カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

開発

書評|ルービック・キューブ考案者が語る創造性とデザイン|"Cubed" by Ernő Rubik

ルービック・キューブの考案者エルノ・ルービックの初書籍が今回紹介する"Cubed"です。ルービック・キューブが世に出てから40年以上経過しています。これまでに自伝とか出ていそうなものですが、この本がエルノ・ルービックが初めて書くの書籍。自分とその発…

書評|「頭で考えたらモノが動く」はすぐそこにある現実|"The NeuroGeneration" by Tan Le

映画『アベンジャーズ』でロバート・ダウニー・ジュニア扮するトニー・スタークが浮かんでいる画面を手でササっと操作したり、やはり映画『ドクター・ストレンジ』でベネディクト・カンバーバッチが光の魔法陣をバッと手から出して防御したりカッコいいです…

書評|ラガードのためのイノベーション 入門|"The Future is Faster Than You Think" by Peter Diamandis

イノベーター理論はイノベーションがどのように波及していくか説明しています。最初にイノベーターと言われるアンテナの感度がよくって、新しいものにすぐ飛びつく人たちがいて、次にアーリーアダプターに伝播します。そして、最後に渋々受け入れるのがラガ…

映画評|イーロン・マスクのプロトタイプとしてのジョン・デロリアン|Framing John DeLorean

デロリアンといえば映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』に登場するタイムマシンに改造されたスポーツカーですね。実際のモデル名はDMC-12です。作った会社はデロリアン・モーター・カンパニー(DeLorean Motor Company)で、その創業者がジョン・デロ…

書評|次の経営バズワード「フライホイール」|Turning the Flywheel by Jim Collins

おそらく、次の経営のバズワードとなるのが「フライホイール」です。アマゾンの成功の秘訣として有名になりつつあります。簡単に言えば、成功の循環サイクルです。フライホイールの名付けの親がアマゾンの戦略コンサルタントを務めていたジム・コリンズです…

書籍|炎上する若者と批判する大人、早咲きの棋士と遅咲きのハリポタ|"Late Bloomers" by Rich Karlgaard

2019年に9歳で最年少棋士となった仲邑菫さんなど若くして才能を開花する人たちがいます。一方で、インスタグラムやツイッターでのバイトテロなど浅はかな行為で炎上してしまう人たちもいます。最近だとレペゼン地球とジャスミンゆまのパワハラやらせによる炎…

書評|Oculusの歴史「ラッキー・パーマーの章」 "The History of the Future" by Blake J. Harris

スマホの伸びが鈍化していて「スマホの次のプラットフォーム」が期待されています。「スマホの次」に期待がかかるのはAmazon Echoに代表されるボイスと、Oculusに代表されるVRですね。今回紹介する書籍"The History of the Future"はOculusの創業からFaceboo…

書評|プログラマーという人たち|"Coders" by Clive Thompson

職業には特定のイメージが付きまといます。弁護士は硬いイメージ、ホストはチャラいイメージ。今回紹介するクリーヴ・トンプソンの"Coders"はプログラマーに焦点を当てて、どんな人たちなのかを描いていきます。プログラマーも内向的でコミュニケーションが…

書評|イノベーションは文化でなく仕組みで作る|"Loonshots" by Safi Bahcall

イノベーション推進の取り組みを行っている企業はたくさんあると思います。組織の外から取り込むこともあります。スタートアップを買収したり。また、組織の内側から変える取り組みもあります。アジャイルやリーンスタートアップに取り組んだGEなんて代表例…

コトづくりの時代に日本発世界へは正しいアプローチか?

日本のVCのアドバイスとしてよく聞くのが「まずは日本で成功して、それから世界に展開したほうがいい」です。本当でしょうか?このようなアドバイスには「個人的な意見ですが」と続く場合がほとんどです。なぜ「一般的にそう」と言えないのでしょうか?それ…

書評|日本ではわかりづらいRedditを理解するためのテキスト|"We Are the Nerds" by Christine Lagorio-Chafkin

Redditって有名だし、英語圏でビジネスをするならチャネルとしても無視できない。2019年1月時点でのAlexaのランキングでは18位。FacebookやTwitterのような定番以外にグロースハックをやるならRedditは検討しなければいけないチャネルの一つです。Reddit hug…

書評|自分のペースで仕事をする大切さ|"It Doesn't Have to Be Crazy at Work" by David Heinemeier Hansson and Jason Fried

いきなり個人的なことですが、ボクは最近になって日本企業で働いています。これまでずっと外資系企業に勤めたり、海外でスタートアップやったりしていたので、日本企業で働くのは本当に初めてのことです。で、これが驚くほどに快適なんですね。なぜかといえ…

書評|現場のiPhone開発者が見たAppleの創造力の源泉とは?|"Creative Selection" by Ken Kocienda

Appleの株価は2018年8月に米国史上初の時価総額が10億ドル(1000億円)を超えました。そして、同年10月をピークにして、2019年1月にはアメリカで一位から三位まで転落してしまいました(一位はアマゾン、二位はマイクロソフト)。 Appleの想像力の源泉と言え…

いまさら聞けない3Dプリントってなに?|プラスチックのコマ、自動車部品、食用プリントまで

3Dプリントで起きていることはパソコンで起きたことに似ています。 コンピューターはIBMなどが製造する高価な産業向けコンピューターしかありませんでしたが、Appleが小さな個人向けのパソコンを作りました。Appleがコンピューターを作ったわけではありませ…

イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる

イーロン・マスク といえばテスラやスペースXが有名ですが、他にもボーリングカンパニーやニューラリンクといった面白いことをやっています。そのイーロン・マスクがマリファナを吸ったということでジョー・ローガンのポッドキャストが注目を浴びましたが、…

