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書評|ハマるしかけの次は、ハマらない時間管理|"Indistractable" by Nir Eyal

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集中したい、でも集中できない。悩みは古今東西同じです。特に最近は「アテンションエコノミー」などと言われるように、人の注意力を引きつけることがビジネスにとっても重要になってきているため、あの手この手で誘惑してきます。人の注意を引きつけて虜にさせるにはどうしたらいいかと詳しく解説した前著"Hooked"が大ヒットしたニール・イヤール。新著"Indistractable"はその誘惑からいかに逃れて自分にとって本当に重要なことに集中するのかを解説しています。Kindle版より先にAudible版が出たので早速聴いてみました。

Indistractable: How to Control Your Attention and Choose Your Life (English Edition)

Indistractable: How to Control Your Attention and Choose Your Life (English Edition)

最近はソーシャルメディアなど無益なことではなく、本当に自分に必要なことに集中したい人が増えたのか、そのような解説本が増えています。以前に紹介した"Digital Minimalism"なんてその典型ですね。ボクはフェイスブックをヤメて、だいぶ生産性が上がりました。あと、短期間で集中的に学習する"Ultralearning"も学ぶことに集中する敵である「気が散る」から逃れる方法を解説していました。

ニール・イヤールはデジタル・ミニマリズムを完全否定はしませんが、問題なのは技術ではなく、自分自身だと説きます。彼自身もデジタル・ミニマリズムを試したそうですが、あまりうまくいかなかったそうです。デジタルを遠ざけても、別のことが気になってしまう。結局は気が散ってしまう。

まずは、自分は何をしたいのか、何から逃れようとしているのか。自分自身の内面を覗き込んで、自分自身を理解することが大切です。自分が大切にすることは「自分(Self)」を円の中心におき、その外側に「プライベート(Relationship)」、一番最後に「仕事(Work)」とする三重円ができます。まずは、自分の健康大事。これを優先順位としてやることを決めましょう。決めたらタイムボクシングで時間管理をしましょう。簡単に言ってしまえばこういうことです。

でも、結局それって『7つの習慣』なんじゃないの?という気がしないでもありませんでした。あれも結局はフランクリンプランナーというシステム手帳を売る仕組みだったと思うんですよね。覚えています?システム手帳が爆発的に流行したバブル後期。ええ、ボクも持ってましたよ。使いこなせませんでしたが。

習慣化は時間管理から生まれる。リラックスする時間や趣味の時間もちゃんと予定を入れましょう。いま考えると、それはそれで悪いアイデアではないし、実践したほうがいいとは思います。とはいえ、今さらそれを繰り返しますか?と『7つの習慣』世代としては思うのです。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

  • 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: ハードカバー
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この本はどんな人にオススメか

『7つの習慣』を読んだことがなくて、もっと現代的な時間管理に興味がある人にはオススメです。『7つの習慣』は自己啓発的な部分が好き嫌いの分かれるところだと思います。ボクはあまり馴染めませんでした。ニール・イヤールの"Indistractable"はとても実利的で、インターネット/モバイル世代に即したアドバイスがたくさんあります。

前著はなぜか『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール』というキーワードを詰め込んだクソ長いSEOっぽい日本語タイトルがつきましたが、今回はどうなるでしょうね。

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

  • 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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