カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評|新自由主義批判に対する保守からの回答―大きな政府は大きな腐敗を生む?|"Profiles in Corruption" by Peter Schweizer

ピーター・シュワイザーは調査報道記者です。そして、ルネッサンス・テクノロジーズのロバート・マーサーらとともに保守系シンクタンクの政府説明責任研究所を設立した一人です。更に、オルタナ右翼を代表するメディア『ブライトバート・ニュース・ネットワ…

映画評|老舗のとんかつ屋に似た幻のホラー映画|"The Ghost of Sierra de Cobre" by Joseph Stefano

老舗の味は意外とおいしくない。「おいしい/おいしくない」は主観であって、絶対的な尺度などないにしても。もちろん、例外もあるのですが、これがボクが色々と食べ歩いた結論です。老舗は雰囲気がいいです。趣があります。でも、味は今ひとつだったりする…

書評|ニューヨークとサンフランシスコの間の「不気味の谷」|"Uncanny Valley" by Anna Wiener

オンライン版の雑誌『ニューヨーカー』で記者をやっているアナ・ウェイナーの初著書である"Uncanny Valley"は日本語で「不気味の谷」です。不気味の谷は最近はロボットへの嫌悪感を表す心理現象です。ロボットっぽいロボットには特に嫌悪感は感じないのだけ…

映画評|ひたすらTVゲーム『パックマン』をプレイするだけの映画なのに面白い|"Relaxer" by Joel Potrykus

今回紹介するジョエル・ポトライカス監督作品"Relaxer"を簡単に説明すれば「男がひたすらテレビゲーム『パックマン』をプレイする映画」です。ジャンル的には不条理劇で密室劇。え?何が面白いの?ですよね。これがなかなか面白い映画なんです。 Relaxer (Lt…

書評|人間と動物の優しい共存のための豆知識|"Animalkind" by Ingrid Newkirk

今回はどうやって紹介したらいいのか、なかなか迷った本です。単純に「動物好きにおすすめの本!」とも言えるし、もっと社会的に「ヴィーガンや動物愛護を理解するための本!」とも言える。更に「文明発展の中における動物の位置づけ!」みたいに大きな括り…

映画評|エドガー・アラン・ポーの未完の作品からスタートした怪作|"The Lighthouse" by Robert Eggers

これまで日本ではまだ翻訳されていない本を紹介してきましたが、今年はもっと日本未公開の映画も紹介していきます。今回は良作を連発して勢いが止まらないA24制作でロバート・エガース監督作品"The Lighthouse"です。評価が高い映画なので、そのうちに日本で…

書評|進化は野蛮で自然は優しい|"Civilized To Death" by Christopher Ryan

世の中には楽観主義者と悲観主義者の両方いて、楽観的な意見と悲観的な意見を喧々諤々やっています。スティーブン・ピンカーが楽観主義者の代表だとしたら、今回紹介するクリストファー・ライアンは悲観主義者の代表かもしれません。どちらかの意見が決定的…

映画評|普通であることが凄い映画|"Chained for Life" by Aaron Schimberg

今回紹介するアーロン・シムベルク監督作品"Chained for Life"は「普通であることが凄い」非常に稀有な映画です。何がそんなに凄いのか、ネタバレにならない程度に解説したいと思います。ぜひ日本でも公開してほしい! まず、"Chained for Life"は映画として…