書評|グロースハック本の決定版|"Hacking Growth" by Sean Ellis【2018年夏休み読書週間】

エリック・リースはリーン・スタートアップを書籍の形で世に出しましたが、グロースハックという言葉を2010年に生み出したショーン・エリスこれまでグロースハックの本を書いてきませんでした。グロースハックはショーンがコンセプトを発表した後に、アンド…

書評|不条理なゲーム開発の世界を垣間見る|"Blood, Sweat and Pixels" by Jason Schreier 【2018年夏休み読書週間】

ゲームの開発は他のソフトウェア開発とかなり違うため、なかなか理解するのが難しい分野です。今回紹介するKotakuの編集者ジェイソン・シュライアーの書籍"Blood, Sweat and Pixels"は普段垣間見ることができなゲーム開発の世界を紹介しています。 ここで紹…

なぜブロックチェーンは自由なのか|第三回:自由からも自由になったイーサリアム

今回の特集はブロックチェーンです。第一回目はブロックチェーンが生まれる背景となるサイファーパンク、第二回目はサイファーパンクとビットコインをつないだハル・フィニーの話でした。サイファーパンクもそこから生まれたビットコインもアメリカの完全自…

なぜブロックチェーンは自由なのか|第二回:ハル・フィニーとビットコイン

ブロックチェーンやビットコインについては技術面やビジネス面の解説がたくさんされています。しかし、その背景にある「自由」や関わる人たちの情熱はあまり理解されていません。 多くの人はブロックチェーンやビットコインにビジネスの可能性を感じて惹きつ…

なぜブロックチェーンは自由なのか|第一回:ビットコイン前夜のサイファーパンク

今回の特集はブロックチェーンです。サイファーパンクからイーサリアムまでカバーする予定です。ブロックチェーンやビットコインについては技術面やビジネス面の解説がたくさんされています。しかし、その背景にある「自由」や関わる人たちの情熱はあまり理…

アップルから学ぶベンチャーキャピタルの役割

今回取り上げるのはアップルです。アップルは「資金を提供する人のメリットは何か」と「いつ外部から資金調達をするべきなのか」と「創業者が資金以外に必要なもの」を理解するのに最適な事例だからです。 資金を提供する人のメリットは何か そもそもベンチ…

ビットコインを使うUXプロセス(暗号化通貨の支払いシステムを開発から学ぶ)

原文:"Cryptocurrency payment UX process" by Samantha Shaibani 暗号化通貨は技術コミュニティーの中でも外でもとてもアツいトピックです。興味と意識が高まる中で、暗号化通貨に多くの人が引き寄せられています。 多くの人がウォレットをダウンロードし…

書評|バーチャルリアリティーの歴史|Dawn of the New Everything by Jaron Lanier

ジャロン・ラニアーはヴァーチャルリアリティーを商用製品としてはじめて世に送り出したVPL Researchの共同創業者で「VRの父」と呼ばれる人です。VR自体はずっと前に生み出されているので、彼自身はその称号にあまり心地よさを感じてはいないようですが、間…

スロースタートアップ|第二回:dribbble|おじさんたちのサイドプロジェクト

スタートアップといえば急速な成長のためにベンチャーキャピタルからガツンと資金調達をするイメージがあると思います。しかし、ベンチャーキャピタルから資金調達をせずにずっとブートストラップ *1 しながら成長するスタートアップも存在します。日本だと…

スロースタートアップ|第一回:Github|スポーツバーとラーメン利益

スタートアップといえば急速な成長のためにベンチャーキャピタルからガツンと資金調達をするイメージがあると思います。しかし、ベンチャーキャピタルから資金調達をせずにずっとブートストラップ *1 しながら成長するスタートアップも存在します。日本だと…

バイドゥ(百度)のロビン・リー|Googleに勝った男が苦しんでいる理由

バイドゥ(百度)は中国のプラットフォーマーであるBAT(バイドゥ/アリババ/テンセント)の一角にも関わらず、アリババやテンセントほど話題に上がりません。 アリババやテンセントといったライバルに大きく後れを取っているというのが現在の評価です。ど…

蘇りつつあるシャオミー(小米)から学ぶ「モノづくり」から「コトづくり」への変革

日本は製造業が強く、「モノづくり」が得意でした。これが過去形になってしまうのはアメリカ(アップルなど)や台湾(シャープを買収したホンハイなど)、韓国(サムソンなど)が日本の製造業を追い越してしまったからです。おそらく作るモノの品質自体はま…

Tik Tokのトウティアオ(头条)から学ぶ中国コンテンツビジネス

アメリカの影響力のある大手テクノロジー会社をまとめてGAFA (Google/Apple/Facebook/Amazon)と言います。ドットコムバブルを生き残ってプラットフォーマーとなった世代ですね。これに続くのがリーマンショック以降に生まれたUber、Airbnb、WeWorkなどの…

Oculusから学ぶハードウェアスタートアップのはじめ方

20世紀のスタートアップ(AmazonやGoogle)と21世紀のスタートアップ(UberやAirbnb)にはいくつか違いがあります。 ドットコムバブルやリーマンショック以降の成熟(リーンスタートアップやグロースハックなどの方法論の確立) サービスのスタートアップの…

アメリカ政府機関「18F」から学ぶプロダクトオーナーの役割

原文:"So, you’re a Product Owner..." by Hannah Kane 18Fで官公庁のパートナーとのプロジェクトでデジタルプロダクトを開発するときの最大のゴールは最終的に官公庁パートナーがそのデジタルプロダクトとその結果のオーナーシップを完全に持つことです。…