ざっくり言うと
- この年からGOV.UKの各省庁への本格展開がはじまる
- その展開方式はイノベーションラボ方式。主体は各省庁のデジタルチームだけど、GDSが専門家集団として事業部門である各省庁にノウハウを提供。
- CTO室主導でアーキテクチャだけでなく調達も整理整頓。コスト削減効果が明確になってくる。
- アプリは行政サービスには不向き。(個人的にはPWAは向いてると思う)
- 検索できない「リッチテキスト」は追放
原文:"A GDS Story 2014"
2010/2011年|2012年|2013年|2014年|2015年
1月13日
デザイン融合チームがチェックリストを発表:
このチェックリストはオンラインでサービスを提供するどのような組織でも役に立つように意図しています。これらのチェックリストを満たしていればデジタルサービスはだれでもオンラインに対応できるよう融合している状態になっていることになります。
1月23日
Janet Hughesが身分証明プログラムについて詳細に説明。身分証明プロバイダー(のちに認定会社に呼称を変えた)の役割など。
1月24日
政府が新しいITの契約ルールについて発表。これはGDSの支出管理の必須要綱ともなる。概要は以下の通り:
- 1億ポンド以上のIT契約は特別な必要性がない限り承認されない。契約の規模を小さくすることでより多くのサービス提供者の参入と競争を促進する。
- サービスのプロビジョニングを提供した会社は、プロビジョニングをしたシステムの構築契約はできない。
- 契約の自動延長はない。完全なビジネスケースがない限り契約は延長しない。
- 2年以上の新たなホスティング契約は結ばない。
Francis Maudeは以下のように書いています:
この明確な線引きにより政府は最良の技術を最良の価格で調達することができる。私たちは納税者の価値のため、恥ずかしげもなく軍隊のような厳格さで適用する。
1月27日
James StewartがGDSでのGitとGitHubの利用について書く。
1月29日
GDSがロンドンで“200日のデリバリー、さらなる200日”と銘打ってSprint 14を開催。ビデオも作りました。
Mike Brackenが以下のように要約:
- トランスフォーメーションプロジェクトはすべて発見のため。
- 4つのベータプロジェクトはすでに10万人に利用された
- 政府をトランスフォーメーションするのに残り200日
1月30日
ロンドンでSprint GOイベントを開催。政府機関と関連部署がGOV.UKへの移行のため。
2月3日
政府の公式文書がwww.official-documents.gov.uk (イギリス国立公文書館が管理)からGOV.UKへ移行。
2月6日
デザイナーのGuy MoorhouseがモバイルデバイスでのGOV.UKの改善について解説。
2月11日
身分証明プロジェクトがHMRCのユーザーに対してベータ移行。
12 February
York男爵がGDSを訪問。
2月18日
GDSが政府のデザイナーに新しいガイドを発表:デザインスタイルガイドとデザインパターンハックパッド。
2月21日
Tom LoosemoreがRenew tax discサービスをリリースしたDVLAを祝福: "敬礼!"
