カタパルトスープレックス

イノベーションに効く世界の情報を日本語で

デザイン

書評|差別するデザイン|"Technically Wrong" by Sara Wachter-Boettcher【2018年夏休み読書週間】

デザインは人を傷つけます。そして、場合によっては死に至らせる可能性もあります。このことについてはすでに翻訳が出ているジョナサン・シャリアートとシンシア・サヴァール・ソシエによる『悲劇的なデザイン』(デザイナー必読)でも詳しく紹介されていま…

スロースタートアップ|第二回:dribbble|おじさんたちのサイドプロジェクト

スタートアップといえば急速な成長のためにベンチャーキャピタルからガツンと資金調達をするイメージがあると思います。しかし、ベンチャーキャピタルから資金調達をせずにずっとブートストラップ *1 しながら成長するスタートアップも存在します。日本だと…

アメリカ政府を公共サービスのデジタル化に向かわせた二つの力と三つの組織

イギリスのGDSやエストニアの電子政府の情報は割とまとまったものがあります。カタパルトスープレックスも貢献していますよね!ところが、アメリカの公共サービスのデジタル化も急速に進んでいるのですが、あまりちゃんとまとまった情報が日本語ではありませ…

ケンブリッジ大学のインクルーシブ・デザイン・キット(多くの利用者を包括的にとらえるアプローチ)

原文:"What is inclusive design?" by Engineering Design Centre, Department of Engineering, University of Cambridge 全てのデザインにおける決定はユーザーを含むか含まないか潜在的な判断がある。インクルーシブ・デザインはユーザーの多様性を理解す…

イギリスのバークレイズ銀行におけるサービスデザインの事例

イギリスのデザインエージェンシーであるRawnetがイギリス三大銀行の一つでクライアントのバークレイズ銀行のサービスデザイン部門のディレクターであるClive Grinyer氏へのインタビューをYouTubeで共有していました。企業におけるサービスデザインの事例は…

世界にサービスデザインを広めるアダム・ローレンスのサービスデザイナーとしての原動力

アダム・ローレンス(Adam Lawrence)さんはサービスデザインの世界を牽引しているキーパーソンの一人です。エージェンシーの設立者というだけでなく、Global Service Jamという世界的なコミュニティーイベントを運営したり、サービスデザインの実用書『This…

イギリス行政コミュニティーによるサービスの作り方

原文:"How cross-government communities can support cross-government services" by Tom Wynne-Morgan and Will Harmer ユーザーにとってサービスはシンプルです。車の運転を習ったり、ビジネスをはじめることなど。しかし、政府にとってそれらのサービス…

デザイナーのための『UXストラテジーガイド』

原文:"THIS UX STRATEGY GUIDE HELPS DESIGNERS MAKE BETTER DECISIONS" by Alex Souza デザイナー(特に経験の浅いデザイナー)は企業戦略を見落としがちです。デザイナーが戦略立案に関わる機会が少ないことが原因なのではないかと考えています。または、…

人事(じんじ)を人事(ひとごと)にしないサービスデザイン|インテルでの取り組み

この記事のポイント プロセスではなくエクスペリエンスをデザインする フロントステージの主役は複数設定でき、それぞれジャーニーが異なる 組織変革にサービスデザインが果たせる役割は大きい 原文:"Using Service Design to shape the future of Talent A…

プロダクト開発の優先順位のラディカルでシンプルな付け方

「すべきことを終わらせる」ための最大の課題は「何をすべきかを知る」ことなのは皮肉なことです。私たちの本の『Product Leadership』でこのトピックにまるまる一つのセクションを費やしました。最近では、この課題を確認するためにいくつかの調査を実施し…

スタンフォード大学でも使われている『共感マップ』のアップデート

何年も前にXPLANEで共感マップをデザインしました。私たちがゲームストーミングと名付けた人間中心デザインツールキットの一部でした。 共感マップは多くのチームが共感による人に対する深い理解を共有することに役立っています。顧客のエクスペリエンスを向…

イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2014年)各省庁のプロジェクトが続々公開そしてトランジション完了

GOV.UK ざっくり言うと この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。 CTO室主導でアーキテクチャだけでなく…

イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2013年)先駆けとなる官公庁への展開と標準化

GOV.UK ざっくり言うと この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。 CTO室主導でアーキテクチャだけでなく…

イギリス政府の「デザイン原則」日本語版

「カタパルトスープレックスデザイン」の一環としてイギリス政府の「デザイン原則 "Design Principles"」を日本語に翻訳したので、デザイン原則について。 ボクは白洲次郎が大好きで、彼に関する本をたくさん読みました。そんな中で印象に強く残っている本が…

インターフェースの未来2018年度版|カタパルト式アンリーディング

ざっくり言うと 次のインターフェースは「ノーインターフェース」 まだ誰も「ノーインターフェース」の最適解を見つけていない おそらくヒントは自動ドア インターフェースはキャラクターユーザーインターフェース(CUI)からグラフィックユーザーインターフ…

イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2012年)ベータ公開、コンテンツ移行と本番

GOV.UK ざっくり言うと データ分析大事。そのためのプラットフォームをこの時期に作る。GitHubとか使ってオープンにフィードバックを得るの大事。 GOV.UKではペルソナ使わない。あとで出てくるデジタルインクルージョンにもその思想は表れていると思います。…

