カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

書評

【2018年夏休み読書週間】オーディオブック活用法|カタパルト式アンリーディング

最近読んだ本の感想を【2018年夏休み読書週間】として何冊か紹介してきました。でも、「読書」というのは厳密には正しくありません。ボクの場合はオーディオブックを聴いているので、「聴音」が正しい。ちょっと前まではKindle Paperwhiteを愛用していました…

書評|機械学習の考え方を理解する|The Master Algorithm by Pedro Domingos【2018年夏休み読書週間】

人工知能(AI)とかディープラーニングとか機械学習とか、自分なりの理解のもとに色々と自分の意見や考え方を持っている方が多いかと思います。そして、正しい認識を持つには正しい理解が必要となります。機械学習でよく言われるガベージ・イン/ガベージ・…

書評|クソくだらなくて意味のない仕事が増えている|Bullshit Jobs by David Graeber

本来必要ない仕事があったら?そして、その仕事をしている人はそれに気づいていたら?これが今回紹介するデビッド・グレーバーの"Bullshit Jobs"の主題です。様々な調査によると37%から40%の人が自分の仕事がなくなっても何も世の中に影響がないと考えていま…

書評|トランプ時代に崩れ落ちる民主主義|The Death of Truth by Michiko Kakutani【2018年夏休み読書週間】

ハンナ・アーレントの1951年の著作『全体主義の起源』によれば、全体主義にとって都合のいいのはナチスや共産党の信者ではなく、事実と作り話の差がわからない人だそうです。そして、それから70年近く経った現在、フェイクニュースやケンブリッジアナリティ…

書評|差別するデザイン|"Technically Wrong" by Sara Wachter-Boettcher【2018年夏休み読書週間】

デザインは人を傷つけます。そして、場合によっては死に至らせる可能性もあります。このことについてはすでに翻訳が出ているジョナサン・シャリアートとシンシア・サヴァール・ソシエによる『悲劇的なデザイン』(デザイナー必読)でも詳しく紹介されていま…

書評|シリコンバレーのユートピアドリームから目を覚ませ|"People vs Tech" by Jamie Bartlett【2018年夏休み読書週間】

これまで新しいテクノロジーで古い仕組みを壊すことはいいことだとされてきました。既得権益にあぐらをかいている古い業界を新しくする。そして、多くの場合、新しいテクノロジーを使うのは小さなスタートアップで、古い仕組みと既得権益にしがみつくのは大…

書評|チンパンジーより世界を正しく認識する方法|"Factfulness" by Hans Rosling

まずは13の質問に答えてください。この質問はGoogle Formで作成され、回答は全ての質問に答えた後に表示されます(一人一回しか回答できないためGoogleのログインが必要です)。多くの答えが間違っていても、ガッカリする必要はありません。ダボス会議の参加…

書評|コープのソーシャルプラットフォーム|"Ours to Hack and to Own" by Trebor Scholz and etc

注目されるスタートアップの歴史を書こうと考えた時、どうしても食指が動かなかったのがUberです。そもそもビジネス自体に共感が持てない。創業者たちがどのような社会を作ろうとしているのかわからないですが、便利と搾取の等価交換な気がしてならない。社…

書評|バーチャルリアリティーの歴史|Dawn of the New Everything by Jaron Lanier

ジャロン・ラニアーはヴァーチャルリアリティーを商用製品としてはじめて世に送り出したVPL Researchの共同創業者で「VRの父」と呼ばれる人です。VR自体はずっと前に生み出されているので、彼自身はその称号にあまり心地よさを感じてはいないようですが、間…

書評|世界最大のヘッジファンドが提唱するAIによる「意味のある仕事と意味のある関係」|Principles by Ray Dalio

今回の書評はレイ・ダリオの"Principles"です。レイ・ダリオは世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの創業者です。この本はいろんな意味で注目されています。一つは多くのファンドが損出を出したリーマンショックでも利益を出し…

書評|コミュニティーとソーシャルと催涙ガス?|Twitter and Tear Gas by Zeynep Tufekci

インターネットとソーシャルメディアでコミュニティー活動がとてもやりやすくなりました。ボク自身も『デザイン+ジャパン』というデザインで日本の社会的問題を解決するコミュニティーをはじめましたが、インターネットがなければまともに活動できません。 …

書評|生物、企業、都市に共通するスケールの法則|Scale by Geoffrey West

書籍の中でもきちんと科学的に検証された題材を読むのが大好きです。科学的に検証されたというのは推測ではなく事実や多くの事例に基づいて論証されているという意味です。例えば社会経済学で様々な疑問に切り込んでいる『ヤバい経済学』とか進化生物学の観…

書評|仕事の戦略には「いい仕事戦略」と「悪い仕事戦略」がある|The Good Jobs Strategy by Zeynep Ton

「サービスデザイン」はその名の通り「サービス」をデザインします。プロダクトデザインと大きく異なるのは人との関わり。たとえばホテル(コンシェルジュやベルキャプテン)、小売業(店員)、コールセンター(カスタマーサービス)に飲食店(ホールスタッ…

書評|シェアリング経済以降の新しい地図「WTF」Tim O'Reilly

"WTF"の著者、Tim O'Reilly氏 インターネットで世の中が大きく変わり、変わり続けています。時代が変わると地図も変わります。コンピューターの時代はIBMがエコシステムの中心でした。パソコンの時代はマイクロソフトがエコシステムの中心でした。さらにオー…

書評|モノづくり企業から顧客体験企業への転換「Connected Company」Dave Gray

これからは顧客体験を重視したサービス企業にならないと成長できないと言われています。現代のヨハネの黙示録の四騎士と言われるAFGA(Apple、Facebook、Google、Amazon)も全てサービス企業ですね。え?誰ですか?Appleが製造業だといってる人は?Fortune F…

書評|ポスト情報化社会の組織論「Reinventing Organization」Frederic Laloux

大企業病で判断が遅い。組織の壁がある。イノベーションを起こせない。残業が減らない。過労死問題。これらは日頃のニュースや新聞の社説で繰り返し見かけるフレーズです。電通社員の過労自殺は未だに日本国民全員への問いを発しています。 「で、どうするの…