カタパルト式では様々なインタビュー記事を書いてきましたが、なんと今回は初めて日本の会社にインタビューです!初の日本インタビューは日本のクラフトビールをリードする『よなよなエール』のヤッホーブルーイングさん。コンビニでも『水曜日のネコ』を見かけますよね!
今回インタビューに答えてくださったのは広報の根来桜さんです。日本ではクラフトビールは独自の発展をしてきたんですよね。創業当時からエールにこだわっていたヤッホーブルーイングの「これまで」と「これから」を教えてもらいましたよ!
【カタパルト式なかむら】
本日はインタビューを受けていただきましてありがとうございます。ボクは10年ぶりに海外から日本に帰ってきましたが、日本でもクラフトビールが盛り上がっていますね!ボクが日本にいた頃は1990年代後半の地ビールブームが落ち着いた頃でした。
今でも友達にクラフトビールを説明しても「それって地ビール?」と言われたり。以前の地ビールブームと今のクラフトビールを比べて何か違いはありますか?
【ヤッホー根来桜さん】
まず変遷について説明させていただくと、地ビールブームは地域おこしの側面が強く、当時さまざまな団体が一気に地ビールを造り始めたため爆発的に流行しました。しかし、そのブームは一過性にとどまってしまった。
その要因は3つあると考えていて、「価格が高い」「個性的すぎる」「品質が悪いものもある」の3つです。お客様の間で「地ビール」に悪い印象がついてしまい、多くの地ビールメーカーは廃業せざるを得なくなりましたが、ブーム終了後も技術と品質を磨き、お客様に支持され生き残った企業たちもいました。そういった企業が現在のクラフトブルワリーの主体です。
現在クラフトビールが支持されているのは、地ビールブーム時と比べて消費者の嗜好が多様化したことと、前述したメーカー側の努力が実って品質の良い(世界的なコンテストなどで受賞できるレベルの)ビールが造られるようになったことが要因だと考えています。それらがブームとしての大きな違いですね。
【カタパルト式なかむら】
ボク自身もブームの時に何回か地ビール試したことがあったけど、今みたいにビールにハマることはなかったです。ボクの場合はヨーロッパでビールにハマったんです。単純にビールを飲むのが楽しかったんですよ。いろんな種類があって。一週間に二本か三本は別のビールを飲んでました。
【ヤッホー根来桜さん】
なかむらさんの体験は弊社の創業者の体験と近いですね!弊社はミッションとして「ビールに味を!人生に幸せを!」を掲げ、画一的なビールしかなかったビール市場にバラエティを提供し、日本のビール文化をもっと豊かで面白いものにしたい!と考えています。これは弊社は創業者が海外でエールビールを飲んで感動した体験からきたものなんですよ。そのため創業当時から一貫してクラフトビールの楽しさである「バラエティの豊かさ」を提供すべく様々なスタイルのエールビールを造り続けています。
今後も、日本のクラフトビール市場にさまざまなビールを提供し、ミッション実現のために活動していく方針です。
【カタパルト式なかむら】
日本のクラフトビールはどちらかというとそれぞれのジャンルで王道的な方向性が多い印象があります。それはそれで悪くはないし、賞も取りやすいと思います。ただ個々の醸造所の個性が見えづらかったりする。クラフトビールの楽しさって優劣じゃなくて、バラエティーの楽しさだと思うんですよ。
でも、ヤッホーブルーイングさんは色々と挑戦してますよね!
吉祥寺のビアワークスでいただいたBlack IPAはとてもユニークでおいしかったです。また「前略シリーズ」では色々と新しい味に挑戦していて、そのスピリット的な部分が世界の醸造所に非常に近いものを感じました。ヤッホーブルーイングさんが目指す「人生に幸せを!」って具体的にどんな感じで現れてくることに期待していますか?
【ヤッホー根来桜さん】
Black IPAも飲んでいただいて、ありがとうございます!様々なスタイルの個性豊かなビールを味わうことで、「クラフトビールってこんな味があるんだ!」とお客様に知っていただくこともミッション実現への一歩だと考えています。
イベントや足を運んでくださるお客様を見ていると、本当にいい顔で笑っていらっしゃるんですよね。弊社のクラフトビールそのものを楽しむだけじゃなくて、「クラフトビールを飲む」という体験を通して、仲間と繋がれたり、自分の好きなものを発見したり、それぞれの楽しみ方で思い思いに楽しんでいらっしゃる。私たちは、私たちのバラエティ豊かなビールを飲んでくださった方に、ささやかながら幸せを提供したいと思っていて、それが「ビールに味を!に人生に幸せを!」というミッションの実現にもつながるのではと考えています。
【カタパルト式なかむら】
ヤッホーブルーイングさんのパッケージングにもこだわっていますよね。日本にはビール以外にもサワーやハイボールといったライトなアルコール飲料がたくさんあります。そしてヤッホーブルーイングさんのパッケージングは伝統的なビールよりもカクテルやサワー系のパッケージングに近い。これは伝統的なビールファンとは違う新しいファン層を取り込むことを意識したりしてるのでしょうか?
ヨーロッパでこれほどクラフトビールが広まっているのは伝統的なビールを飲んでいる人だけでなく、ワインやビール以外のライトなアルコール飲料のファンを取り込んでいるからですよね。普通のビールじゃなくてクラフトビールを飲むのってステートメントだったりもするんですよ。ビルボードトップ10じゃなくてインディーの音楽を聴くみたいな。だからパッケージングもおしゃれなものが多い。
【ヤッホー根来桜さん】
仰る通り、大手さんが長年造ってきた「ラガービール(の中のピルスナー)」が元々好きな人に飲んでいただくだけでは、それ以外のお客様に「ビールってこんなに色々な味があって美味しいんだよ!」というメッセージを伝えきることができません。それよりもむしろ、味だけでなくパッケージやネーミングも従来のビールのイメージをいい意味で裏切るような製品を造ってこそ、普段ビールを飲まない人にもクラフトビールの美味しさ、楽しさを伝えられるのでは、と考えています。
【カタパルト式なかむら】
ブリュードッグやミッケラーみたいな大きなクラフトビール醸造所も複数の醸造所とのコラボも盛んですし。ビールフェスがあるとやはり複数の醸造所が新作を用意して反応を試して見たり。ビール業界の横のつながりがとても強い印象があります。日本ではどうでしょうか?
【ヤッホー根来桜さん】
クラフトビール業界の横のつながりは非常に強いです。日本国内だけでなく、海外ブルワリーとの交流も盛んで、ヤッホーブルーイングでは昨年にアメリカのOSKAR BLUES BREWERYとのコラボビールを造ったり、数年前に同じくアメリカのFire Stone Walkerのビアフェスに招待してもらったりしています。特にブルワー同士はいろんな情報交換やアイデアの交流などをすることで、お互いに切磋琢磨をして技術向上につとめています。
【カタパルト式なかむら】
「ビールに味を!人生に幸せを!」ってとても素敵なミッションだと思います。 是非これからも味のある美味しいビールでたくさんの人の人生を彩り豊かにしてください!ボクももっとビールで幸せになりたいですwww
(当然ボクはこんなにうまく写真を撮れないので今回の写真はすべてヤッホーブルーイングさんからご提供いただきました。ありがとうございました!無断転載とかしちゃだめよん。写真クレジット:株式会社ヤッホーブルーイング)