アメリカ政府機関が使っているデザイン手法を集めた『18Fメソッドカード』日本語版

「大規模デザインシステムを作る:いかにしてアメリカ連邦政府のデザインシステムを作り上げたか」という記事を以前に書きました。これがカタパルトスープレックス最初の翻訳記事でした。 この取り組みは米連邦政府一般調達局の部門の一つである18Fという組…

デザインで日本を変える『デザイン+ジャパン』の第0回ミートアップを開催します

日本はたくさん問題がある「課題先進国」だと言われています。日本にいるデザイナーはこれから世界各国で起きる課題を世界に先駆けて解決できるチャンスがあります。50日前に『デザイン+ジャパン』の呼びかけで集まったデザイナーは30名。Slackでアンケート…

イギリス政府はどのようにデジタルサービスを展開したか(2010/2011年)チーム立ち上げ、アルファからベータへ

ざっくり言うと 偉い人のエアカバー大事。GOV.UKの場合は当時の内閣府大臣のフランシス・モード(Francis Maude)。GDSがかなり自由にやれたのはこの人のおかげ。ここには書いていないけど、当時のイギリス政府の課題の一つは増え続けるコスト。フランシス・…

ブロックチェーン全盛時代にデザインは終わったのか?

シンガポールの友人と久しぶりにチャットをしていたのですが、シンガポールではクリプトが流行りでデザインが全く流行らなくなってしまったそうです。デザインは流行り廃りするようなものではないとは思いつつ、実際にはどうなのかを調べてみました。 わかっ…

子供にやさしいクルマの自動運転をデザインする

今年6月に神奈川県の東名高速道路で夫婦が亡くなった事故は人間が運転するクルマは本当に安全なのかを考えるきっかけにもなったとても悲しい事故でした。危険運転でヒヤっとしたドライバーも少なくないのではないでしょうか。自動運転のクルマではこのような…

本のエクスペリエンス|「本のない本屋さん」は本でつながるコミュニティー

前回は『本のない本屋さん』の最初のポストでした。書店やAmazonにはあまりにたくさんの本がありすぎる。そこから自分にあった本を探すのは大変。だったら本を無くしてしまおう。それが『本のない本屋さん』のはじまりでした。 『本のない本屋さん』には本が…

スマートマシン(IoTとAI)が顧客になる時 – マシンのためのデザイン

この記事は人間中心デザインからマシン中心デザインを予見させる「スマートマシンが顧客になる時 – マシンのためのデザイン」"When a Machine is the Customer – Designing for Machines"の翻訳です。 ボク自身は人間中心のサービスデザインを専門としている…

デイブ・グレイが語るソースコードとしての「線の言語」とビジュアル思考

デイブ・グレイさんはアメリカで最も有名なサービスデザイナーの一人です。XPLANE創業者としてスタンフォード大学d.schoolでも使われている『共感マップ』の作成に携わったり、日本でも出版されている『ゲームストーミング』などの著者でもあります。スケッ…

書評|モノづくり企業から顧客体験企業への転換「Connected Company」Dave Gray

これからは顧客体験を重視したサービス企業にならないと成長できないと言われています。現代のヨハネの黙示録の四騎士と言われるAFGA(Apple、Facebook、Google、Amazon)も全てサービス企業ですね。え?誰ですか?Appleが製造業だといってる人は?Fortune F…

アメリカのデジタル公共サービスの夜明け - オバマケア立ち上げ失敗、18F誕生の前日譚とCode for America

1235 Mission Streetにあるサンフランシスコのフードスタンプオフィス(通称:1235) 原文:""People, Not Data - On disdain and empathy in Civic Tech" by Jake Solomon, Jan 6, 2014 ここはサンフランシスコの大きなフードスタンプオフィスです(フード…

サービス共創のプロトタイプツール『サービスジオラマ』のWebサイトを新しくしました

ありがたいことにボクの作ったサービスジオラマのコミュニティーは世界で広がっているのですが、作者のボク自身がそのWebサイトを放置状態でした。各国のコミュニティーリーダーたちはPDFファイルを持っていて、ワークショップを開催するときは自分たちで印…

IDEOからアメリカ政府機関までデザイン手法コレクションいろいろ

サービスデザインやデザイン思考のツールはたくさんあって、覚えるのが大変。覚えていたとしても、とっさにそれが出てこない。「ああ!こういう時はあれを使えばよかったのに!」とかあとで思い出したりする。こういうことはデザイナーであれば誰しも経験し…

大規模デザインシステムを作る:いかにしてアメリカ連邦政府のデザインシステムを作り上げたか

現在、ほぼ30,000の米国連邦政府のウェブサイトがありますが、それらウェブサイトの間に一貫性はほとんどありません。テクノロジーの分野で働く数十万人の政府機関の職員がいますが、彼らの携わるウェブサイトの構築や管理方法に共通点はありません。 その結…

欧米で頭のいい人達が自然と使っている知識の整理整頓

ちょっと前に効率的な勉強の習慣について書きました。「入れて、調理して、出す」でしたね。「調理して」には整理整頓も含まれるのですが、今回はこの知識の整理整頓の話。知識を入れるのはインターネットで検索したり、キュレーションメディアをチェックし…