カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評|マインドフルネス入門書|"You Are Here" by Thich Nhat Hanh

f:id:kazuya_nakamura:20210301010759p:plain

ボクは宗教やスピリチュアルには縁遠い人間です。宗教やスピリチュアルを信じている人をバカにしたりしないけど、自分自身は信じていない。キミはキミ、ボクはボク。そんなボクにマインドフルネスは興味があるトピックではありません。なぜ、そんなボクがティク・ナット・ハンの新著『You Are Here』を読んだのか?ボクは米国アマゾンの科学やコンピューター分野の新刊を定期的にチェックして、そこから毎回読む本を選んでいます。なぜか、その中にこの本が紛れ込んでいたんでしょうね。

そんなわけで、この本を読みはじめた(実際はオーディオブックなので聴きはじめた)時、とてもビックリしました。え?何これ?マインドフルネス?興味ねーよ!とはいえ、せっかく買ったのですから、読んでみないともったいない。まあまあ面白かったです。

ボクは(当然ながら)知らなかったのですが、著者ティク・ナット・ハンはとても有名な仏教者でマインドフルネスの第一人者の一人なのだそうです。日本でも多くの著書が翻訳、出版されていました。この『You Are Here』もきっと翻訳されるのでしょうね。

マインドフルネスとは「あらゆることに意識を巡らすこと」だと理解しました。その最初のステップが呼吸を意識すること。吸って、吐いて。呼吸に「良い/悪い」の区別はない。ただ、そこに呼吸という行為があるだけ。それを「意識(mind)」することがマインドフルネスの第一歩だとのことです。

人間には良い感情があれば、悪い感情もある。それも「意識(mind)」することからはじまる。ああ、自分はいま悪い感情を抱いている。それを意識する。それを意識することで、「悪い感情」をあやすことができる。子供をあやすように。悪い感情をまずは認める。そこからはじまるのだそうです。

仏教には「現在」しかない。時は川の流れのようなもので、「過去」はすでにない。「未来」はまだない。現在を「意識(mind)」することが重要。「現在」を意識することで「過去」と「未来」と繋がることができる。過去から学び、より良い未来に自らを導くことができる……ということなのだろうか。

果たして、ボクはこの本を理解できたのだろうか?たぶん、理解できてないと思います。ボクは毎日1時間くらい散歩をする習慣があります。その時に呼吸を意識しようとは思いましたし、実際にここ数日は散歩の時に呼吸を意識するようにしています。ボクはいまここにいる。そして、ボクは意識をしている。それで何かが救われるのか?よくわからないです。でも、それで少しでも心に平穏がもたらされればいいなとは思っています。