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経営

書評|次の経営バズワード「フライホイール」|Turning the Flywheel by Jim Collins

おそらく、次の経営のバズワードとなるのが「フライホイール」です。アマゾンの成功の秘訣として有名になりつつあります。簡単に言えば、成功の循環サイクルです。フライホイールの名付けの親がアマゾンの戦略コンサルタントを務めていたジム・コリンズです…

書籍|脳で語られる男女の差はほとんどウソ|"The Gendered Brain" by Gina Rippon

Aは〇〇で、Bは〇〇のようなレッテルはわかりやすく、話題にしやすいですよね。「日本人は」とか「外国人は」とか。女性は直感的で、男性は論理的。女性は地図を読むのが苦手で、男性は話を聞かない。そんな本も出ているくらいです。そんな男女脳のカジュア…

書評|日本のスタートアップが海外のVCから投資されない理由|"Secrets of Sand Hill Road" by Scott Kupor

業界にはそれを象徴する中心地があります。映画の象徴がハリウッドで、金融の象徴がウォール・ストリート(イギリスのシティでもいいですが)であるように、ベンチャーキャピタルの象徴がシリコンバレーにあるサンド・ヒル・ロードなのだそうです。 最も有名…

書評|Oculusの歴史「ラッキー・パーマーの章」 "The History of the Future" by Blake J. Harris

スマホの伸びが鈍化していて「スマホの次のプラットフォーム」が期待されています。「スマホの次」に期待がかかるのはAmazon Echoに代表されるボイスと、Oculusに代表されるVRですね。今回紹介する書籍"The History of the Future"はOculusの創業からFaceboo…

書評|イノベーションは文化でなく仕組みで作る|"Loonshots" by Safi Bahcall

イノベーション推進の取り組みを行っている企業はたくさんあると思います。組織の外から取り込むこともあります。スタートアップを買収したり。また、組織の内側から変える取り組みもあります。アジャイルやリーンスタートアップに取り組んだGEなんて代表例…

コトづくりの時代に日本発世界へは正しいアプローチか?

日本のVCのアドバイスとしてよく聞くのが「まずは日本で成功して、それから世界に展開したほうがいい」です。本当でしょうか?このようなアドバイスには「個人的な意見ですが」と続く場合がほとんどです。なぜ「一般的にそう」と言えないのでしょうか?それ…

書評|アメリカ海軍特殊部隊から学ぶデザインとリーダーシップ|"The Dichotomy of Leadership" by Jacko Wilink

企業ではいろんな事業やプロジェクトに取り組みますよね。中には、その企業の存続を左右するようなプロジェクトもあるかもしれません。でも、人は死にませんよね。会社が倒産して、そのために社員が路頭に迷って、間接的に人の生死を左右することはあるかも…

書評|日本ではわかりづらいRedditを理解するためのテキスト|"We Are the Nerds" by Christine Lagorio-Chafkin

Redditって有名だし、英語圏でビジネスをするならチャネルとしても無視できない。2019年1月時点でのAlexaのランキングでは18位。FacebookやTwitterのような定番以外にグロースハックをやるならRedditは検討しなければいけないチャネルの一つです。Reddit hug…

書評|自分のペースで仕事をする大切さ|"It Doesn't Have to Be Crazy at Work" by David Heinemeier Hansson and Jason Fried

いきなり個人的なことですが、ボクは最近になって日本企業で働いています。これまでずっと外資系企業に勤めたり、海外でスタートアップやったりしていたので、日本企業で働くのは本当に初めてのことです。で、これが驚くほどに快適なんですね。なぜかといえ…

書評|スタートアップとベンチャーキャピタルの関係を説明したバイブル|"Venture Deals" by Brad Feld, Jason Mendelson

スタートアップ界隈では尊敬されている人たちがいます。今回紹介する"Venture Deals"の共同著者のブラッド・フェルドはその一人です。コロラド州のボルダーはスタートアップの活動が活発ですが、そのスタートアップコミュニティーを立ち上げる主役の一人がブ…

書評|オッサンの言ってることは意外と正しいんじゃないか?|"Lab Rats" by Dan Lyons

今回紹介する著書のダン・リオンズさん。見ての通り、オッサンです。ずっと編集畑を歩んできて、リストラされる。心機一転、スタートアップ(Hubspot)の世界に飛び込んだもののやっぱりリストラ。スタートアップめ!ざけんじゃねーぞ!とスタートアップ界隈…

書籍|本当のマーケティングの話|"This is Marketing" by Seth Godin

顧客起点とよく言いますよね。本来であれば「マーケティング」というのは顧客のことを理解して、顧客が求めるものを作り、届けることです。「営業」は顧客の困りごとを理解し、その困りごとを解決する方法を紹介することです。 つまり、顧客起点とは顧客への…

書評|Google CEOのラリー・ペイジからU2のボノまで、豪華な朗読陣のビジネス書|"Measure What Matters" by John Doerr

ボクは洋書は基本的にオーディオブックで聞いています。オーディオブックは著者自身が朗読することがありますが、そんなオーディオブックを聞くと何だか得した気分になります。書いている本人が直接語りかけてくれるのですから。 ジョン・ドーアによるベスト…

PayPalマフィアとユニコーンの系譜

スタートアップの歴史を語る上で避けて通ることができないのがPayPalです。2002年のeBayによるPalPayの1億5000万ドルの買収は、創業者や社員に大きな富をもたらしました。それがPayPalマフィアと呼ばれる創業者たちになっていきます。PayPalがなければテスラ…

書評|Amazonから学ぶ4つのビジネスの成功要素|"Be Like Amazon" by Jeffrey Eisenberg

実証されていないイノベーションやビジネスモデルはワクワクします。将来のことだから。株価も将来の期待によって上下します。顧客や従業員を中心に考える企業は投資家からみれば、利益という自分の分前を取られていると感じますし、ワクワクしないのであま…

