カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評|ハリネズミとキツネの大戦略|"On Grand Strategy" by John Lewis Gaddis

「戦略」という言葉はビジネスでも使われますが、元々は軍事用語です。第二次世界大戦以降は武力を使った大きな戦争は以前と比べて少なくなりましたが、戦略の重要性は低くなるどころか益々高まっています。 今回紹介する"On Grand Strategy"はアメリカの歴…

徹底比較 SuicaとAlipay|日本のモバイルペイメント普及のカギ

中国はモバイルペイメントが普及している先進事例です。インターフェースがQRコードで一番目立つため、QRコードが大きく注目されています。しかし、インターフェースは(重要だけれども)一つのコンポーネントでしかありません。 今回は中国の支付宝(Alipay…

はじめての中国Fintech:暗号化通貨とブロックチェーン【金盤】

はじめての中国Fintechはモバイルペイメント編【赤盤】とモバイルバンキング編【青盤】の二回にわたってお届けしました。しかし、全くブロックチェーンやビットコインなど暗号化通貨に触れていないのに違和感を持った方もいるのではないでしょうか。ビットコ…

書評|AIとハサミは使いよう「あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠」|"Weapons of Math Destruction" by Cathy O'Neil

AIに関しては人間の役に立つと考える「肯定派」と人間をダメにする「否定派」があり、多くの人は態度を決めている「様子見派」なんじゃないかと思います。AIは所詮はツールなので使いようで、人に役立つこともできれば、人に危害を加えることもあります。包…

書評|インターネットとサブカルとオルタナ右翼|"Kill All Normies" by Angela Nagle

アンジェラ・ネーグルの"Kill All Normies"はオルタナティブ(特にオルタナ右翼)について書いた本です。最近のアメリカやヨーロッパのオルタナ文化を理解するのにいい本でした。ちなみにタイトルにもなっているノーミーはノーマルピープル(メインストリー…

書評|キャッチーなデータサイエンス本『誰もが嘘をついている』|"Everybody Lies" by Seth Stephens-Davidowitz【2018年夏休み読書週間】

自分が何をしているのか意外と意識できていないものです。自分で思ってるよりいい奴じゃないし、優れてもいない。昔は良かったということも実はあまりないですしね。多くの場合、悪かったことは忘れてしまってるだけです。 セス・スティーヴンズ=ダヴィドウ…

書評|Twitter創業者たちのエゴと魅力『ツイッター創業物語』|"Hatching Twitter" by Nick Bilton【2018年夏休み読書週間】

いろいろなスタートアップの成り立ちを調べてブログで書いていると、企業や人となりには(当然ながら)裏と表があると気がつきます。完璧なんてない。どれだけ素晴らしい業績を残した起業家も成人君主ではなく普通の人間です。 いわゆる会社公認の「創業史」…

映画評『スノーデン』|エドワード・スノーデンから学ぶ自由

社会人になって読書や映画鑑賞から離れていた時期もありました。音楽もそう。CDをケースから出して、プレーヤーに入れる。ちょっとしたことなんだけど、億劫になってしまう。でも、インターネットとサブスクリプションモデルのおかげで、音楽や映画がまた身…