お前はいいプロダクトを二つも持っているのにピッチが絶望的に下手だ!
ピッチというのは資金を調達するため起業から投資家へ行う売り込みですね。プレゼンの一種です。ただ、一般企業が行うプレゼントは違います。フォーマットがある程度決まっていて、最初の一行のセリフが大事だと言われています。いわゆる「つかみはオッケーか?」ということです。ボクが苦手なのがまさにこのつかみの部分。
我ながらいいプロダクト持ってますよ!でもボクはピッチが絶望的に下手です。
ピッチの例
例えばAirbnbの最初のピッチがこれです。最初の一行が"Book rooms with locals, rather than hotels"です。Airbnbが何をするのかが簡潔に分かりやすくまとめられています。
Bufferのピッチスライドはこんな感じ。
Webの分析ツールのMixpanelはこんな感じ。
ピッチの内容
ピッチは以下の投資家が当然持つ疑問に簡潔明瞭に答えるものでなければいけません。
- どんな問題を解決するのか?
- その問題をどのようにユニークに解決するのか?
- その問題は確かに存在して、そのユニークな解決方法は多くの人から求められている証明(前回説明したプロダクト/マーケットフィット)
- それを解決することでどれくらい儲かるのか?(投資のリターンはどれくらいなの?)
- それを解決するためにいくら必要なのか?(要するにいくら欲しいの?)
- どんな競合が存在するのか?(競合はいないという回答はNGです。単なるリサーチ不足だね。もう帰っていいよ!)
- 実行できるチームなのか?(もちろん動くプロダクトはもうあるんだよね?)
そして、それを2分程度で説明できないといけません。2分の間にプロダクトのデモも必須です。これが説明できないのであれば、まだ投資を求めるタイミングではないということです。
ピッチは一般企業が行うセールスのプレゼンテーションとどう違うのか?
こう言ってはなんですが、ボクは売ることに関しては苦手じゃないです。スタートアップでここまで外部からの投資もなく生き残ってきたのはひとえに自分のサービスを売ってきたからです。でも、ピッチは下手です。実際に投資家にピッチしたことはないですよ。ただ、スタートアップの世界では頼んでもいないのにやらされることがあるんですよ!ボクはブートストラップ(VCなどの外部資金に頼らず自己資金だけで運営しているスタートアップのこと)なのに!
一般的に企業が行うプレゼンテーションは短くても30分くらいは使うのではないでしょうか?そしてプレゼンテーションにはストーリーが求められる。コンサルティング会社なんかだと1時間くらいかかる。これがスタートアップのピッチだと2分です。1/10どころではないです。
企業のプレゼンが小説だとしたら、スタートアップのピッチは俳句です。
ボクはずっと企業の中で生きてきたので、ストーリーを語るのは得意なんですよ。でも、ピッチにストーリはいらない。
ピッチが下手な場合はどうしたらいい?
これはボクが聞きたいです!ただ、よく言われるのは「求められるまで売り込むな」です。要するに投資家に見つけてもらうまで待ちましょうってことですね。マーク・アンドリーセンもそんなことを言ってました。
プロダクト/マーケットフィットがある製品を持っていてればそれなりに数字ができてくるし、名前も知られてきます。ピッチを磨く暇があったら優れたプロダクトを作れということです。