カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評|大人のためのドラッグ講座|"Drug Use for Grown-Ups" by Carl L. Hart

読者の常識に挑戦する本は知的な刺激を与える本です。考えが及ばなかった部分に光が当たる感覚。しかし、それは「挑戦」なので、拒否反応もあります。理屈はわかるが、信じたくない。受け入れられない。日本語でも著書が翻訳されているカール・ハートの新著"…

書評|情報の価値の測り方、経済的な情報開示ルールとは|"Too Much Information" by Cass Sunstein

今回紹介する"Too Much Information"は日本でも多くの翻訳が出版されているキャス・サンスティーンの新著となります。キャス・サンスティーンはノーベル経済学賞を受賞したナッジ理論で有名なリチャード・セイラーとの共著『実践行動経済学(原題:Nudge)』…

映画評|トーキング・ヘッズ『ストップ・メイキング・センス』のアップデート|"David Byrne's American Utopia" by Spike Lee

デヴィッド・バーンのアルバム『American Utopia』(2018年)を元にしたブロードウェイのショウをスパイク・リーが映像化した作品です。デヴィッド・バーントーキング・ヘッズを解散してから1990年代のソロ活動はあまりピンと来ませんでした。それが2000年代…

映画評|インドの実験的映像作家アミット・ダッタ|"Wittgenstein Plays Chess With Marcel Duchamp or How Not To Do Philosophy" by Amit Dutta

ボクはシネフィルと言えるほどは映画に詳しくないですが、それでもMubiに登録するくらいは映画を愛しています。Mubiは映画のサブスク(英語圏)で、ネットフリックスやアマプラにはないマニアックな映画を得意としています。あまりにマニアックなので、時と…

書評|新自由主義が生んだ独占企業群がみんなから自由と機会を奪っている|"Monopolies Suck" by Sally Hubbard

ティム・ウーは著書"The Curse of Bigness"(2018年)で独禁法に焦点を当てて、現代が独禁法以前の「金ピカ時代(Gilded Age)」に戻りつつあると警笛を鳴らしました。そして2020年にようやく司法省が重い腰を上げてGAFAの独禁法違反について動きを見せはじ…

映画評|サイレント映画での特撮の鬼才チャーリー・バウワーズ|"The Extraordinary World of Charley Bowers"

サイレント映画といえばチャーリー・チャップリン、バスター・キートンとハロルド・ロイドの「三大喜劇王」が有名ですよね。もう少しマイナーなところだと映画『僕たちのラストステージ』でその晩年が描かれたローレル&ハーディ(極楽コンビ)とかですね。…

2020年ベスト洋書|ベスト・オブ・2020

2019年はショシャナ・ズボフの"The Age of Surveillance Capitalism"やローレンス・レッシグの"They Don't Represent Us"が発表され、資本主義や民主主義の根本について多くの人が考え直した時期だったと思います。2020年の英語圏の書籍は、2019年から引き続…

書評|みんなの脳についての知識は意外と間違っている|"Seven and a Half Lessons About the Brain" by Lisa Feldman Barrett

ボクは脳についての書籍が大好きです。ジーナ・リッポンの"The Gendered Brain"もすごく刺激的でした。たぶん、脳は誤解が多い科学だから、その誤解を自分の中で解きほぐしていくのが楽しいんだと思います。へー、そうなんだ!日本でも『情動はこうしてつく…