おじさんのための新🌟教養講座:これが本当の「働き方改革」

リーンスタートアップやグロースハックを流行りごとと捉えて軽く見る人たちって多いと思うんですよね。『7つの習慣』とかクリティカルシンキングみたいな。コンサルティングやトレーニングがセットになっているコンテンツビジネス。 「うむうむ、若い奴らに…

イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる

イーロン・マスク といえばテスラやスペースXが有名ですが、他にもボーリングカンパニーやニューラリンクといった面白いことをやっています。そのイーロン・マスクがマリファナを吸ったということでジョー・ローガンのポッドキャストが注目を浴びましたが、…

書評|ハリネズミとキツネの大戦略|"On Grand Strategy" by John Lewis Gaddis

「戦略」という言葉はビジネスでも使われますが、元々は軍事用語です。第二次世界大戦以降は武力を使った大きな戦争は以前と比べて少なくなりましたが、戦略の重要性は低くなるどころか益々高まっています。 今回紹介する"On Grand Strategy"はアメリカの歴…

徹底比較 SuicaとAlipay|日本のモバイルペイメント普及のカギ

中国はモバイルペイメントが普及している先進事例です。インターフェースがQRコードで一番目立つため、QRコードが大きく注目されています。しかし、インターフェースは(重要だけれども)一つのコンポーネントでしかありません。 今回は中国の支付宝(Alipay…

書評|Twitter創業者たちのエゴと魅力『ツイッター創業物語』|"Hatching Twitter" by Nick Bilton【2018年夏休み読書週間】

いろいろなスタートアップの成り立ちを調べてブログで書いていると、企業や人となりには(当然ながら)裏と表があると気がつきます。完璧なんてない。どれだけ素晴らしい業績を残した起業家も成人君主ではなく普通の人間です。 いわゆる会社公認の「創業史」…

書評|超えてはいけない一線を超えたスタートアップ史上最大のスキャンダル|"Bad Blood" by John Carreyrou【2018年夏休み読書週間】

スタートアップ史上最大のスキャンダルのひとつとして数えられるであろうセラノスの事件をその発端から現在に至るまで詳細に追いかけた一冊。 なぜこれほど多くの実績あるベテラン投資家や政府高官、企業役員たちがセラノスの不正を見抜けなかったのか。シリ…

書評|グロースハック本の決定版|"Hacking Growth" by Sean Ellis【2018年夏休み読書週間】

エリック・リースはリーン・スタートアップを書籍の形で世に出しましたが、グロースハックという言葉を2010年に生み出したショーン・エリスこれまでグロースハックの本を書いてきませんでした。グロースハックはショーンがコンセプトを発表した後に、アンド…

書評|大人ためのリーンスタートアップ『スタートアップ・ウェイ』|"The Startup Way" by Eric Ries【2018年夏休み読書週間】

イノベーションの実現を助ける手法としてリーン・スタートアップは有名です。用語としてMVPとかピボットとか聞いたことがある人もいるでしょう。『スタートアップ・ウェイ』は『リーン・スタートアップ』を書いて世の中にリーン・スタートアップを広めたエリ…

書評|クソくだらなくて意味のない仕事が増えている|Bullshit Jobs by David Graeber【2018年夏休み読書週間】

本来必要ない仕事があったら?そして、その仕事をしている人はそれに気づいていたら?これが今回紹介するデビッド・グラバーの"Bullshit Jobs"の主題です。様々な調査によると37%から40%の人が自分の仕事がなくなっても何も世の中に影響がないと考えています…

書評|コープのソーシャルプラットフォーム|"Ours to Hack and to Own" by Trebor Scholz and etc

注目されるスタートアップの歴史を書こうと考えた時、どうしても食指が動かなかったのがUberです。そもそもビジネス自体に共感が持てない。創業者たちがどのような社会を作ろうとしているのかわからないですが、便利と搾取の等価交換な気がしてならない。社…

中国のヨドバシカメラ JD.comが日本企業から学んだこと

中国のスタートアップはすでに巨大プラットフォーマーとなったアリババ、テンセント、バイドゥのBAT(Baidu, Alibaba, Tencent)の他、それに続くユニコーンのトウティアオ、メイトゥアン、ディディチューシンのTMD(Toutiao, Meituan-Dianping, Didi) につ…

はじめての中国Fintech:モバイルペイメント編【赤盤】

モバイルペイメントというのはモバイルとペイメントが合わさった言葉です、あたりまえですが。つまり、モバイルとペイメントの両方の発展を見ていくことによって、より理解が深まるのですね。中国のモバイルペイメントについて様々な記事を見かけます、その…

アップルから学ぶベンチャーキャピタルの役割

今回取り上げるのはアップルです。アップルは「資金を提供する人のメリットは何か」と「いつ外部から資金調達をするべきなのか」と「創業者が資金以外に必要なもの」を理解するのに最適な事例だからです。 資金を提供する人のメリットは何か そもそもベンチ…

スロースタートアップ|第四回:GoPro|ハスラーのブートストラップ

ニック・ウッドマンは他のスタートアップ創業者と少し違います。スタートアップにはハッカー(開発者)、ハスラー(ビジネス)、ヒップスター(デザイナー)の三種類の人が必要だと言われています。頭文字をとって3H (Hacker, Hustler, Hipster) 。多くのス…

スロースタートアップ|第三回:MailChimp|選んだ道じゃないけれど

スタートアップといえば急速な成長のためにベンチャーキャピタルからガツンと資金調達をするイメージがあると思います。しかし、ベンチャーキャピタルから資金調達をせずにずっとブートストラップ *1 しながら成長するスタートアップも存在します。日本だと…