マルコム・グラドウェルはとても優秀な語り部だと思うし、切り口も新鮮。センスがいいノンフィクション作家(邦題のタイトルが毎回センスのかけらもないのが残念だけど)だと思います。ただ本国では過去作品の考え方が経年劣化してきて、飽きられてきている…
糸ってどうやってできるのか考えたことあります?布はわかる。糸を折り重ねれば布になる。でも、糸って繊維でできてるんですよ細かくて短い繊維。それが長い糸になる。不思議じゃないですか?すでに翻訳が出ていますが、繊維から糸、糸から布ができ、それが…
人類学者でアナーキストのデヴィッド・グレーバーの遺作であり考古学者デヴィッド・ウェングロウとの共著の"The Dawn of Everything"についての書評はいつか書こうと思っていたものの、ブログ休眠中に翻訳本『万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~』が…
今回紹介する『Saving Time』の著者であるジェニー・オデルはアーティスト兼作家です。アーティストとしてはGoogleマップなどオンライン環境からの画像を活用し、現代のネットワーク化された存在の物質的な側面を強調する作品を制作しています。作家としては…
ショシャナ・ズボフの『監視資本主義』(2019年)以降、データ社会の暗部を告発する書籍が続いています。先日紹介したサラ・ラムダンのData Cartels』(2023年)もデータブローカーの寡占的市場という観点から同じテーマに切り込んだ書籍でした。 今回紹介す…
今回はもうすぐ日本でも出版されるクリス・ディクソンの新著『Read Write Own』です。日本語で出ていない書籍を紹介する本ブログにおいて、もうすぐ翻訳が出てしまう書籍(2024年11月29日発売)を紹介するのはいかがなものかとは思いつつ、このブログを書い…
暗号化通貨を取引に利用したダークウェブ最大の闇売買サイト「シルクロード」の摘発を取り上げたニック・ビルトンによる書籍『American Kingpin』を以前取り上げました。今回とりあげるアンディー・グリーンバーグによる『Tracers in the Dark』はその後に起…
ネイト・シルバーはアメリカの統計学者で、選挙予測やデータ分析の専門家として知られています。統計分析ウェブサイトの「FiveThirtyEight」で2008年と2012年の米大統領選挙での正確な予測をして一躍有名になりました。いまもSilver Bulletinというニュース…