2月25日
GDSが #contentdesignweek を祝う。
2月27日
Neil WilliamsがGOV.UKの進捗をまとめる: "第三フェーズが進行中"
3月
はじめてGOV.UKに単月で5000万人が訪問。
3月2日
読者に誤解を招くWebサイトを報告してもらうようお願いする。一週間後、Ade AdewunmiがGOV.UKからたどり着くサイトでもOKと書く:
もしちょっとしたカラースキームやレイアウトの違いがあってもGOV.UKからリンクされているサイトはすべて大丈夫です。オンライン広告や一般的なGoogleやBingといった検索に限りません。必要以上にサービスに対価を支払ってるかもしれませんし、全くなにもないサービスに支払ってるかもしれません。また、信用できないサイトに個人情報を提供しているかもしれません。
3月5日
GOV.UKのヘッダーで使われていたタイプフェースをGill Sans からNew Transportに変更。
3月12日
Digital Marketplaceのアルファがスタート。
3月17日
3月18日
GOV.UK Tax Disc *1 "thank you"ページの変更の結果、35万人の臓器提供者の登録が増加しました。
同日、GDSが正式にCTO室を設置。Alex Holmesが書いています:
私たちは政府の技術でリードをとっています。何をするのかを指示するのではなく、自らのエキスパートチームを作り上げ、正しく行うことを支援します。私たちは以前の必要以上に複雑な政府のITガバナンスをより簡単でシンプルなモデルを構築しました。
3月26日
GDSが最初のSocial Media Playbookを発行。
同日、ライターでコメンテーターのClay ShirkyがGDSを訪問。
3月28日
GOV.UKが新しいインフラに誰にも気づかれずに移行。これはとてもいいこと。
4月1日
サービス標準が完全にライブ。Tom Scottが最初の50のサービス評価からのフィードバックを通じてどのようにイタレーションをしたかを解説。
4月6日
Public Services Network (PSN) がCTO室内でGDSの一部となる。Andy Bealeが説明をしています:
PSNはネットワークのネットワークです。公共セクターの組織が安全で効率的につながることができます。これにより過去の分離した繋がないネットワークのような複雑さや重複を避けことができます。
4月14日
デジタル融合戦略とデジタル融合憲章の設立。Kathy Settleが書いています:
これは政府が初めてデジタル分離の問題を解決するためにパートナーを集める取り組みです。とても興奮する時期です。私たちはいいアイデアのスケールアップを望んでいます。重複をやめ、人々が簡単に働けるようにしたいと考えます。。
この仕事の一部としてスケールするデジタル融合があります。各官公庁がユーザーのデジタル融合のニーズを評価することができます
4月23日
運転免許試験局のMartin RichardsonがInside Governmentのブログに寄稿。たった一文字の変更が600%のクリックスルー増加したことを説明。
5月13日
Performance Platform上で83にダッシュボードを一日でリリース。
5月22日
Ben Terrettがスケッチでデザインすることについて解説。
5月23日
各省庁と政府機関がGOV.UKでのコンテンツのパフォーマンスを確認できるダッシュボードをリリース。
5月29日
永続的代理権 (Lasting Power of Attorney)がトランスフォーメーションプロジェクトの中ではじめてベータからライブに移行。
同日、ユーザーリサーチの責任者Leisa Reichelt ユーザーリサーチをどのようにアジャイルでやるヒントを公開。
6月3日
Leisa Reichelt「ユーザーリサーチとユーザーテストは違います。テストされているのはユーザーではなく私たちです。それは良いことです」
6月10日
Register to Voteが公開。トランスフォーメーションプロジェクトがまた成功。
6月12日
新しいユーザーリサーチラボを公開。
6月20日
Pete HerlihyがRegister to Voteに働きかけつつ、現状の打破に関する完璧なブログ記事を書く:
今後の法律のドラフトを書くときに私たちとサービスデリバリーチームが共に働くことに関してリーガルチームから合意を得た。これは本当に特別なこと。
6月26日
身分証明プログラムのベータが新しいサービスを追加:DVLA’s View Driving Record
7月3日
Mike Brackenによる最初の長く詳細なブログ記事。ここでは「サービス変革」の定義について:
私たちが「変革 | Transformation」について語るとき、それを可能にするハードやソフトについてグダグダ言っているわけではありません。私たちはユーザーが望むときに望むサービスを提供するために全体のサービスのことを考え、複数の専門性を併せ持ったチームの力でユーザー体験を変革します。変革とはより良い体験を提供すること、真に生活をよい方向に変えることです。
