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グローバルコミュニティーの作り方|第三回:Product Hunt|スタートアップの登竜門

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前回に引き続き今回もProduct Huntです。前回はProduct Hunt自身のコミュニティーづくりについてでしたが、今回はProduct Huntを実際に使ってどのようにコミュニティーを作るかを解説します。

王道の流れはProduct Huntで上位にランクし、主要なメディアに取り上げられるというパターン。ここではProduct Huntの掲載方法と、それを主要メディアにフォローアップして掲載してもらうまでの流れを説明します。海外展開に海外のPR会社を雇う必要ありません。英語さえできれば個人で全部できます。ボク自身もService Dioramaでやりましたので、その経験に基づいて解説します。海外で自分のプロダクトについて知って欲しければ、この方法を試してみましょう。

 

Product Huntとは

アメリカ、ヨーロッパ、シンガポールといった英語圏のスタートアップがプロダクトをローンチする時にまず掲載を目指すサイトがいくつかあります。いきなりTechCrunchThe Next WebThe VergeといったメジャーなTechメディアでの掲載は無理です。もっと現実的に考えましょう。Redditの関連Sub RedditやHacker Newsは誰でも投稿できるのでやって損はありません。しかし、Redditはカルマが溜まってないとほぼ無視されますし、Hacker Newsも相当クールでないと無視されます。

Product Huntは新しいプロダクトやサービスのランキングです。一般の人が掲載、投票します。ランキングは毎日変わって、その日にローンチした面白いプロダクトやサービスを知ることができます。新しモノ好きにはたまらないサイトです。プロダクトをローンチする側からしたらアーリーアダプターの集まりとも言えます。そういう意味ではオーディエンス的にはKickstarterにも似ていますね。

Product Huntに自分のプロダクトを掲載する

Product Huntに自分のプロダクトを掲載してもらう方法は二つあります。一つは掲載する権利を獲得して、自分で掲載する。もう一つは掲載する権利を持っている人に自分のプロダクトを掲載してもらう、です。

自分で掲載する

Product Huntに新しいプロダクトを掲載する(コントリビューターになる)には一定の条件があって、Product Huntのコミュニティーでの貢献が認められた人だけが掲載できます。明日プロダクトローンチだから今日Product Huntに登録しても、すぐには掲載できる権利はもらえません。

ボクの場合は掲載できる権利がもらえるまで3カ月くらいかかりましたが、現在はこちらから確認することができます。ただ、最初はフォロワーが少ないので、掲載しても気づいてもらえない可能性があります。

他人に掲載してもらう

すでにProduct Huntのコントリビューターになっている人に人に掲載してもらう方法もあります。自分のサービスと似たようなサービスを掲載した人のプロフィールをチェックして、Twitterなどでコンタクトしてみるといいでしょう。その人自身が「あ、これは面白いな」と思ってくれればProduct Huntに登録してくれるでしょう。ボクも掲載できますが、やっぱり自分がいいサービスだと思わないと掲載はしませんね。自分のサービスはすげーからグローバルに知ってほしい!という日本のスタートアップはTwitterでご連絡ください。ただ、あとで説明する事前準備やフォローアップは自分でやってくださいね。

掲載できる人のフォロワーが多ければ多いほど、たくさん票が入る可能性があります。

掲載する事前準備

成功はどれだけ準備できているかにかかっています。例えば、Product Huntに掲載しても上位に入らなければ意味がありません。上位に入っても主要メディアに取り上げられなければ効果は半減です。事前準備は非常に重要です。

Product Huntで上位に入るための準備

先ずは掲載された後にランキングで上位に入らなければいけません。できればトップになりたいところです。

投票してくれそうな人と関係を作る

Product HuntはRedditと少し似ていて、人によって一票の重みが違います(明示的にそうは説明されていませんが、経験上そう思います)。新しい人よりも常連の一票のほうが重い。自分のサービスに投票している友達を大量にProduct Huntに登録してもらうという行動はよくあります。そういう投票はあまり信用できませんよね。Product Huntを継続して利用している人の方が目利きの信頼性が高いと言えます。そこで、自分のサービスに興味がありそうな人を事前調査して、そのような人たちとコメントやメッセージでコンタクトをすることをお勧めします。

友人や関係者に投票してもらうことは推奨されていません。注意しましょう。

Product Huntだけの特別キャンペーンを準備する

多くの成功しているキャンペーンはProduct Hunt用の特別なランディングページを準備しています。例えば、Product Huntのオーディエンスはほぼ英語圏の人たちなので、英語のランディングページでなければいけません。日本語のランディングページではダメですよ。

他にもProduct Huntならではのイメージを出すためにGlasshole Kittyを使うこともオススメです。Glasshole KittyはGoogle Glassをつけた子猫のイメージで元々はProduct Huntのファンが作ったものを喜んだProduct Huntのスタッフがオフィシャルなイメージとして採用したものです。

 多くのプロジェクトはGlasshole Kittyを使った特別なランディングページを用意します。もし、プロダクトが有償なのであれば特別なキャンペーンコードを準備してProduct Hunt経由でランディングページに来てくれた場合は特別なディスカウントを提供する場合もあります。

事前にメディアとコンタクトを取る

もしProduct Huntで上位になった場合、主要メディアでの掲載を目指します。これもProduct Hunt掲載前に準備をしておくといいでしょう。

メディアキットを作る

どのようなメディアにどのようなストーリーで取り上げてもらうのか?何がユニークで何が強みなのか。これが簡単に説明されているメディアキットを作っておきます。スクリーンショットとかイメージ写真も用意してメディアキットに含めましょう。プロダクトを説明するビデオがあればベスト。これらはProduct Huntのプロダクト説明でも使えます。

プレスリストを作る

そして、各主要メディアで自分のプロダクトを取り上げてくれそうな記者をリストアップします。スタートアップ、ライフサイエンス、IoTなど記者によってカバー範囲が異なるので、適切な記者にコンタクトをすることが重要です。ハードウェアの記者にソフトウェアを紹介しても無視されるだけです。

コンタクトする

コンタクトはTwitterかメールで行います。どの記事を読んで記者を知ったのか(ちゃんとあなたの専門分野と興味がわかってコンタクトしているという意味)、その分野で新しいプロダクトを準備している、ローンチする日(Product Huntに掲載する日)はいつという情報をメディアキットを添えて記者に伝えます。もし興味も持ってくれれば事前に試してくれる可能性もあります。

返信の可能性が高いのはメールではなくTwitterです、特にDM。対象の記者をフォローしてどのような発信をしているのか知りましょう。そして、返信したりリツイートしたりしましょう。ちゃんと関係性を事前に作っておくことが大事です。ボクの場合はTwitterでメディアリストを作りました。

タイミングが合わずに掲載にはなりませんでしたが、Product HuntでService Dioramaのローンチ前にThe Vergeの記者と記事掲載に向けた話ができました。

注意事項:タイムゾーンを意識する

Product Huntはリアルタイムのランキングです。見て欲しいオーディエンスに見てもらうためにはタイムゾーンを意識する必要があります。英語圏なら先ずはアメリカですよね。そして、アメリカで最初に朝になるのは東海岸(ニューヨークなど)で、イギリスはまだお昼ですね。つまり、東海岸の朝に掲載することが重要です。Product Huntはアメリカの時間で前日のリストがリフレッシュされるので、東海岸でトップに入ればその日は上位を継続できる可能性が高まります。西海岸の朝に東海岸の昼。

日本だけで働いているとタイムゾーンを意識したプロダクトローンチをしませんが、グローバルでプロダクトローンチをする場合はタイムゾーンを意識する必要があります。