ダミアン・レオーネ監督による米マイルズ郡を舞台にしたスプラッターホラー「テリファー」シリーズの三作目『テリファー 聖夜の悪夢』の映画評です。グロいの苦手な人は絶対に見ちゃダメな奴。ハロウィンバージョンだった前作『テリファー 終わらない惨劇』(2022年)につづき、今回はクリスマスバージョン。
このシリーズはアート・ザ・クラウンというホラー映画史上にジェイソンやフレディーとともに名を遺すであろう圧倒的なキャラクターと、その過剰ともいえる惨殺シーンを見るための映画なので、あまりストーリーを解説してもしかたがない。前作を生き延びたシエラとジョナサンの姉弟を再びアート・ザ・クラウンが襲うという話。
アート・ザ・クラウンは怖いんだけど、とてもカワいい。これが過去のホラーキャラクターにはなかったものだと思う。ただ、今回はそのカワいさを表すシーンが少ないのが残念。前作だったらギフトショップのやり取りとか最高におもしろかったのに。
前回の「クラウン・カフェ」の虚構と現実が入り混じったシーンはとても好きだった。今回、シエナは幻想を見るようになってしまっているので、最初から幻想と現実との境界線が危うい。何なら最初から最後まですべてシエナの幻想だと考えることもできなくはない。むしろ、そう思えるようなシーンやプロットがあったらもっとよかったのに。まあ、ダミアン・レオーネ監督は多分そこまで考えていないと思う。
三作目でも勢いが衰える様子はないので、きっと4作目もあるでしょう。またシエナが襲われたらかわいそうだなあ。