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Oculusから学ぶハードウェアスタートアップのはじめ方

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20世紀のスタートアップ(AmazonやGoogle)と21世紀のスタートアップ(UberやAirbnb)にはいくつか違いがあります。

  1. ドットコムバブルやリーマンショック以降の成熟(リーンスタートアップやグロースハックなどの方法論の確立)
  2. サービスのスタートアップの誕生(Airbnb、UberやWeWorkなど)
  3. ハードウェアのスタートアップの本格化(ドローンのDJIやウェアラブルのFitbitなど)

すでにソフトウェアとサービスの事例は見たので、今回はハードウェアのスタートアップです。Oculusはなんと最初の資金調達から一年未満でエグジット *1 しています。Instagramもかなり早いエグジットですが、Oculusはアメリカでは三番目に早いエグジットなので尋常ではありません。まあ、エグジットというのは企業としてはスタート地点でもあるのですけどね。今回はOculusの歴史を見ながら彼らがどのようにハードウェアスタートアップを立ち上げたか見ていきましょう。

  • バーチャルリアリティーとOculusの歴史
    • 自作文化とオンラインコミュニティー
    • 偶然の出会いから爆発的な注目を浴びる
    • 起業とクラウドファンディング
  • ハードウェアスタートアップの三つの基盤
    • 情報:個人で学べる情報サイトとコミュニティー
    • 制作:個人でもプロトタイプが作れるようになった
    • 資金:クラウドファンディング
  • ハードウェアスタートアップの未来
  • 参考文献
  • 関連記事

*1:投資家と創業者が投資を回収すること

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WeWorkの誕生と成長|自分がやりたいことを実現できるコミュニティーを作るということ

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WeWorkは資産評価35億ドルのユニコーン企業です。彼らのビジネスはコワーキングスペース。なぜWeWorkはそれほど資産評価が高いのでしょうか?コワーキングスペースを提供する企業は山ほどありますし、WeWorkがコワーキングスペースのコンセプトを生み出したわけでもありません。ボクがシンガポールやオランダにいるときも、WeWorkと同じくらいおしゃれでコミュニティー感が強くて広いコワーキングスペースはたくさんありました。代表的な例はImpact Hub(WeWorkより2年早い2008年に創業)やThe Surf Office(湘南や九十九里浜に欲しいなあ……沖縄もいいなあ)でしょう。

共同創業者でCEOのアダム・ニューマンは「Amazonがオンラインの本屋だと思っている人は本質を見ていなかった」と言います。では、WeWorkの本質とはなんでしょうか。WeWorkと他のコワーキングスペースを分け隔てているのはなんでしょうか。

  • イスラエルのキブツと最初のアイデア
    • 実現が遅れたアイデア
  • WeWorkを立ち上げるまでの寄り道と失敗
  • WeWorkの原型となるGreen Deskの立ち上げ
  • WeWorkの立ち上げ
  • WeWorkにとっての「プロダクト」とは?
    • WeWorkのプロダクトは「やっと月曜日がはじまる!(Thanks God It's Monday!)」
    • コミュニティーマネージメント
    • メンバーエクスペリエンス(UX)
  • まとめ
  • 参考文献
  • 関連記事
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Instagramの誕生と成長|爆速エグジットの秘密

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Instagramのエグジット *1 はアメリカで八番目に早い記録になります。資金調達と同時に起業し、その七ヶ月後に製品ローンチ。起業から一年後に更に700万ドル(約7億円)の資金調達をし、その一年後にFacebookに10億ドル(約1000億円)で買収されます。ちなみに、Facebookはその直後にIPOをしてエグジットしています。

以下がInstagramの立ち上げからビジネスとして成立するまでの年表です。うーん、めっちゃ早いですよね。Facebookに買収されるまで全く売上はなかったのですが、これだけ資金調達ができていれば全く資金的には問題なく運営できていたでしょう。絵に描いたような順風満帆です。でも、どうやって?

*1:創業者と投資家がIPOやM&Aを通じて投資を回収すること

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ジャック・マーとアリババ誕生と成長|長江のワニ

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アリババ(阿里巴巴)はジャック・マーと17人の共同創業者とともに1999年に設立されました。そして当時の動画映像はかなり多く残っています。なぜかと言えば、2000年に国際マーケティング担当役員として参加して十年間アリババで働いたポーター・エリスマンがドキュメンタリーフィルムを残す意図で当時からビデオ撮影をしていたからです。ジャック・マーも公開前提で撮影することを許可してくれたそうです。あと、ジャック・マーは映像が好きなんでしょうね。教師の頃の映像とか政府の役人との交渉とかとにかくたくさん映像が残っています。

