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音楽|本物の80年代リバイバル?|WeezerとTrevor Horn

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ウィーザーって最初のブルーアルバム"Weezer"と次の"Pinkerton"でいきなりピークを迎えてから、長い停滞期を経て”Hurley”でちょっと立て直して"Everything Will Be Alright In The End"で完全復活したというのがボクの見立てです。このアルバムはマジで大好きです。

しかし、何と言ってもウィーザーをいきなりメインストリームまで持ち上げたのはヒット曲"Happy Hour"ですよね。リミックスもたくさん生まれてこのままディスコ路線に行ってしまうのではないか?と往年のファンも「それも仕方なし」と思ったこともありました(過去形)。

ところが、売れちゃったことをすぐに忘れてしまうのが我らがウィーザー。去年からいきなり意味不明な80年代回帰。TOTOの『アフリカ』のカバー曲を発表してしまいます。いやいや、それどこに需要があるのよ?

そして、ウィーザーの80年代回帰はこれでは終わりませんでした。最新の"Teal Album"では全てカバー曲で攻めてきました。A-haの"Take On Me"なんてビデオまでしっかりリスペクトな感じで仕上げています。他にもティアーズ・フォー・フィアーズとかマイケル・ジャクソンとか。いやいや、それどこに需要があるのよ?と思っていたら意外とヒットしちゃいました。世の中わからないものです。

そして、80年代回帰は意外なところからもやってきました。トレヴァー・ホーンです。トレヴァー・ホーンといえばバグルス『ラジオ・スターの悲劇』で80年代のビデオミュージック時代の到来を告げた人ですね。

90年代にはシール、2000年代にはt.A.T.uのような単発の仕事はありましたが、80年代ほどキラキラはしていませんでした。なんか真面目なんですよね。完全に過去の人ってわけではないのですが、やっぱり80年代のイメージが強い人ですよね。

そこで過去をモロに引きずって出したのが新作"Trevor Horn Reimagines The Eighties"という80年代のカバーアルバムでした。で、これが良いんですよ。やっぱり、おっさんは割り切ったほうがいい仕事する。これは偶然か必然かわからないのですがウィーザーの"Teal Album"と同じくティアーズ・フォー・フィアーズ"Everybody Wants to Rule the World"で幕を開ける(ウィーザー版 - YouTube/トレヴァー・ホーン版 - YouTube)。偶然か必然か。やっぱ、80年代ってティアーズ・フォー・フィアーズの時代だったんですかねえ。

で、トレヴァー・ホーンの新しいアルバム。何と言っても白眉はブルース・スプリングスティーンのカバー"Dancing in the Dark"ですよ。この曲のボーカルをとっているのが"Power of Love"のガブリエル・アプリンなんですが、彼女の落ち着いたヴォーカルとストリングスがブルース・スプリングスティーンの世界にあってるんですよ。ブルース・スプリングスティーンってノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランと同じくらいリスペクトされている詩人でもあるのですが、その深みのあるリリカルな部分がうまく出ている。火を灯すには火花が必要なんだよ。

3月3日追記:ウィーザーは"Black Album"を出しましたね。こちらはヒットした前作路線を継承しています。80年代回帰の"Teal Album"はちょっとしたファンサービスでしたと。

Weezer (Black Album) [Explicit]

Weezer (Black Album) [Explicit]

2019年2月に気になったアーティストのひとこと評