カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

サービス共創のプロトタイプツール『サービスジオラマ』のWebサイトを新しくしました

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 ありがたいことにボクの作ったサービスジオラマのコミュニティーは世界で広がっているのですが、作者のボク自身がそのWebサイトを放置状態でした。各国のコミュニティーリーダーたちはPDFファイルを持っていて、ワークショップを開催するときは自分たちで印刷してもらっていました。先日もアムステルダムでワークショップが開催されました。せっかく集まってくれた参加者に引き続き使ってもらいたいので、やはりWebサイトはメンテしないといけない。

 そこで、この連休を利用してサービスジオラマのWebサイトをStrikinglyで作り直しました。Mediumで書いていたサービスジオラマ系のブログ記事も徐々にこちらに移行していきます。

サービスジオラマとは

 簡単にサービスジオラマを説明すると、簡単にカスタマージャーニーをグループで作れるツールです。カスタマージャーニーマップを作るのってちゃんとUXリサーチをやらないといけない。それを時系列にグラフィック化したのがカスタマージャーニーマップ。UXリサーチをユーザープロファイルとしてまとめたのがペルソナ。

 もちろん、調査に基づく可視化って大事です。でももっとクイックにアジャイルにチームのモヤっとしたアイデアを可視化したい。それが事実かどうかはわからないけど、現時点でサービスやプロダクトを作るチームはどういうエコシステムを想定しているのか。そういうのをみんなで可視化するツールがサービスジオラマです。

サービスのプロトタイプを作るには

 サービスはプロダクトに比べて外部とかの関わりが多い。そのエコシステムはどうしても複雑になりがちです。サービスのプロトタイプを作るにはシンプルなツールが必要になります。そうしないとパッみてわからない。そして、ビジュアル要素をうまく取り込まないといけない。例えば色や線。スケッチも強力なツールですが、絵心に自信がない人にとっては敷居が高い。

三つ以上の要素を作らない

 シンプルにするためには三つ以上の要素を作らないことです。サービスジオラマは「人」と「場所」と「それ以外」のカードしかありません。三つしか種類がないという制約が発想を自由にします。

 カードは「ユーザー」と「サービス提供者」と「それ以外の第三者」に色分けをします。もちろん三色以上に色分けてもいいのですが、そうするとパッと見てわからなくなってしまいます。

ビジュアルサインを使う

 サービスジオラマは多くのビジュアルサインを使っています。色によってカードの役割を明確にします。線でカードをグループ化することもできます。また、線でカードをつなぐことで関係を表すころができます。若干変えてはありますが、下の図は実際にある官公庁で作った新入社員のオンボーディングのサービスジオラマです。

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ユーザーとの共創のためのサービスジオラマ

 サービスジオラマの強力なところはユーザーとプロトタイプを一緒に作れることです。例えば上の新入社員のオンボーディングであれば実際の新入社員と一緒にオンボーディングをデザインすることができます。

 これがデジタルツールではなかなか難しいところです。ペルソナやカスタマージャーニーマップもユーザーの直接の声が反映されているわけではない。どうしてもデザイナーの解釈や仮説が入ってしまいます。

日本でも使えたサービスジオラマ

 実は日本でも何回か企業向けのワークショップをやりました。事業立ち上げの場合は多くの関連部署が関わってきます。マーケティング、営業、ITや経理部門。それらの関連部署はそれぞれ別のイメージを持っていたりする。言葉では同じでも実際に立ち上げてみると思っていたのとちょっと違う。サービスジオラマのようなプロトタイプツールを使うと関連部署の人達が全員でエコシステムのマップをかける。そうすることによって作ろうとしている事業のイメージが共有できる。

 そして更にユーザーも一緒に巻き込むことができる。いろんな想定や想像をするのではなく、ユーザーにエコシステムのマップをサービスジオラマで作ってもらう。そういう感じに使うと概ね好評でした。

サービスジオラマはCreative Commonsライセンスで公開されています

 サービスジオラマはCreative Commonsライセンスでオープンになっていますので、使ったり配布したりするのは当然ながら自由です。自分なりにアレンジして改変しても構いません。どうぞ勝手にやっちゃってくださいというのが作者であるボクのスタンスです。何かありましたらTwitterでご連絡お願いします。