッシュなアクション映画が好きな方にはおすすめですが、物語性やドラマ性を重視する観客には向かない作品と言えるでしょう。