7月14日
デザイナーのJoe LanmanがRegister to Voteをデザインしたことからの学びについて書く。
7月15日
GOV.UKは階層リスト(Miller columns)を使ったナビゲーションの改善を模索。
7月18日
Ben TerrettによるGDSのデザインプロセスの解説:
私たちはワイヤーフレームやPhotoshopのモックアップを作りません。私たちは「デザインが終わったら開発の仕事」のような文化にしたくありません。私たちはハイフィデリティのモックアップもワイヤーフレームも作りません。私たちはモノを作ります。モノのイメージではありません。
7月22日
Digital Marketplaceがプラベートベータに。
同日、政府がドキュメントの閲覧と共有にオープンスタンダードを採用。Linda Humphriesによる解説がこちら。
7月28日
Mike Bracken が司法省チームが民事請求のサービス更新の仕事について:
今は2014年です。私たちはビクトリア風の公共サービスを運営すべきではありません。法律自体は数世紀前のものかもしれませんが、人々とコミュニケーションをする言葉はそうあるべきではありません。
同日、Tony SingletonがG-Cloudの順調な成長について書く。この月2億ポンドの売り上げ。
8月5日
8月6日
内閣府の効率と改革グループの設立者でありGDSの強力な支援者だったStephen Kellyが商業セクターでの新しい役割を引き受けるために政府を去る。Mike Brackenのコメント。
本議会を通じてStephenはGDSと政府のデジタル化全てにおいての確固とした支援者でありチャンピオンでした。彼は大臣へのアクセスを確保してくれ、イベントで講演してくれ、様々な障害を取り除いてくれました。そして何よりも常にポジティブな世界観を持っていました。これが私が一番必要とするものでした。
8月12日
Performance Platformチームが新しいプロトタイプページについて解説。
8月14日
デベロッパーのAlice BartletがGOV.UKでの検索のアクセシビリティ改善について。
8月16日
雑誌『エコノミスト』が新しいユーザーリサーチラボについて記事を書く。
GDSは商業セクターでは自然に起きるデジタルのしなやかさを政府に持ち込もうとしている。もし企業がダメなWebサイトを持っていたり、そもそもデジタルを全く無視したら、顧客はどこかへ去っていく。福祉から運転免許証まで独占的な公共サービスの提供者である国家はそのサービスのオンライン化のモチベーションを内部から起こす必要がある。
8月19日
若い才能を政府に参加してもらうために新しいDigital and Technology Fast Streamの立ち上げ。
8月20日
トランスフォーメーションプロジェクトの一つ特許更新がライブ公開。
9月5日
Olivia Nealがサービス標準のアップデートについて:
今年の4月からサービス標準は26ポイントで評価をしてきました。サービスはアルファ、ベータ、ライブステージにおいて評価されます。これまで27のアセスメント評価を行い、それぞれ4人から5人のGDSのアセッサーから構成されるパネルで評価されます。では、最初の5ヶ月での評価はどうだったでしょうか?評価をパスしたのは70%で想定どおりでした。トランスフォーメーションプロジェクトはそうでないプログラムより高い確率でパスしました。
9月10日
Web運用エンジニアのBob WalkerがGOV.UKで「デプロイの穴熊」によるアプリケーションリリースのコントロールについて解説。
9月15日
トランスフォーメーションプロジェクトの刑務所訪問予約がライブ公開。
9月17日
身分証明プログラムがGOV.UK Verifyとなる。そして、プライベートベータからパブリックベータへの移行計画が発表される。Janet Hughesのコメント。
私たちはユーザーリサーチプログラムを続け、ラボと大規模な質的リサーチの学びからサービスの構築と改善を続けます。私たちは多くを学び、UIデザインなど多くを改善しました。名前も変えました。サービスをどのように説明したらいいかユーザーとテストしてみました。そしてGOV.UK Verifyがそれ以外の名前よりも理解しやすいことを学びました。パブリックベータではこの名前を使います。
同日、Ben Hollidayがユーザーリサーチとデータがどのように公開されているサービスを改善するか6つの事例を紹介。
9月23日
Mike Bracken が新しい見習いトレーニングサービスのベータについて。
見習いトレーニングチームはよくやりました!全く正しいことを行なっています。これが私たちが当初からイメージしていた変革プロセスで、実際にそれが実現していることをうれしく思います。たった3年前はこのような急激なサービスのデザインの変更は無理だと言われていました。