これらの映像は『長江の鰐 (Crocodile in the Yangtze)』というタイトルで一般公開されました。幸いにしてボクはこれを公開前にシンガポールでポーター・エリスマン本人による上映会で観ることができました。日本ではあまり知られていないこの映画をボクが知っているのはそのためです。

英語がわかる人はそれを観るのが一番手っ取り早いです。英語は苦手、全部観るのは億劫という人のために要点をまとめてみました。

  • ジャック・マー最初の起業:翻訳会社
  • 二回目の企業:中国最初のインターネット企業
  • 三回目の企業:再出発とアリババの立ち上げ
  • ドットコムバブルの崩壊
  • 希望の兆候
  • eBayとの競争
  • まとめ
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Airbnbの誕生と成長|借金から3兆円企業への道

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Airbnbは日本では「エアビー」という愛称までついて、それなりに知られる存在になってきました。そして、スタートアップを目指している人にとって、Airbnbがどのように生まれたのか、どのように成長したのかかなり研究されている分野かと思います。

よくあるAirbnbの成長秘話は成功した部分だけを取り上げてあたかも順調に成長してきたかのように見えてしまいます。しかし、Airbnbはすぐに成功したわけではなく、数えきれない失敗を繰り返して、そこから学びながら成長してきました。

例えば、資金調達がうまくいかず、クレジットカードで数百万単位の借金をして資金を作りました。プロの写真家にいい写真を撮ってもらうグロースハックも有名です。でも、そのプロの写真家って誰?どうやって写真が暗いと気がついたの?そもそも、Airbnbにとって「プロダクト」ってなんだったの?それを理解するにはもう少し掘り下げる必要があります。表面だけで学べることはあまり多くありません。

そんなわけで「そんなのもう知ってるよ!」と思われる部分もあるかもしれませんが、英語でないと見落としてしまうような部分も細かく拾ってみようかと思います。ブライアン、ジョー、ネイサンという三人の共同創業者のインタビューから骨格だけでなく背景もわかるようにまとめました。

ちなみに、この記事はかなり長いのではてなブックマークPocketに保存しておくことをお勧めします!

  • 有名なAirbnb誕生秘話とあまり知られてない前日譚
  • アイデアを実現する
    • 資金調達は失敗、借金ではじめる
    • 借金まみれで成功が見えず、どん底が続く
  • 成長段階
    • 最初のグロースハック:市場に受け入れられるプロダクト(PMF)を作る
    • 結局、Airbnbの「プロダクト」とはなんだったのか?
    • 成長のグロースハック:急成長の原動力
      • ミートアップでのユーザーホストの教育と七つ星のエクスペリエンス
      • Craiglistのハック
    • 海外進出のゲリラ作戦
  • まとめ
  • 参考文献
  • 関連記事
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Spotifyの誕生と成長|二年半の赤字から音楽市場V字回復の立役者に

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音楽市場は2014年まで15年続けて縮小を続けていましたが、2015年から回復して今も売上を伸ばし続けています。この音楽市場のV字回復に最大限の貢献をしているのが音楽ストリーミングで、Spotifyはその最大手です。日本の音楽市場だけ、未だに回復できていませんが、Spotifyが起爆剤になってくれることに期待ですね。

日本語でSpotifyの歴史を詳しく解説している情報がなかったので、まとめてみました。

  • Spotifyをはじめる前の成功と失敗:Spotifyをはじめるきっかけ
  • なぜ音楽ビジネス?
  • それでも、なんでよりによってみんなが失敗している音楽ビジネス?
  • ローンチまでの二年間半の音楽業界との格闘
  • でも、二年半もどうやってお金のやりくりしたの?
  • Spotifyの成功要因
  • Spotifyは音楽の何を変えたのか?
    • 音楽の多様化
    • 聴き方の多様化
    • アーティストが作品を作りやすい環境
  • まとめ
  • 参考文献
  • 関連記事
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Dropboxを成長に導いたショーン・エリスのグロースハック

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「ソースにあたれ!」って大事ですよね。何かを本質的に理解したければソースを探す。グロースハックに関しては「ソース」は間違いなくショーン・エリスです。そしてショーン・エリスをここまで有名にしたのはDropboxでの成功です。では、ショーン・エリスは具体的にDropboxで何をして、それがどのような形で今のグロースハックとなっているのでしょうか。

  • ショーン・エリスとDropboxの出会い
  • グロースハックとマーケティングの違い
  • グロースハックの最終的な目標は企業全体にグロースの文化を植え付けること
  • 成長の原動力となる数字となる道しるべの指標(Northstar Metrics)
  • 道しるべの指標(North Star Metrics)と最重要指標(One Metrics That Matters:OMTM)の違い
  • 企業がグロースハックを取り入れるのに必要なこと
  • 参考文献
  • 関連記事
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