カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

政治

書評|大人のためのドラッグ講座|"Drug Use for Grown-Ups" by Carl L. Hart

読者の常識に挑戦する本は知的な刺激を与える本です。考えが及ばなかった部分に光が当たる感覚。しかし、それは「挑戦」なので、拒否反応もあります。理屈はわかるが、信じたくない。受け入れられない。日本語でも著書が翻訳されているカール・ハートの新著"…

書評|情報の価値の測り方、経済的な情報開示ルールとは|"Too Much Information" by Cass Sunstein

今回紹介する"Too Much Information"は日本でも多くの翻訳が出版されているキャス・サンスティーンの新著となります。キャス・サンスティーンはノーベル経済学賞を受賞したナッジ理論で有名なリチャード・セイラーとの共著『実践行動経済学(原題:Nudge)』…

書籍|能力主義と自己責任は正しいのか?|"The Tyranny of Merit" by Michael J. Sandel

2020年のアメリカ大統領選挙で負けたものの、なぜドナルド・トランプはこれほど多くの人を惹きつけるのか?なぜイギリス人はEU離脱を支持するのか?ポピュリズムと一言で言うけれど、なぜポピュリズムがここまで台頭してきたのか?ローレンス・レッシグが主…

まとめ|2020年アメリカ合衆国選挙における投票法案のハイライト

2020年のアメリカ合衆国選挙(大統領選挙/上院選挙/下院選挙/州知事/各州の投票法案が同時に行われる)は見所がたくさんありました。今回はトランプ vs バイデンの大統領選挙がエンターテイメントとしても、とても面白かったので日本でも注目されました…

書評|アナーキストから見た民主主義|"There Never Was a West" by David Graeber

デヴィッド・グレーバーが59歳の若さでお亡くなりになりました。最近だと『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』が日本でも翻訳されて紹介されたばかりでした。本来でしたらこのブログでは日本未発表/未翻訳の作品しか取り上げないのですが、…

書評|データサイエンス時代のソフィストたちに騙されない方法|"Calling Bullshit" by Carl Bergstrom and Jevin West

英語でブルシット(Bullshit)は「バカらしい戯言」です。ウソ(Lie)とも言い切れない。嘘の場合もあれば、本当の場合もある。ブルシットは多くの場合はハッタリだったり、ごまかしたり、騙そうとする意図があります。ブルシットだとわかれば、トランプのゲ…

書評|60年前のケンブリッジ・アナリティカはダメなスタートアップの典型だった?|"If Then" by Jill Lepore

フェイスブックなどから個人情報を集め、データ分析をして、投票行動に影響を与えるキャンペーンを行ったケンブリッジ・アナリティカは多くの人にとって民主主義への脅威に映りました。しかし、ケンブリッジ・アナリティカのような会社は最初ではありません…

書評|ポール・クルーグマンから保守ゾンビへの宣戦布告|"Arguing with Zombies" by Paul Krugman

政治的な意味において保守(小さな政府)に対する考え方はリベラル(大きな政府)です。そして、経済的な意味においてリバタリアン(完全自由主義)に対する考え方がプログレッシブ(革新主義)です。政治的な考えは経済的な考えに結び付きます。逆に経済的…

書評|新自由主義批判に対する保守からの回答―大きな政府は大きな腐敗を生む?|"Profiles in Corruption" by Peter Schweizer

ピーター・シュワイザーは調査報道記者です。そして、ルネッサンス・テクノロジーズのロバート・マーサーらとともに保守系シンクタンクの政府説明責任研究所を設立した一人です。更に、オルタナ右翼を代表するメディア『ブライトバート・ニュース・ネットワ…

書評|死にゆく民主主義のための処方箋|"They Don't Represent Us" by Lawrence Lessig

何かを議論するとき、何を原理原則とするかが重要です。何が目的で、何が手段なのか。例えば、日本は衆議院と参議院の二院制をとっています。何を目的として衆議院と参議院が分かれているのでしょうか。衆議院は何を代表して、参議院は何を代表しているので…