10月7日
DVLAの運転免許証閲覧サービスがベータからライブ公開。
10月9日
Anna Wojnarowskaが内閣府CTOトランスフォーメーションプロジェクトでのユーザーリサーチについて解説。
10月10日
10月14日
GOV.UK Verifyがパブリックベータに移行。
10月17日
GOV.UKが二歳の誕生日を迎える
11月6日
Digital MarketplaceがCloudStoreから完全移行してG-Cloudのクラウドベースのソリューションを購入する唯一の窓口となる。内閣府担当大臣のFrancis MaudeがサービスマネージャーのIvanka Majicの助けを借りながら自分で新しいデジタルサービスを試してみる。
11月13日
ユーザーリサーチャーのPete GaleがGOV.UK Verifyがパブリックベータへ移行するにあたった変更点を紹介。
6月にユーザーのジャーニー全体を見直すことにして、ボードに描きなおしました。これまでの経験と学びを活かしつつクリーンな状態からはじめることで、シンプルな質問から適切な提案までのデザインを洗練することができました。
11月25日
Ivanka MajicがG-Cloud、CloudStoreとDigital Marketplaceの歴史を振り返る。
11月26日
内務省のChris Athertonが翻訳のためのデザインについて書く。
11月27日
イギリス政府がWorld Wide Web Consortium (W3C)のメンバーとなる。
11月28日
トランスフォーメーションプロジェクトの求職支援サービスがライブ公開。
このプロジェクトに関わったGDSメンバーのSteve Woodのコメント。
プレストンの求職支援チームは単に紙をデジタル化にする以上のことをしました。ユーザーリサーチを行い、申し込みプロセスの深い部分まで探り、170の質問事項を取り除きました。これは全体の49%にあたります。求職者は時間があまりないため、これはとても重要なことです。実際にサービスパフォーマンスのデータでは朝の短い時間に利用のスパイクが現れます。
12月3日
Kate Towseyがリサーチラボの最初の6ヶ月について報告。25%コストダウンで2ヶ月のうちに予約でいっぱい。
12月9日
GDSがロンドンにて最初のD5*2ミーティングを開催。内閣府大臣のFrancis Maudeがスピーチ。
公共セクターでは過度のリスク回避の傾向があります。人々は何も新しいことができないと感じています。政府はいいアイデアを見つけ、できない理由を探すことが得意です。現状に対して同じような綿密な調査をしません。私たちはより良い新しいやり方を探すため人々に実験してリスクをとることを奨励しなければいけません。たとえそれが常にうまくいかなくてもです。最も大きな過ちは試さないこと、動かないことに固執することです。
Liam Maxwellは以下のように書いています。
D5の目的は世界的な協力体制です。私たちは常にオープンに自分たちの仕事を共有することについて話し合っており、D5はそれを対面で簡単に行うことができます。議論のプラットフォームとなり、お互いを助け合うことができます。私たちは実際的な問題に実際的な解決方法を強調します。
12月11日
Performance Platformチームがダッシュボードのフルスクリーンモードを実験。
12月15日
Liam Maxwellが「韓国から学べること」と政府の技術における2010年から2014年にかけてのサプライチェーンの変化について書く。
12月17日
Mike BrackenがDVLAを訪問。その時の彼の考え。
DVLAは素晴らしい仕事をしています。Webサイトを直し、技術をアップデートし、ユーザー中心のアプローチをするために組織全体を見直しています。これが「変革」でないのであれば、何が変革なのか私にはわかりません。私は本当に感銘を受けています。私が言えるのは「素晴らしい」だけです。DVLAはデジタル政府の申し子です。
12月19日
トランジションプロジェクトの完了。300の政府機関とその関連組織のWebサイトをGOV.UKに移行完了。Mark Hazelbyのコメント。
私たちのトレーニングチームの例を取りましょう。もし、このプロジェクトの前にGoogleで"climate change uk"と検索したら16の政府系のWebサイトが検索結果として表示されていました。そして、今ではGOV.UKの政策とトピックのページが一番に表示されます。これは市民にとってとても強力です。豊富な政府のコンテンツの中から最適な情報にすぐにアクセスできます。
このプロジェクトのハイライトとなる数字:
- 312の政府機関と組織
- 685のドメインとサブドメインを閉鎖
- 150,000ページ以上をGOV.UKで公開
- 1,200人のスタッフが平坦な英語で書くトレーニングを受ける
12月23日
GOV.UK Verifyを英国歳入税関庁の確定申告サービスの少数ユーザーでトライアルを実施することを発表。